インバウンドは本来何のために?
コロナ禍なんてなかったかのように、インバウンドが殺到しています。円安とか「日本の魅力」以外の要因もあるようですが、ワイドショーを見ていると「オーバーツーリズム」と悪く言われていることも目にします。
インバウンドという言葉が一般化した今、改めて「なんでインバウンド誘客しているんだっけ」ということを、よく言われていることも私見も含めて整理したいと思います。
少子高齢化による需要縮小への対応
そもそも、日本の経済成長には様々な要因がありますが、人口が増加し社会が成長していたという、市場としての成長があったと言われています。
既に日本は人口減少の局面に入っている中で、特に少子高齢化が進めば消費する人口が目に見えて減っていきます。そうすれば、高齢者向けのサービスは充実していくでしょうが、働く人たち・若い人たちの需要はどんどん縮小していきます。
その中で、日本には四季があるとか、安全だとか、食事が美味しいとか、色々な理由でインバウンドが増加しています。既に2019年を上回る数字になっていますが、この人たちが減少する働く人たち・若い人たちの消費力を埋めることになるはずです。
地方創生
就職活動をしてみて、また転職市場をみてみると、仕事のほとんどは東京と大阪にあります。そもそも人口が首都圏に集中しているのであれば、そこに向けた仕事が多くなるのは言わずもがなです。
そうすると地方の活力は減少し、若い人がさらに首都圏に移動してしまう…そうならないためには「住みたい町」という抽象的な目標ではなく、「仕事があって生活できる町」にしていく必要があります。
とはいえ、いきなり仕事が発生するわけではなく…。地域に当たり前にあるものに光を当てて、観光の目的になるように磨き上げることは、比較的少ないコストで取り組めるものです。特に、地方の姿を大きく変えずに産業を大きくする、という考え方は必ずしも否定されるものではないと考えています。(生産性が低い等の課題はありますが)
平和産業
現状、ウクライナーロシアの戦争や紛争によって、飛行機のルート変更が余儀なくされています。そのようなことからも感じますが、観光は平和な国でなければ成し得ない産業です。多くの人が海外から日本に来て、日本の文化に触れる。日本人が海外の文化に触れて、相互に理解を深める。それこそが観光が果たすべき大きな役割ではないでしょうか。
他にも色々な議論があると思いますが、インバウンド誘客の目的は上記3つが大きいと考えています。日本という国家が今度どのように経済的にも、政治的にも発展し世界で存在感を示していくのか。それを考えた時に、観光というのは非常に重要な産業だと考えています。
外国人が生活圏に多いのは不安、オーバーツーリズムはどうするの?といった不安があることも重々理解しています(それらについてもタイミングがあれば私見を述べたいと思います)。
ただ、いま働いている世代の老後にも、日本が経済規模を維持して大き変わらない環境を維持するには、インバウンドは非常に重要になると思っています。
(「観光客向けの産業など、そう都合よくあるものではない!」「交通網が少ないところでどうやって観光が育つんだ!」という指摘はごもっともです。考え方の一つと見て頂ければ幸いです。)
…と、これから自分の思考整理と、人に伝わりやすい文章を書く練習として、週に一回くらいは更新していければと思っていますー。