他人の人生にいいねする暇があったらやりたいことをやれ(ブーメラン)
狭い四角い物体を触って、他人の人生をのぞいている時間があるなら、外に出て、初めて会った人と話してみるのも悪くない。
そこには、同年代だけではなく、さまざまな年代・職種・出身・経験を持った人たちが集まっている。
例えば、バツ2で飲食店を経営しているお姉さん、小学校の先生を目指している大学生、いつも必ず顔を出す常連のおじいちゃん、古着やバンド活動が趣味の公務員…。そんな人たちと話していると、仕事だけでは得られないような学びや発見がある。
想像力や思いやりが広がり、世代やバックグラウンドの違う人とも自然と会話が弾む。普段の生活や職場では使わないような言葉を選びながら話す時間は、単純なコミュニケーション以上の刺激をもたらしてく。
一方で、気づけばSNSには、マウントとったり比較したり、あるいは自分の行動を追いかけるような広告ばかりが並んでいる。
脱毛、転職、ジム、ワーホリ、副業…。
まるでこちらの無意識を利用して営業しているかのように、興味を引きそうな情報が次々と流れてくる。
潜在的なニーズを見抜かれている感覚はまだいい。
けれど、自分が何をしたいのかわからなく見失っている時や、迷っている時、あるいは現実逃避したい時にこうした情報を目にすると、選択を誘導されているような気がしてくる。
もしかしたら、あるはずのやりたいことが見えていない時に自分の弱みをつかまれているのかもしれない。
そんな時、ふと気づく。他人の人生にいいねを押すばかりで、自分の人生に集中できずにいることに。
それが不安なのか、焦りなのか、言葉にはできないけれど、確かにブレている感覚がある。
それでも、こんなキモくて自慰的で尖ったことを考えているのも、結局は誰かの人生が羨ましいからなのかもしれない。
誰もが自分のことにしか興味ないし、自分のことを考えている時間が一番ながいし、自分のことが一番可愛いのだから。
そう思うと痛くて少し笑えてくる。