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日本囲碁界は「2強時代」に

三村九段のミム囲碁ラジオ 第78回

【要約】

  • 一力遼が名人戦で芝野虎丸を破り、四冠(棋聖・名人・天元・本因坊)を達成

  • 井山裕太は三冠(王座・碁聖・十段)を保持

  • 2024年から本因坊戦が格下げとなり、従来の「大三冠」の概念が変化

  • 芝野虎丸が初めて無冠となるも、天元戦・王座戦で奪取の可能性

  • 日本囲碁界が井山・一力の二強時代へ突入

【本文】

この放送は、プロ棋士40年、囲碁サロンと
子供囲碁道場を運営する三村智保が
囲碁の情報をサクッとお伝えする番組です。

名人戦七番勝負が終わり、一力遼が
第6局に勝って4勝2敗で初めての
名人位を獲得しました。

日本の囲碁界には名人戦と棋聖戦という
2つの七番勝負があります。各局2日制で
持ち時間8時間、7局中4勝で
タイトルを獲得できます。

一力遼さんの躍進

今回の名人戦では、一力遼さんが
わずかながら優位に試合を
進めることが多く見られました。
特にAIの評価値から見ても、
序盤での展開力で上回って
いた印象です。

27歳の一力さんは応氏杯での
世界チャンピオンでもあり、
現在は棋聖、名人、天元、本因坊の
四冠を保持しています。

タイトル界の変化

日本の囲碁界には七大タイトルが
あり、残りの3つ(王座、碁聖、十段)
を井山裕太さんが保持しています。

従来は棋聖・名人・本因坊を同時に
保持することを「大三冠」と呼び、
最高の栄誉とされていました。
しかし2024年から本因坊戦が
格下げとなり、この概念も
変化しています。

一力遼さんの特徴

  • 抜群の処理能力

  • 優れた序盤研究

  • 驚異的な記憶力

  • 正確な終盤処理

以前は最強手を追求する
姿勢が強く感じられましたが
現在はより柔軟な戦略を取るように
なったのかもしれません。

日本囲碁界の新時代

かつて井山裕太さんが七冠を2度達成し、
国民栄誉賞を受賞するなど、
圧倒的な強さを誇っていました。

その後、芝野虎丸さんや一力遼さんが
台頭し、現在は7大タイトルをわけあって
群雄割拠の時代に。

今回の名人戦の結果、一力さんが四冠
井山さんが三冠の「二強状態」に

  • 一力遼:長時間の対局で強さを発揮

  • 井山裕太:早碁でも安定した実力を維持

2024年はさらに天元戦や王座戦が
継続中で、芝野虎丸も
タイトル奪回を狙っています。


この記事は「三村九段のミム囲碁ラジオ」第78回の書き起こしです。
音声での視聴はこちら↓↓


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