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◆クヨクヨしたときは「正反対の生活」をしてみる

1996年の春ごろだったと思うのですが、アメリカの心理学研究チームが、

「理想的な二重人格の青年を発見した」

というニュースを、喜びをもって発表しました。

二重人格というのは、全く異なる二つの人格を持つことです。

ちょっと違うとか、差があるというレベルではなく、同じ人には思えない全く異なる人格を二つ持つのが「二重人格」。

日常生活に支障をきたす場合が多いので治療の対象になることがあり、そういう中でアメリカの心理学研究チームがこの “ 理想的 “ な青年に出会ったらしいのです。

「理想的な二重人格」というのは、

「A人格からB人格に移行するとき、あるいは逆のB人格のA人格に移行するときが、ほぼ完全に予測がつく」

ということだそうです。

A人格からB人格に切り替わるときが、ほとんど予測がつき しかもその通りになるのなら、いろいろな現象が把握できる。

それで、「理想的」と呼んだようです。

アメリカの心理学研究チームは、その研究の過程で以下のような現象を発見しました。

A人格の青年は「オレンジアレルギー」をもっていたのだそうです。

A人格のときは、オレンジを食べてもオレンジジュースを飲んでも、必ずアレルギーが出ました。

ところが、B人格のときは、オレンジアレルギーは出ない。

そこで、アメリカの心理学研究チームは、人格の移行時にオレンジを食べさせたら、オレンジジュースを飲ませたら、どうなるか、と考えました。

A人格からB人格に移行する三十分ほど前にオレンジを摂取すると、A人格である青年は、当然のことながらアレルギー症状を呈します。

それが、B人格に移行した瞬間に、アレルギー症状がさっと消えるのだそうです。

逆に、B人格のときの青年は、オレンジを食べてもアレルギー症状を呈さないのですが、B人格からA人格に移行する30分ほど前にオレンジを食べさせたりオレンジジュースを飲ませたりすると、A人格になった瞬間に(まだオレンジが胃の中にあるため)アレルギー症状が出る、ということがわかりました。

アメリカの心理学研究チームはその結果に愕然とした、といいます。

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