出版社を立ち上げたばかりの私が占い師に勧められてnoteを始めた話。
noteを始めれば道が開ける、とその人は言った。
2023年も残す所わずかとなった年末、横浜のマンションの一室でのことだった。初めて会った占い師さん、いや恐らくスピリチュアルカウンセラーさん(?)と呼ぶのがいいのか、彼女は少し困ったように繰り返した。
「noteをやることであなたの会社は発展していく、と言っています」
年に一度くらい、気が向いた時にふらりと占いを利用する程度の私はいわゆる「スピリチュアルな人」ではない。目に見えない世界があると信じる方が人生が楽しくなると思うし、人として謙虚に生きられる気がしているけれど、とはいえ全部を鵜呑みにするタイプでもない(スピリチュアルを謳う中には怪しい人たちがいるのも確かなので、私の体験も話半分で読んでもらえたら有難いです)。
だけど、信頼する友人が「とにかくすごい人がいる」と教えてくれたのがそのカウンセラーさんだった。友人は極めて理性的な落ち着いた人で、誰かに何かを薦めること自体かなり珍しい。そもそもスピリチュアルな話をするのも聞いたことがない。なのに、そのカウンセラーさんについては「すごく面白かったから、興味があれば朋代にも会ってみてほしい!」と興奮気味に言った。
私は疑い深い反面、信頼する人の言葉には全乗りするタイプなので、「いっちょやったるか」と乗ることにした。それに、友人とその話をするためだけにでもカウンセラーさんに会いたくなっていた。
カウンセリングの予約を取るのは争奪戦でかなり苦戦した(数ヶ月かかった)けれど、そこは割愛して、ようやく迎えた当日。
指定されたマンションの一室で対面したその人は、ふんわりと優雅で浮世離れして見えた。そして、やわらかく微笑みながら、私の置かれた状況を言い当てていった。私の情報はほとんど伝えていないし、仮に事前に名前でググったところで得られないようなことばかりだった。例えば、パートナーの口癖とか、愛犬からのメッセージとか……。ちなみに愛犬は、私が洗面所でぶつぶつ独り言を言うのが気になって仕方ないので、やめてほしいらしい。思い当たることがあり過ぎた。
これは正真正銘のホンモノだ。5分も経たずに気がついた。
2023年4月に出版社を立ち上げたばかりの私は、当然仕事についてもアドバイスを求めた。すると、会社の認知度を上げていくにも、本を売っていくためにも、今後の発展のためにも、何を尋ねても「noteがキーワードだと言ってます」と首を傾げながら答えてくれた。
彼女は、何か大いなるもの(?)からのメッセージを読み取って伝えてくれるスタイルで、どうやらそれがそのように繰り返しているらしい。
「noteってあの投稿サイトのことで合ってます?一般名詞のノートではなく?」
食い気味に訊いてみると、彼女はにっこり頷いた。
実はnoteを使うことは以前も検討していたけれど、様々な理由で実行はしなかった。その理由も伝えたところ、彼女は思いもしない斬新な見解を示してくれた。ある意味、神視点というか、自分からは絶対に出てこない見方だった。要約すると、今の時点で気になることがあったとしても、あなたがnoteを始めることでそれも変えていけると思う、ということだった。
普段なら、一個人でしかない私がnoteを始めたからといって、そんな変化(恐れ多いので詳しくは書かないけれど、それ位の大きな影響)が起きるわけがないと信じなかったと思う。でも、彼女はそれまでに全てを言い当てているのだ。私の目には見えない何かが確実に見えているとしか思えなかった。
信頼できる人のアドバイスには全乗りする私なので、今回もまずは乗ってみることにした。
「気張らず完璧を目指さない」
カウンセラーさんからの、仕事全般に対してのアドバイス。
「noteは素が見える方がいいよ」
これは例の友人からの励まし。
ということで、ゆるく始めます。
一人でも読んでくれる人がいたらいいな。