数十年来の謎
皆さんにもご経験があるかもしれませんが…
日本のドドド田舎で育った私は典型的な自然児であった。春夏秋の虫の季節には、虫との戯れが私の楽しみの一つであり、虫を捕まえることが子供社会の中でのステイタスを決めていた。
そんな中、最も熱中した遊びの一つに”ハリガネムシ集め”があった。ハリガネムシとはカマキリに寄生する寄生虫であり、その形(ひも状)、色(真黒)、動き(めちゃくちゃゆっくり)ともにカマキリとは一味違った存在感である。
そんなハリガネムシに魅せられた私は、山の上にある小学校へ通う道中ハリガネムシを探し出しては自分の指、傘などにくくりつけ、ゆっくりほどける様子を観察して遊んでいた。
ハリガネムシが見つかるポイントは用水路や水たまりで、そこの近くには弱った、もしくはお陀仏になったカマキリが水に浮いていた。その様子を見るにつれ私の中にはいくつかの疑問がうっすらと浮かんでいた。
なぜカマキリは水辺に棲んでいないのに、ハリガネムシは水辺で見つかるのか?ハリガネムシはどのようにしてカマキリの個体に忍び込むのか?
そこまで探求心のない私は、”ま、いっか”と深く追求せずハリガネムシとのひと時を楽しみ、ナゾは数十年忘れ去られていた
ところが…
ところがである。先日ナショナルジオグラフィックの記事の中にハリガネムシの謎を解き明かす記事を見つけたのである。
そのタイトルも:寄生虫ハリガネムシがカマキリを操作、驚きの謎の一端を解明 ”一端を解明”とは…なんとまあモデストなタイトルであろうか!
神戸大学の研究チームによると、ハリガネムシが寄生したカマキリは水平偏光(キラキラ光る水面ではなく光反射がある程度抑えられた水面?)に反応してダイビングするのだそうである。
https://www.youtube.com/watch?v=DJiXN90862M
つまり、私の幼少時代の疑問である、「なぜカマキリは水辺に棲んでいないのに、ハリガネムシは水辺で見つかるのか?」の答えは:
➡寄生虫であるハリガネムシの繁殖のためにカマキリは、ハリガネムシに操作されて水中にダイビングしている!
(しかも水辺の場所もこだわっている( ゚Д゚))
ハリガネムシすごい!その事実を発見した神戸大学の研究チームの皆さんも素晴らしい!更なる解明を期待しています!
つまり、機動戦士ガンダムにおいてハリガネムシがアムロで、モビルスーツがカマキリってことなのか。カッコイイ!
しかし…
次なる疑問が…一体どうやってハリガネムシはカマキリを操作しているのか。
世界はワンダーランドである。
我々人類もウィルスやら寄生虫やらに操作されて進化し、行動しているのかもしれないなあと想像したら、”ならば、是非もなし!” と納得できた。