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お酒造りレポート「微細な洗米・蒸米に感動」

Mimoriの坂上萌です!

現在、公開中のクラウドファンディング「水はどこから来るのか?」。
このプロジェクトは、鳥取県江府町で、奥大山の湧き水と酒米を使い、土地とつながるお酒を作ってきた大岩酒造と、この地で水の大切さを伝える活動をする Mimori というユニットが出会い立ち上げました。


何代にも渡り、紡がれてきたお酒造り。
その知恵を見出した先人たちには、どのように世界が見えていたのだろうか?

この感動を届けたい!


大岩酒造さんのもとで、酒造りをお手伝いさせてもらうと、日常では知り得なかったお米のこと、発酵のこと、気候風土のこと見えることがたくさんありました✨酒造りから見えたのは、人と目に見えない存在たちとの世界の鮮やかさ。このレポートでは私たちがワンダーした酒造りの一場面を皆さんにお届けします!

微細な水のコントロール

その日は、「洗米」と「浸漬(しんせき)」の日。
米を洗って水に浸ける作業のように思いますが、蒸米や麹の品質に影響する吸水率をコントロールする大事なプロセスです。

洗米は、精米後に残った米の外側の部分をしっかり取り除くための工程。
浸漬は、蒸米や麹の品質に影響する吸水率をコントロールする工程。

米粒の真ん中に芯が残り、水を吸った米粒は目玉のようになる。

水を吸水すると「目玉が出てくるよ。」と言ってもらい、浸水時間を待ちます。「目玉」とは、米の芯の部分が水を吸っておらず、透明になっている部分のこと。「目玉」がほどよく残っていると、蒸米が理想的な硬さに仕上がりになるそうです。ストップウォッチを持って、洗米にかける時間と浸水させる時間を測ります。米の硬さやその日の気温、水温によって、水の吸水スピードが全然違うそうです。
杜氏さんの感覚で、ほんの数秒で起きる変化に注意を払い、丁寧に浸漬時間は調整されているんです!

手のひらで毎秒ごとに変化するお米

「洗米」と「浸漬」のあとは、「蒸米」です。「洗米」と「浸漬」とは別の日に伺いました。酒造りでは、お米は“炊く”のではなく“蒸し”というそう。
熱い蒸気で加熱することで、酒造りに適した水分量に調整しています。蒸米は、放冷機を使った強制放冷され解していきます!

冷却されていく米
手のひらで感じます。


大岩さんのお米の解し方のスピードに合わせて、手を動かすと気づくことがあります。今まで、米粒同士が絡まり、塊となっていたのが、蒸米の温度が冷めていく”ある瞬間”にお米がほぐれるといこと!
ものすごい微細な感覚が、めちゃくちゃ面白い!!!!!
数秒ごとにお米の粘り気、弾力が変わっていく!

photo by 玉利康延

手で感じる微細な感覚と共に生きてきた知性

二日間に分けて、入れていただいたお酒造りの仕事。
杜氏さんは目に見えない温度変化を身体で覚え、再現していきます。毎年同じ仕事の流れを、毎年違う気候とお米の状態に合わせて、自分の感覚を合わせていることに改めて驚きます。

手でお米を扱う作業をしながら、心はお米が育てられた環境とそれを支えた土壌に思いを馳せ。そこには、目に見えないものと対話する知性がありました。お酒造りがこんなにも面白く、楽しいものとは知らなかった!!!
お酒の出来上がりが楽しみです☺️

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