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Photo by
inagakijunya
吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」
私と同じ乳癌になった友人…
彼女はきっと暗闇の中にいる。
「たとえば鏡に映る自分の顔にほんの少し深い影が落ちていることが、また本当につらい夜が繰り返しのようにやってくることを予感させた。
考えたくもないほど疲れる。
本当に疲れる。
それでも…たとえはってでもくぐり抜けたい。
たとえば、今は昨日より少し楽に息ができる。
また息ができない孤独な夜が来るに違いないことは確かに私をうんざりさせる。
この繰り返しが人生だと思うとぞっとしてしまう。
それでも、突然息が楽になる瞬間が確実にあるということのすごさが私をときめかせる。
度々、ときめかせる。」
吉本ばなな「ムーンライトシャドウ」より
私たちは、いつもこんな状況だ。
彼女の絶望を少しでも分かりたい、少しでも寄り添いたい…
だから、ずっと、諦めずに…声をかけ続けたい。
私はいつもそばにいる、一緒に生きようと。