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22歳、新卒入社した出版社を辞めて、編集者さんのもとで修行します

コロナ禍の中、先日ひっそりと転職をしました。

新卒で入社した出版社を辞め、編集者の竹村俊助さんが代表を務める株式会社WORDSで、1月から働いています。

「何者でもない」私がなぜ転職できたのか

私は、もしなにか事件を起こしても「都内在住の22歳女性」としか報道されないような、何者でもない人間です。数々のベストセラーを担当された編集者さんのもとで働けているのは、周りの方とタイミングに恵まれたからだと思っています。

竹村さんとの出会いは、就活も終わった大学4年の夏。OB訪問でお世話になった先輩からの紹介でした。

「独立して事務所を構えた編集者さんが、家具を組み立ててくれる暇な大学生を探してるんだけど…...」

そういわれて、よろこんでお手伝いさせて頂いたのがきっかけです。その後、だんだんと原稿整理などのお仕事を任せていただけるようになっていきました。

ただ、既にべつの出版社に内定をいただいていたので、 ひとまずそこに入社することにしました。

入社2か月で同期がいなくなった

私は編集希望だったのですが、入社して最初の配属は営業でした。

しかも、いわゆる「書籍マーケティング」の部門。 企業の社長にアポをとり、「本を出版しませんか!?○○万円かかるんですけど......」という、ゴリゴリの法人営業です。

「電話は0.1秒で取れ!」「アポが取れるまでひたすら架電しろ!」 そんな雰囲気の職場でした。

新卒で同じ部署に入った同期2人は、入社2か月で辞めてしまいました。激しめの職場に一人とりのこされ、正直「こんなことするために出版社に入ったんじゃないよ〜(TT)」と思っていました。(上司との面談でも毎回号泣していました。泣) 

でも よく考えたら、社会人1年目からいろんな社長とお話ができるなんて、ほかではなかなかない環境です。

マジでいますぐ辞めたいけど、せっかくだし、ここで学べるものは全部学んでからにしよう」 そう思って、号泣しながらもとにかくがんばりました。

するとなんとか受注をとることができて、周りの人にも認めてもらえるようになりました。 上司に恵まれたこともあり、いままで入った新卒の中では、一番受注が多かったそうです。

「もうこの会社以外、どこにも行けない人」になる恐怖

そうやって営業で結果を出せたことで希望が通って、編集の部署に異動させていただけることになりました。

前職でやっていたのは「書籍マーケティング」。通常の出版形態とは違い、企業がマーケティングのために行う出版でした。だから編集者には「企業の伝えたいことと、読者の読みたいことをつなぐ」「100万部売るよりも、届けたい人に深く刺さる本にする」ことが求められますし、営業でもそこを強みとして売り出していました。

でも異動してわかったのが、それが実際のところ制作の過程ではあまり意識されていないということ。そして自分はそれをどうにかするには、あまりにも力がなさすぎるということでした。

編集部はつねに人手不足です。人の入れ替わりも激しいため、教育制度もほとんどありません。また年功序列の色が強く、上の気まぐれで新たなルールが次々と加わるため、社内独自のルールが複雑化していました。本当は編集志望なのに「この会社にしかない仕事」ばかりやっている人も多くいました。

ここで辛抱強くがんばっていては、社外で通用するスキルがないまま、年齢を重ねて、転職も難しくなって......。

「もうこの会社以外、どこにも行けない人」になってしまうのではないかと、怖くなったのです。

ずっとインターンを続けていたから、竹村さんに相談できた

そこからスムーズに転職できた理由は、この2点だと思います。

①会社一本に依存せず、行き詰まったとき頼れる場所があったこと
②新卒で給料がそこまで高くなく、ある意味「コスパの良い労働力」だったこと

実は就職してからも、ときどき竹村さんにお仕事を頂いて、編集やライティングを勉強していました。

土日のどちらかで事務所に伺って、平日に会社から帰ってきたら、家で原稿をやる。大変でしたが、楽しかったので続けられました。

そうしてつながりが続いていたから、 編集部で壁にぶつかったときも、竹村さんに相談させて頂けました。インターンを続けていなかったら、会社を辞めたくてもおそらく勇気が出なかったと思います。

相談してすぐに「じゃあうちに来なよ」と言って頂き、トントン拍子で話がすすみました。

「本当にいいのかな!?」と心配になったのですが、竹村さんいわく「この値段で週5で動いてもらえるって、すごいお得」「社員を一人雇うことで売上が倍になるとしたら、雇わないほうが機会損失になる」とのことでした。

……身もふたもない!(笑)でも、結果的に「早すぎるくらい早く決断したこと」が功を奏したのだと思います。

「なにもわからない小娘」だからできること

正直、内心ビクビクしながら会社を辞めましたし、自分より優秀な人なんていっぱいいます。 社会人1年目のぺーぺーがこんな場所にいていいのだろうか、と恐れ多い気持ちでいっぱいです。

でも「なにもわからない小娘」だからこそ気づける、竹村さんや日々接する先輩方の「すごい編集ノウハウ」や、「すごい仕事術」「すごい取材術」があるのではないか……?

そして「なにもわからない小娘」だからこそ、いちから、誰にでもわかりやすく、それらを書き記すことができるのではないか……?

そう信じて、このnoteをはじめます。

日々働く中で学んだことを「WORDS日報」として共有させて頂きます。「これを読めば、実際に働かなくともWORDSのノウハウが手に入る」 。そんなお得な場所になるようにがんばります。

出版業界への就職を目指している方や、 編集・ライティングのお仕事をされている方、 発信やコンテンツづくりをされている方、 全然ちがう業界の方にも、 お役立ていただければ幸いです。(とはいえ本当にペーペーですので、あわよくば、皆様からのアドバイスを頂きたいな……などと思っております)

不束者ですが、何卒よろしくお願いいたします!

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とよふく/編集者
数ある記事のなかから見つけていただけてうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございます!