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お花をいける

ばあちゃん(義祖母)の満中陰法要の供花をいけさせてもらいました。

お花をいけるのは約10年ぶり。
任せてもらったときは、いけれるだろうか?と心配になりました。

法要向けのいけ方、配色などわからないことを調べるところから始めました。

大きさやお花の量感、イメージをつかむために、いちど練習することに。

近くのお花屋さんで白とグリーンを中心にお花を選びました。

練習では、法要向けの花とは?日本のいけ方とは?
そんなことを考えながらいけていました。
(その場に相応しい正しさを探しているような…)


フラワーアレンジメントの練習

いけてみるとつかめてくるものがありました。

グリーンの少なさと
花の葉の小ささとで物足りない

お花の大小のメリハリをつけるとよさそう

私がいけると田園風になる
(昔、田園風のアレンジを好んで練習していたことによる癖)
本番はオケージョンを意識しよう

そんなことを思いました。

翌日。ふとリビングにあったフラワーアレンジの本を手にとりました。


見ているだけでそれぞれの世界感に惹き込まれる、お気に入りの一冊

そこにこんな言葉がありました。

好きなように、感じるように組んでごらん
あまり考えすぎてはいけないよ

シャンペトルのすべて パリ・トップフローリストの花 | ヴァンソン・レサール、斉藤 由美 著

それらは妙に私に響いたのです。

それから、ばあちゃんのことを改めて思い浮かべました。

 ばあちゃんをお花で表したら?
 ばあちゃんに喜んでもらいたいな。

すると使いたいお花は決まっていました。
まずは正統派なお花。

  • ユリ

  • 菊(ダリアではない。花びらが丸い大輪の白菊がいい)

  • トルコキキョウ

さらに親しみやすく可憐な印象になる何かを入れたい。

法要の前日に再びお花屋さんへ。
決めていたお花に加えて選んだのはこちら。

 テマリソウ
 レースフラワー
 アストランチア
 スイートピー(淡い黄色に縁が僅かにピンク!)

ばあちゃんち(会場)につくと
すでに花籠にオアシスをセットして準備してくれていたおかあさん。
前日までいけていた、まだ元気なユーカリとシンビジウムも使わせてもらえることに。

さあ。水あげして取り掛かかろう。

花籠の持ち手を超える高さになるように、お花の顔やシルエットを観ながらここね?といけていく。
ユリと菊を主役にトルコキキョウで下方を明るく。
グリーンをところどころにいれて、柔らかく可憐な印象に。
シンビジウムは足元にいれよう。
そして、甘く香るスイートピー。唯一の色ものは気づかないくらいさりげなく。トルコキキョウの近くに黄色の蝶がひらひらと寄ってくるみたいに。


供花(花籠の上から撮影)


いけたお花をばあちゃんの遺影の後方に置く。
うん、ばあちゃんのお花だ。
ばあちゃん、どうかな?

帰宅して、練習でいけたアレンジを見ると、頭で考えすぎだったなと思いました。

お花ひとつひとつを観て感じて生かすようにいけられたらいいだろうな。

思いがけずお花をいけることになり、大好きなばあちゃんと違うかたちで再会しておしゃべりする時間をもらったのでした。


もえこ@和歌山

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