HIP78322 Brase Star T CrB かんむり座 2024-07-21-21-57
東京某所、ベランダより電子観望 (SQM: 18.14 mag./arc sec2)
MACSY60, Neptune-C-II, AZ-GTi, SKYMEMO S/SW, SharpCap 4.1, SynScanPro 1.19.20, Siril 1.2.1
2024-06-14 ~ 2024-07-21, Gain: 95, Exposure: 180.0s, stacks: 18360sec
10.05等級 RA/DEC(J2000.0): 15h59m30.09s/+25°55'27.7'' (steralium)
今年の7月・8月は、異常気象と思われる状況も相まって、予想以上に夜の晴天が少なく、スタック枚数の進捗が悪いので、本記事では、別の観点での撮影ネタです。
該当の恒星は、今話題のかんむり座T(タウ)星。
約80年周期で爆発を繰り返す「再帰新星」と呼ばれ、最新の観測状況によると、9月頃に次の爆発が想定されるとのこと。現在は10等星前後ですが、爆発時には数日間程度、2~3等星まで明るく輝き肉眼でも見えるほどになるとか。
上記画像は、とりあえず5日間程度を重ねて周辺の星模様を作成したものですが、変光を観測するためには短い時間の撮影で見かけの等級を測光する必要があります。
周辺にある「変光星でない」ことが判明している恒星の絶対等級と、画像のみかけの等級とを比較して、現在のT星の等級を導きます。いくつかのツールを用いて計算しますが、観測できた日にちの等級は、以下のような数値になりました。
2024年07月07日:09.999 ± 0.049
2024年07月21日:09.894 ± 0.074
2024年08月03日:10.107 ± 0.302
2024年08月11日:09.905 ± 0.570
2024年08月18日:09.904 ± 0.587 (後日追加)
2024年09月05日:09.820 ± 0.593 (後日追加)
2024年09月11日:10.064 ± 0.291 (後日追加)
手元の撮影機材と手順的に厳密な測定には限界がありますので、特に監視団体などへの報告はしていませんが、比較すると8月後半から徐々に等級が小さくなる傾向が見られ、爆発の可能性が高まっているとのこと。
ぜひ、爆発の瞬間に立ち会って撮影してみたいものですが、昨今の曇天模様に辟易しつつ、チャンスを狙っていきたいと思います。もし、爆発直後の状況が撮影できたら、こちらにも掲載したいと思います。