見出し画像

青く脆い。

睨み付けるようにこちらを見て赤信号が灯る。
影が伸びた交差点に踏み止まれない自分がいた。
白くて淡くて脆く、その全てが僕の体を包んだ。
白い箱の中黒く染み込んだ汚れた感情、
登り続ける階段も目を開けばまだ白い箱の中。

回る世界の中で何度だって
なるはずのないノック一回の音を
ひたすら待ってたんだ
あるはずのないドアの隙間から
伸びた手の影が見えた.....  

その手掴みたくて、差し伸べた僕の足元に絡みつくもう1人の僕の腕。何を今更と、何も見えていないような目で足元の僕がわらう。
それでも触りたくて、色に触れたくて、すべてを見放すようよ手を振り払う。
「バカだな」
鼻で笑われた僕の背にはもうドアの隙間はなかった

光も入ることのない僕はまだ白い箱の中。
なるはずのないノック一回の音を未だずっと
待ってるんだ。
音も臭いもわからない、この暗い白い壁はまるで息をしているとは到底なれなくて、
チクタクと回る時計の前で何度だってさ、
時間が流れているという事実だけが僕の救いだった
軋み出した二つの針はいまトキを止めた。  

逃げてしまいたくて、壊してしまいたくて、
何も映したくなくて目を塞ぐ。
悲しいだけのこの世の雑音が染みついて息が止まる
すべて消し去りたくて、消えてしまいたくて。
赤に塗れたガラスを手に取る。
写る僕の目に写り込んできたのはもう1人の僕。  

一体何が正しいのか僕は一体誰なのか。
暗い街をひたすらあるいていた。
僕は僕が嫌いだった。
灰にまみれ死人の目の僕も
僕自身なんだ。  

ただ走りたくて、前に進みたくて
ガラスを離した手でで自らドアを叩く
涼しい風がそばを通る跡をたどり扉が開いてゆく
僕はぼくの手を離さない
2人今明日へはしりだしてゆく。。  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?