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ボランティアリーダー育成プログラム開催しました!

2024年8月21日(水)〜24日(土)の4日間にかけて、第二回ボランティアリーダー育成プログラムを開催しました!

本プログラムは、東京都ボランティア・市民活動センター夢応援ファンド助成事業、杉並区教育委員会後援事業として実施しました。

1日目「ワークショップデザインを学ぼう!」

初日は、JR高円寺駅から徒歩5分程度の場所にある高円寺氷川神社が会場でした。ちなみにこの神社には、日本唯一の天気の神様を祀る気象神社があり、映画『天気の子』にも登場するなど近年注目のスポットです。

都内各地や、埼玉や神奈川からも集まった中高生34人。それぞれの興味関心に基づき、「ゴミ問題」「衣料問題」「フードロス」「気候変動」のSDGsにまつわる4テーマを選択。各テーマ4〜5人×2チームの計8チームとなりました。

大学生スタッフの挨拶でスタート!

緊張した様子で会場に集まってくる中高生たち。そんな中、大学生スタッフの声掛けで座席を見つけ、少しずつ同じチームのメンバーと話し始めます。大学生スタッフが考えた自己紹介ワークでは、A4の白紙を使った4分割自己紹介で呼んで欲しい名前や趣味などを話し、カタルタゲームではお互いの推し活について話すなど、だんだんとメンバーが打ち解けていきました。

さて初日のメインワークは、青山学院大学助教授の齋藤美雪先生によるワークショップデザイン研修です。中高生たちは、「ワークショップという言葉は聞いたことがあるけどよくわからない」という人がほとんど。中には、自ら企画をしたことがあるという人も1〜2人いましたが、基本的にはワークショップデザインは初挑戦になります。

齋藤先生がデリバリーについてご紹介

齋藤先生は、普段は社会人向け講座である青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラムや大学生向けの講義を行っていますが、テレビ販売の事例などを用いて中高生向けにわかりやすく解説をしてくれました。

しかし、話を聞くばかりではワークショップデザインを身に付けることはできません。やはり、ワークショップはワークショップの中でしか学べない。ということで、まずは実際にワークショップを体験します。齋藤先生による「逆転時間ワークショップ」を各チームでチャレンジ。このワークショップは、撮影した動画が、観るときには逆再生されるというアプリを活用したものです。まずはとにかく楽しむということで、各チーム逆再生を利用して思い思いの動画を撮影しました。

逆再生動画を撮影中

次に実践です。ワークショップデザインの大きなポイントである「デリバリー」。参加者がわかりやすく、かつ楽しくついついのめり込んでしまうように、伝え方を工夫することです。今回は、小学生に逆転時間ワークショップをやってもらうと仮定して、冒頭の紹介部分をどのようにデリバリーを工夫して実施するかを各チームでチャレンジしてもらいました。

フリップを使ったり、演劇風にしたり、クイズ形式にしたりと、中高生たちは様々な工夫をして実践しました。みんなの前でやってみると、計画通りの反応を得られないことも。でもこれが一番大事ですね。こうした経験の積み重ねが力になります。

デリバリーに挑戦

ワークショップデザイン研修の後はテーマ別研修を行いました。前述の4テーマに分かれて、各テーマに関する活動を会場がある杉並区内で取り組んでいる方々から、活動内容や実践内容、それぞれのテーマに関する基本知識などについて説明がありました。

衣料問題についてのレクチャー

2日目「ワークショップをデザインしよう!」

2日目は杉並区高井戸の杉並区環境活動推進センターに場所を移し、最終日に小学生たちに実践するワークショップを各チームが練り上げました。どうしたら、小学生たちが楽しく、各テーマについて学んでもらえるか、試行錯誤が続きます。前日学んだデリバリーの工夫に加えて、参加する小学生のことを想像しながら、「最初は自己紹介とかゲームを入れた方がいいかな?」「ただの工作ではなくて、参加者どうしが学び合うにはどうしたらいいかな?」などと創意工夫しながらプログラムを決めて、道具の準備や原稿の検討が行われています。

各チームでわいわい企画中

途中、議論が滞ったチームは、近所にある東京ごみ戦争歴史みらい館へ。自分たちの暮らす街のゴミ処理の仕組みがけっして当たり前のものではないことを、先人たちの闘争や和解から学びました。

3日目「リハーサルとブラッシュアップ」

3日目の午前中は、最終日に小学生に対してワークショップを行う会場と同じ場所でリハーサルを行いました。ゴミ問題チームは高井戸児童館、気候変動チームは井草児童館、フードロスチームは四宮森児童館へ。本番の会場に行ってみると、想定していたものより会場の広さや備品が違ったり、リハーサルで通してみると足りないものや考えが詰められていないことがわかったり。なお、衣料問題チームは阿佐ヶ谷にある古民家コミュニティスペースであるマルコせいさく所でリハーサルをしてみたところ、冷房の故障により小学生にとっては危険な暑さになる可能性がわかり、急遽コミュニティふらっと阿佐ヶ谷に会場変更に。やはりリハーサルは大事ですね。

児童館でリハーサル

午後は杉並区阿佐ヶ谷にある文化学園大学杉並中学校・高等学校へ。午前中に出てきた修正点をブラッシュアップし、改めてリハーサルをしたり、足りない備品を準備したりしました。

4日目「実戦とリフレクション」

ついに最終日です。各チームはそれぞれの会場に分かれ、準備してきたワークショップを実践しました。各会場10〜20名程度の元気いっぱいな小学生が集まりました。

実際にワークショップをやる中で、想定外の事態やイメージと違った小学生たちの反応が起こります。そこに、臨機応変に対応していくのもワークショップの醍醐味。初めてのチャレンジに戸惑いながらも、中高生たちはワークショップをやり切りました。

古着からエコバッグを作るワークショップ

午後は再び文化学園大学杉並中学校・高等学校へ戻り、4日間の振り返りです。「半日も振り返りすることってあるんですか?」と質問する中高生もいましたが、振り返りこそがワークショップデザインの肝なんです。

企画したワークショップに対してプログラムごとに個人、チームでの振り返りを行い、それに対して同行した大学生スタッフやアドバイザーとして参加していた青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラムの修了生たちからフィードバックを行いました。こうして、主観と客観の両視点を得ながら自分たちがデザインしたワークショップを振り返ります。

楽しく振り返り

さらに、振り返りを踏まえて「もう一度ワークショップをやるとしたら」というお題で45分間の小学生向けワークショップを作り直しました。作り直すことで、より深く「もっとここはハードルを下げよう」「子どもたちだけでこの部分はできそうだね」などと見直すことができます。

また、チームメンバーどうしで互いの貢献を振り返るワークも行いました。4日間で深まったチームワークのおかげで非常に盛り上がる時間になりました。

4日間を終えて

昨年の第1回と比べて、参加者34名(応募は50名程度)と規模が倍になり、ワークショップのレベルもより上がったと感じました。「来年も必ず参加する!」「次回は参加者ではなく企画側になりたい!」といった意欲的な声も多数いただき嬉しい限りです。いくつか参加者アンケートから引用します。

「ワークショップを行う際には、最初の「掴み」が非常に重要であることを学びました。単に話し始めるのではなく、参加者に問いかけをすることで、彼らを積極的に巻き込むことができると実感しました。」

「グループメンバーが全員年上で、最初は不安だったのですが、歳が離れていても共有し合える有益な情報はあるし、むしろ同学年の子達からは得られないような貴重なことを学ぶことが出来たので、今回のグループワークで年齢差は関係ないことを知りました。」

「初対面の人たちとグループワークをする機会があまりなかったため、とても新鮮に感じました。最初はみんな緊張していて、自分が動かないと話し合いが何も進まないなと思い、私は進行役を務めることにしました。普段、学校でのグループワークでは進行役というよりもサポート役に回ることが多かったため、自分はリーダーには向いていないと思っていました。しかし、4日間のワークショップを無事に終えることができ、いろいろ反省点はあるものの、リーダーとしての役割を果たせたと感じています。これを機に、学校でも積極的にグループワークやプロジェクトのリーダー役に挑戦してみようと思いました。」

改めて皆さん4日間ありがとうございました。

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