ノルウェーをもっと知る | ミュージック・ジャーニーvol.59
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、北欧のスカンディナビア半島西側に位置するノルウェー王国へ、ノルウェー大使館の皆様とともにご案内いたします。
北極圏にあるノルウェーでは、ほかのエリアでは見られないような美しい夜空を楽しめます。特に、ノルウェー北部の都市トロムソは、冬の極夜と夏の白夜を体験できる人気の観光地です。
「北欧モデル」と呼ばれるノルウェー社会
北欧の国といえば、充実した福祉と公共サービスというイメージがありますが、ノルウェーはまさにモデルケースと言えます。まずは、「北欧モデル」とも呼ばれるノルウェー社会の特徴を2つの側面からご紹介します。
男女同権が根付く平等観
ノルウェーでは、女性の約70%が何らかの仕事に就いています。また、国営企業や上場企業の取締役会の男女比が、どちらも40%以下にならないように法律で義務付けられているのも特徴です。
男女平等が根付くノルウェーでは、事実婚で一緒に住むカップルも多く、結婚式も比較的にシンプルです。披露宴も家族や親戚が中心となって執り行い、アットホームな雰囲気で行われるのが一般的です。
ここで、ノルウェーの結婚式にまつわる曲をお聴きいただきます。民音が2014年に招聘した「ノルウェー少女合唱団」による美しいハーモニーをお楽しみください。
「結婚行進曲」
民族衣装「ブーナッド」
冠婚祭や洗礼式などの特別な日には、ブーナッドと呼ばれる伝統衣装が着用されます。
女性は「白いブラウスにロングのジャンパースカート」が基本の組み合わせで、ジャンパースカートの色や形、刺繍の模様はなんと450種類以上。
ロング丈のシルエットや細かな刺繍は、ディズニー映画『アナと雪の女王』の劇中衣装のモデルになったとされています。
電気自動車(EV)がスタンダードな環境先進国
北極付近に位置するノルウェーは、環境問題を身近に感じやすい国でもあります。パリ協定をいち早く承認するなど、温室効果ガスの削減には特に力を入れており、電気自動車(EV)普及の先進国としても知られています。
ノルウェーの自動車事情と取り組み
・新車の半分以上が電気自動車(EV)
・世界一高価なガソリン税
・EVを対象にした税金の大幅な減免制度
・2025年までにガソリン・ディーゼル車の新車販売を停止する見通し
ノルウェーはぜいたく品の課税率が世界でもっとも高いとされ、自動車も例外ではありません。しかし、EVに関しては自動車関連の税金を大幅にカットする仕組みが設けられているため、着実に普及が進んでいます。
美しいフィヨルドと世界遺産
ノルウェーには8つの世界遺産があります。今回は、そのなかから代表的な名所をピックアップしてご案内いたします。
西ノルウェーフィヨルド群
フィヨルドとは、氷河に削られて生じた複雑な入江や地形のことであり、北欧の自然を代表する特徴です。「西ノルウェーフィヨルド群-ガイランゲルフィヨルドとネーロイフィヨルド」は世界最大級の長さ・深さを持つフィヨルドとして、世界遺産に登録されています。
ノルウェーの西側はほかにも絶景のフィヨルドが数多く存在します。穏やかな山陵が連なる「ハルダンゲルフィヨルド」もその一つです。
民族楽器「ハーディングフェーレ」
ハーディングフェーレはハルダンゲルのフィドルを意味し、ノルウェーで伝統的に使用されてきた弦楽器です。何といっても特徴的なのはそのデザイン。
ドラゴンの頭のような形のネックに、色鮮やかな貝殻が埋め込まれた指板、ロージングと呼ばれる芸術的な装飾が施された胴体がまばゆい存在感を生み出しています。
ダンスの伴奏に用いられることが多く、音色は明るく軽やかです。
港湾都市ベルゲン
ノルウェーには、『アナと雪の女王』のモデルとされる名所が多数存在します。南西部の都市「ベルゲン」のブリッゲン地区もその一つで、三角屋根のカラフルな木造建築が建ち並ぶ景観が見どころです。
スターブヒルケの女王
「スターブヒルケの女王」とは、ノルウェーで最初に世界遺産へ登録された「ウルネスの木造教会」の別名です。ノルウェー最古の木造教会であり、釘を一本も使わずにすべて木材を組んで造られているのが特徴です。崖のうえに凛と立つ姿の美しさから、「女王」の名で呼ばれています。
文化の中心地 首都オスロ
首都オスロは王宮、行政、司法、立法などの主要機関が集まる政治の中心地です。環境先進国の首都ということもあり、バイオガスや電気を利用した公共バスや綺麗な水など、環境に配慮した都市開発が高く評価され、2019年には「欧州グリーン首都賞」を受賞しました。
オスロは文化・芸術の中心地としても名高い都市です。2022年6月に開館したばかりの国立美術館では、ノルウェーの画家ムンクの『叫び』をはじめ、6,500点もの作品が常設展示されています。
ほかにも、斬新なデザインの国立オペラ&バレエ劇場(通称「オペラハウス」)、ノーベル平和賞の授与が行われる市庁舎、その向かいにある「ノーベル平和センター」など、数多くの文化施設が集まっています。
旅のおみやげ ロロス・ツイードのブランケット
ノルウェー中部の「ロロス」は、1980年に世界文化遺産として登録された美しい村です。国内でもっとも極寒の地と言われるロロスでは、氷点下40℃にもなる山々で育った羊の毛を生かした毛織物が、古くから村人の生計を支えていました。
1938年にこの地で誕生したロロス・ツイード社も、はじめは個人宅での手織りからスタートした小さな紡績会社でした。そこから、次第に高品質のニューウールが人気を集め、世界に広く知られるブランドへと成長していきます。
ロロス・ツイードのブランケットは、防寒性・保湿性に優れ、柔らかな手触りと弾力がほかにはない魅力です。デザインもさまざまなバリエーションがあり、可愛らしい白くま柄がトレードマークの「アイスベアシリーズ」をはじめ、やさしく癒される絵柄とカラーリングが特徴となっています。
丈夫で毛玉ができにくく、汚れにも強いので、使えば使うほど愛着が湧く一品としておみやげにも人気です。
ここで、ノルウェー少女合唱団の歌声を2曲お届けします。
同合唱団は1947年に創立されたノルウェー国営放送少女合唱団を前身とするノルウェーを代表する少女合唱団であり、ノルウェーの文化シーンで大きな役割を果たし、数多くの音楽家を輩出してきました。
彼女らの澄み切った歌声と美しい旋律をお楽しみください。
1.「私はもう思っていない」
2.「スプリンガルの踊り」
ノルウェー大使館推薦の音楽家
最後に、ノルウェー大使館が推薦する3組の音楽家をご紹介します。
1.Runaway
<オーロラ>
自然豊かなノルウェー南西部のベルゲン生まれ。シンガー・ソングライター兼、音楽プロデューサー。2019年に公開されたディズニー映画『アナと雪の女王2』の劇中歌「イントゥ・ジ・アンノウン」でバックコーラスを務め、2020年2月に行われた第92回アカデミー賞にて同曲を披露。高度なテクニックと豊かな表現力で、世界中のファンを魅了している。
2.Dich, teure Halle-Wagner
<リゼ・ダヴィドセン>
ソプラノオペラ歌手。2015年に若手歌手のためのコンクール「オペラリア」や「ソニヤ王妃国際音楽コンクール」をはじめとするコンサートで優勝を果たし一躍注目を集める。その後、メトロポリタン・オペラやミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場などで演奏を披露。「100万人に1人の逸材」「ここ数十年間でもっとも偉大な才能をもった歌手の一人」と高く評価されている。
3.For My Grandmothers
<マティアス・アイク>
ジャズミュージシャン。ノルウェーのジャズシーンにおいて、もっとも知名度が高いソリストの一人。切ないトランペットのサウンドと力強い旋律の楽曲は、世界中で好評を博している。
皆さん、ノルウェーへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:ノルウェー大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-
ご案内
この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/13110/min-on-music-journey-no-57-norway/
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