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母58歳、動画スクールに通う。母娘の新しいコミュニケーションの形

「ありがとう」を一番伝えたい相手は母親なのに、
じれったさに負けていつも言葉にならない。

そんなとき、私たちは手紙を書いてきた。
ちょっぴり恥ずかしい気持ちも、手紙ならうまく伝えられた。

では、ビデオレターだったらどうだろう?

胸に秘めた感謝を、動画にそえてみたら。

このvlogの作者はmimosa講師Asahiさん。母娘2人旅の映像に、お母様への感謝を伝えるメッセージがそえられています。

表現の手段が増えると、コミュニケーションが豊かになる。

そんな実体験を、mimosa講師のAsahiさんが語ってくれました。

【角野杏早比(すみの・あさひ)さん】1990年愛知生まれ。お母様と二人三脚で人生を歩み、動画クリエイターとして独立。昨年2021年にmimosa合同会社を設立。映像制作、動画スクール運営に精を出しながら、今月はオタ活でアメリカ、仕事でインドを駆け巡るノマドワーカーでもある。https://lit.link/asahisumino

母が生徒、娘が先生という関係

ーmimosa4期の卒業コンペで一番賑わせたのは、キャリアコース受講生のNorikoさんがAsahiさんのお母様だったというカミングアウト。よくそれまでバレませんでしたね!

講師のShioriさんは知っていたので、講義中にニヤニヤされて、私はヒヤヒヤしたんですが(笑)

母は本気で動画を勉強したがっていたので、私も先生としてきちんと応援するつもりで接してました。その流れで自然と「先生と生徒の関係」ができ上がり、母は3期ビギナー、4期キャリアコースを完走しました。

ーそもそも、なぜお母様がmimosaを受講したのですか?

私がフリーランスで仕事をしている時から、「人手が足りないから手伝って欲しいな」とぼやいていたら、一人でAfter Effectsのチュートリアルを見ながら勉強していたんですよね。だから、動画編集を始めたきっかけは「娘のお手伝いがしたい」がスタートだったと思います。

でも、私が母を頼る間もなくmimosaを立ち上げ、スクール運営を始めてしまい、もしかしたら母は寂しい思いをしていたかもしれません。でも、その後も母はコツコツと勉強を続けていたので、「お母さんが本気なら、mimosaを受講してみる?」と、私から誘いました。

mimosaメンバーとお母様

共通言語で盛り上がるvlog旅

ーお母様がmimosaに入り、お二人の関係に変化はありましたか?

ずっと二人三脚で生きてきたこともあり、何でも話せる友達のような親子だったんですよね。そこに「共通の話題」ができたことにより、特に旅行は楽しくなりましたね。

ー先日の北海道vlog旅、2人で撮りあっている姿が素敵でした!

今まで一緒に旅行にいくと、私が撮影をしている間、母はそれを眺めて待っている時間が多々ありました。しかし、今回はそれぞれカメラを持ちながら、撮りたいものに導かれるように旅路を進めました。帰宅後、出来上がった作品をビデオレターという形で送り合うことになり、それがたまらなく感動しました。

(母、Norikoさんの作品)

普段言えない本音を動画にそえて

今回、私はvlogチャンネルの作品として、母は卒業コンペの作品として、たまたま同じタイミングでお互い動画を作ることになり、偶然にもお互いがお互いにあてたお手紙のような作品になりました。

母は女手一つで私を育て、32年間同じ地元で暮らし、途中で私は一人暮らしを始めましたが、すぐに会える距離に住んでいました。私は一人っ子ということもあり、母を一人にさせる「後ろめたさ」を勝手に感じていました。

しかし、たまたま祖父母と母が一緒に住むことになり、「親離れするなら今だな」と思ったんです。先月ニューヨークで感じたのは、私に足りないのは住み慣れない環境に身を置いて、新しい視点や出会いを広げること。成長するために、地元を離れる必要性を感じていました。

母にも地元を離れることを伝えました。絶対に寂しいはずなのに「寂しい」とは言わないんですよね。そういう人なんです。

だから「母は大丈夫です」という動画のメッセージに、涙をこらえきれませんでした。「あぁ、そう言わせてしまった」とも思いました。不器用なんですよね、私たち。何でも話せる親子のはずなのに、肝心な気持ちは話せないんです。でも、動画で伝え合おうとするところがまた、私たちらしい形だと思いました。

「動画スキル取得」という、新しい親孝行の形

ーお母様を見ていると、50代からの第二のキャリアとして、動画編集を仕事にすることは実現可能そうですね。

mimosaは女性の新しいキャリアの選択肢として、動画制作のスキル取得を支援しています。その意味では、母のような50代の方が動画制作を仕事にできれば、もっと自由に生きられるのではないかと感じます。

現に、私の母は介護の仕事をしていますが、体力的にそろそろ限界を迎える中で、動画編集を仕事にしようとしています。そう思うと「介護をしながら在宅で働きたい」というニーズも、今後おのずと増えてくるでしょう。

ーAsahiさん親子の関係を見ていると、「親孝行の選択肢」として動画教室をプレゼントするのもアリだなと思いました。

たしかに、私もアリだと思います。子どもが成長するために何かを学ばせるのと一緒で、自分の親にも新しい世界を見せてあげることも一つの親孝行の形ではないかと思います。

物や経験をプレゼントするのももちろんいいけれど、「学ぶ・つくる楽しさ」は持続しますよね。例えば、孫ができたとき、友達と遊んだとき、旅行に行ったとき。それぞれその瞬間を体験するだけではなく、記録として思い出を残す楽しさは一生物です。

何より、実際に動画スキルを使って生活を楽しんだり、お互いの気持ちを伝え合うきっかけや手段が増え、親子関係が豊かになったと感じています。これは、予想外の私へのギフトでした。


人生100年時代。心身ともに健康に生きるためには「心」の健康も無視できません。その中で50代の女性たちが「娘世代と、動画編集を学ぶ」という経験は、単にスキルを得るだけでなく、豊かに暮らすためのエッセンスに気づかされる機会になるのでしょう。

(取材・文/mimosa2期 渡邉茜)


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