恋愛と乗換駅
以前、恋愛相談をしてきた女子と、会社帰りの乗換駅でばったり再会した。
開口一番にこちらを見て言うことには、
「髪がっ!短い!」
…この髪型に変えたのは、ずいぶん前なんだけどね。
「元気そうね♪」
「元気です♪」
そのままお互い、ニコニコしたまま固まる。
あなたに聞きたいことなら沢山ある。
あの頃、話をしていた新しい彼氏とはうまくいっているのだろうか?
それを今、ここで聞いても差し支えないのだろうか?
聞いたとして、その笑顔は笑顔のままだろうか?
恋愛相談というつながりが無ければ、私たちはひどく遠い。
だからこそ、あなたは私に相談したのだ。
しがらみから離れた立場で眺めた、背中を押してくれる言葉を求めて。
「また今度、一緒にご飯を食べに行こうね♪」
そう言って手を振って別れた。
またばったり会える、その日まで。
便りが無いのは良い便り、そう思った。