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精神的に強い子に育てる③

ここで二つの事案を回想させてください。

一つ目は、夜間親が旅行で不在時に、窓から侵入した男に刃物を突き付けられ、裸にさせられ、暴行を受けたというもの。
父親は警察官で勤務中で、現場に自分の無線機から状況説明をしていました。

二つ目は、「パパがデリバリーの仕事で夜はいなくて、ママはどこかへ行ってしまった」という幼い子の話。
相談者は小学校の先生でした。
学校へ行くとママが迎えに来るから、日中は家に居なければならないとパパから言われていたそう。

こんなことが日本の普通の田舎でも普通に起きています。
事件になったり、周囲の人が相談に来ることで発覚していますが、警察が知らないだけで、似たようなことはもっとたくさん起きているかもしれません。

この二つの事案に共通しているのは、夜間の保護者の不在。
何か事情があるにしろ、夜は誰かしらが子供と同じ屋根の下に居てくれることはできないのか…と悲しくなったものです。

一つ目の事案は、大人が居ないときを見計らっていたのかもしれません。
基本的に、少女を狙っている大人が取り込むには、保護者が不在の子をターゲットにします。
それは、家出だったり夜間仕事をしている保護者の家の子だったり。

二つ目の事案は、まだ幼い子供が、家に取り残されているという状況が日常的だったよう。
私たちが知らないだけで、こんな家が周囲にもたくさんあるのかもしれませんね。

寂しいとき、何かに失敗して悲しくて仕方がないとき、それは感情の波となって夜に襲ってくるでしょう。
子供の体調不良も、夜に悪化することが多いのです。

大人でさえ、ふと人恋しくなるのは夜が多いし、本当の自分を出せるのはふっと力が抜けた夜ではないですか?

夜こそ誰かが傍に居てあげて、人とつながることって悪くないな、という感覚を確固なものとしてほしい。
それが精神的に強い子に育つための最初の土台ではないかと思っています。

こんな当たり前なことが、難しい世の中なのかもしれません。
警察官に限らず、24時間稼働するコンビニ経営者や物を運ぶトラック運転手だけでなく、
夜遅くまで残業しなければならない仕事もたくさんあることでしょう。
この平和な日本でも、子供を置き去りにせざるを得ない家庭もあるのかもしれません。
だけど、せめて夜間は近くに居てあげて欲しい、と切に願います。
寂しい子供が減りますように…。

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