一力遼四冠インタビュー②
三村九段のミム囲碁ラジオ 第80回
【要約】
一力遼四冠の応氏杯優勝に関するインタビュー記事の読み上げ企画第2回
心技体のバランスを整えた取り組みについて
心:メンタルトレーニングを月4回実施
技:AI研究と詰碁練習
体:水泳を継続的に実施
世界戦での日本囲碁界の現状と課題
囲碁の普及活動への意欲と展望
七冠獲得と国際戦での再度の優勝を目指す
【本文】
今回は、一力遼四冠のインタビュー記事を
読み上げる企画の第2回目です。
応氏杯優勝と心技体の取り組み
一力遼四冠は9月の応氏杯で、日本勢として
実に19年ぶりの優勝を成し遂げました。
心技体を整えることを意識してきた一力四冠。
特にメンタル面では、2年前から月4回の
マンツーマントレーニングを開始。対局を
振り返りながら、精神状態と勝敗の関係を
分析しています。
この取り組みのきっかけは3年前の名人戦
七番勝負でした。2勝2敗から第5局を
勝利したものの、第6、7局は連敗。
その後の天元戦でも4局とも内容が悪く、
メンタル面の課題を痛感したとのことです。
体力面では、以前は皇居ランを週3回
行っていましたが、現在は水泳を
継続しています。
技術面では、AIを活用した布石研究や
棋士仲間のAI研究会に参加。AIの推奨手を
独自にアレンジしつつ、難しめの詰碁を
毎日50問ほど、30分から1時間かけて
解いています。
応氏杯優勝の要因
強化研九段が通訳兼研究パートナーとして
同行したことも大きな要因だったと
一力四冠は語ります。同年代ということも
あり、精神的にリラックスして臨めたとの
ことです。
世界での日本囲碁界の現状
世界レベルで戦える棋士の層の厚さでは、
まだ課題が残ります。日本では数人程度
ですが、韓国では5-10人、中国では30-40人
もいるとのことです。
囲碁界の発展に向けて
40代以下の棋士たちは危機感を抱いており、
囲碁界全体での発信力向上が必要だと
考えています。一力四冠は、スポーツ的な
アプローチとして世界ランキングの
オフィシャル化なども提案しています。
囲碁の魅力と普及
囲碁は年齢、性別、国籍を超えて交流
できる魅力があります。世界アマチュア
選手権には60カ国から参加があり、
その多様性は大きな特徴です。
一力四冠自身、20年以上囲碁を続けて
きましたが、毎回新しい発見があることが
継続の原動力となっています。
今後の目標
国内タイトルをさらに増やし、七冠達成を
目指すとともに、国際戦での再度の
優勝も視野に入れています。
応氏杯優勝賞金の一部を活用し、
普及イベントの開催なども検討している
とのことです。
この記事は「三村九段のミム囲碁ラジオ」第80回の
書き起こしです。音声での視聴はこちら↓↓