駐在さん
私の警察人生で、警察官としても人としても尊敬できた人は2人居ました。
そのうちの一人が駐在所勤務の警部補の方でした。
腰軽く事件があればすっ飛んで行って、ものすごい集中力で書類を手書きで仕上げ、かといって住民との対話も大事にする。
雑談が上手で、異動になりそうな時に、住民が署名を集めて「どうかこの人をこの地区に留めて欲しい」と署長に懇願されていたこともありました。
柔らかない雰囲気をお持ちなのに、勉強熱心で真面目。
飲み会の席でもデスクと楽しく盛り上がった話をしていたと思いきや、翌日「昨日は失礼なことを申し訳ありませんでした」などと同じ警部補のデスクの係長に頭を下げていました。
駐在さんなのであまり署では会いませんでしたが、なんでそんなことが出来るんだろう?と私も人間関係の機微を観察していたものです。
かつては奥さんが産後鬱で何も出来なくなったらしく、家事に仕事にてんやわんやだったと言っていました。
家族を優先したかったから駐在に居続けられるように頑張ったとも。
苦労していたからこそ、仕事が効率良く出来て人間関係を大事にしているのだなとわかり、私もこの方をお手本にして子育て時代を乗り切りましたよ。
組織内では、敵を作らないことが大事で、そのための人間力を磨いていこうと誓いました。