モルディブ ”島々の花輪” | ミュージック・ジャーニーvol.69
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、インド洋に浮かぶ熱帯の国モルディブ共和国へ、駐日モルディブ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。
モルディブは1,192の島々からなる島国であり、国名のモルディブには「島々の花輪」という意味があります。その名の通り、国土は26の美しい環礁エリア(輪のようにつながったサンゴ礁)で構成されており、世界屈指のリゾート地として知られています。
モルディブの旅のしおり
・首都マレで現地の人々の暮らしに触れてみよう
・数々のリゾートアイランドからお気に入りの島を見つけよう
・「ボンビ」(※)の外皮から作られる伝統工芸「コアーロープ」の驚きの技術を学ぼう ※ディベヒ語でココナッツのこと
今回はそんなモルディブの文化と魅力に触れながら、音楽とともに旅しましょう。
経済と生活の中心地 首都マレ
マレ島は歩いて1時間半もあれば歩いて周れる小さな島です。それにもかかわらず、国の人口の約半分にあたる248,671人が住んでおり、世界有数の人口密度が高い首都としても知られています。政治や経済の中心地であり、メインエリアは都会的なビル群が建ち並ぶ近代都市となっていますが、島の3分の2以上は多くの人々が暮らす居住地です。
市街地では人々の生活に密着した屋外マーケットや飲食店なども多く、地元の人々と触れ合い、異文化を体験できるのがマレの魅力といえるでしょう。
マレのシンボルと言えば、カラフルな色彩の大統領公邸と、「イスラミックセンター」や「フクルミスキー」などのモスクです。イスラミックセンターは国内最大、フクルミスキーは国内最古のモスクの1つであり、敬虔なイスラム教徒が多いモルディブの人々にとって重要なスポットになっています。
写真で巡るリゾートアイランド
モルディブには169のリゾートアイランドがあります。島が丸ごと1つのリゾートになっている“ワンアイランド・ワンリゾート”も多く、心身ともにリラックスできる水上の楽園として、世界中の観光客から人気を集めています。
数えきれないリゾート島のなかから、今回は写真で美しい風景を見て回りましょう。
特色豊かな伝統工芸
モルディブでは、島ごとにさまざまな工芸技術が伝承されてきました。ここでは、代表的な工芸品を2つご紹介します。
漆工芸
トゥルハドゥ島を中心に家内工業として発展した漆工芸は、美しい色合いとデザインに特徴があります。紡錘に巻き付けた紐を手で操る伝統技法を用い、漆を何層にも重ねたうえから工具で切り込みを入れ、下地を浮き上がらせてデザインを加工します。
マレの国立博物館で優れた作品を見られるほか、一般的なものは観光客向けのお店でも取り扱われています。
コアーロープ
ココナツヤシを使ったロープのことであり、モルディブの伝統的な手工芸品です。ハンモックなどの日用品から「ドーニ」と呼ばれる船まで、さまざまなものを生み出す驚きの技術は、今でも世代から世代へと大切に受け継がれています。
ドーニは設計図なしに作られ、職人は目と経験だけで形を整えていきます。優雅にカーブした船首を持つ船体が特徴であり、生計を支えるツールであるだけでなく、職人の技能を示す芸術品としての価値もあります。
モルディブの音楽と伝統舞踊
モルディブの文化は南アジアやアラブ地域、東アフリカなどの影響を受けており、音楽や舞踊にもその特徴が反映されています。ここでは、3つのトピックから、モルディブの音楽・舞踊文化を見ていきましょう。
伝統音楽ボドゥベル
主に祝祭で行われる部族の踊りであり、国内でもっとも人気のある民族音楽・舞踊の1つです。ココナツの木をくり抜いて作った太鼓のほか、さまざまな打楽器が用いられ、リードシンガーと10〜15人のバンドがコーラスで歌います。
歌が続くと一座から人が出てきて音楽に合わせて踊り、最後には観客も一体となって踊りに加わります。
人気の舞踊バンディヤー・ジェフン
金属製のポットを持った女性たちが音楽に合わせて歌い踊る人気のダンスです。現在ではドラムやハーモニカなどの楽器を用いたり、流行のファッションを取り入れたりするなど、トレンドに合わせて柔軟に進化しているのが特徴です。
DJ文化
モルディブの多くのリゾートでは、人気DJが場の雰囲気や観光客の反応に合わせた音楽で空間を演出してくれます。世界中からDJを呼ぶリゾートもありますが、マレ出身の女性DJ「アミナス・ファズリーナ・アッバス」も国内出身の音楽家として活躍しています。
サステナブルな産業づくりへの取り組み
島の80%が海抜1m以下に位置するモルディブでは、海面上昇が喫緊の環境課題となっており、気候変動に対応するためにさまざまな措置が講じられています。たとえば、政府主導でプラスチックの単体使用を段階的に廃止する動きがとられており、多くのリゾートでは低炭素指針に準じたサステナブルな観光産業づくりを進めています。
また、マレの近くでは水上都市の建設が計画されており、海面上昇対策の1つとして注目を集めています。サンゴ礁を傷つけず、環境に配慮した設計が行われており、2027年までに2万人が居住できるユニットが完成する予定です。
最後に、駐日モルディブ共和国大使館が推薦する3組のバンドの演奏をお楽しみください。
<Detune Band>
1.Nashaalaa
2.Hiyama
<Habeys Boduberu>
3.Kasabu Libaas
4.Mamma
<Traphic Jam>
5.Fasdheefa dhaathy
6.Huvafen (A Dream)
皆さん、モルディブへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日モルディブ共和国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-
ご案内
この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/14846/min-on-music-journey-no-69-maldives/
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