私の指導部長②
私の指導部長についてのお話の続きです。
私の指導部長は、寡黙で感情表現を内に秘める方でした。
警察社会って、特に一番下っ端の交番勤務だと感じることが多くなると思うのですが、理不尽なこともたくさんあり、かといって市民の申し出を無下にはできないので、その都度自分の個人的な感情を押し殺しながらも対応してかなければならないことも多々あります。
具体的には、大人しい指導部長をこき使って、なんでもかんでもこの事案は交番が行って、ということがその当時続いていました。
その問題を指導部長が同僚にうまく話すことでチームワークを改善されたらいいのですが、そういった試みも全くせずにただイライラしたまま我慢して従っていたのです。
だけどそれは、指導部長のような無口で真面目なタイプが故に引き起こされていた状況だったかもしれないとも今では思います。
何も文句がないなら好き放題やれる、という楽したい側の言い分がまかり通っていたというか。
指導部長とコミュニケーションを比較的取れるまでになっていた私にまでそのイライラが伝染し、一緒にイライラしてしまいました。
娘だと思っている私に気持ちを共感してもらい、指導部長はストレス解消になっていたのかもしれません。
ですが、若かった私はそれでは納得できなくて、他の勤務者に反抗的な態度を取ってしまっていました。
その頃の自分の本署での評価もズタボロだったと思います。
そんな現状となっても私を庇うことなく、指導部長は愚痴るだけで、何もアクションを起こしませんでした。
おそらくそうやって55歳までやってきたのでしょう…、定年間際に荒波立てる気もなかったのです。
書類の書き方も、周りと情報共有が出来ていなかったがためにピントがズレていたらしく、そのとばっちりを食らっていました。
私が書類を指導部長に見せて意見を伺い提出しても、何度も刑事課から帰ってくる始末。
最後にはもう、指導部長を通さずに直接刑事課に持っていっていました。
でも永遠に書類が通らないので、そうするより仕方なかったのです。
これからのみなさんが一緒に勤務していく人としてきちんと見てほしいのは、周りとコミュニケーション取れている人かどうかというところ。
私も、指導部長一本でいくのではなく、周りからどう思われている人なのか、まずはそこを見極める必要があったと思います。
期が近くて話しやすい先輩にそれとなく聞いてみて、仕事面で大丈夫な人なのか、一度確認とることをお勧めします。
もしその人がちょっと癖のある人だったならば、その人の味方にならず、周りの方につきましょう。
それがあなたの身を守ることにつながります。
誰の言うことを聞くべきなのか。
理不尽なことはいっぱいありますが、イライラに惑わされず、円滑な仕事が出来るように人を見ていくことは、その後の人生でも役に立つはずです。