奄美生活
奄美大島に移住して来てもうすぐ3ヶ月。
驚く事が多々ある。
・いきなり下の名前で呼ばれる。
自分の認識では苗字ではなく下の名前で呼ぶのは親しい間柄、もしくは親戚や田舎の隣近所。
そう、忘れていた、ここは田舎である。
・物価が高い
ここは離島なので移送料がかかる。
それを上乗せされているので仕方がない。
Amazon prime に助けられている。
・電車がない。店がない。
これは仕方ないのかもしれない。
自然を壊してまで電車を作る意味はないし。
店がないのは正直ストレス。
私の住む地域は奄美の中でも更に田舎なので余計にないのだ。
コンビニも勿論ないし、村の商店は基本定価だし、営業時間も短い。
・何事もゆるい
良くも悪くもゆるい。
修理を頼んで2週間なしのつぶて。
直ったのは1ヶ月後、、、
・休みや給料が内地とかなり違う
覚悟はしていたが、週休2日の定義が違っていたのはびっくりしたし、給料が安く、退職金もない。
まぁ、これは就職先限定かな。
・湿気半端ないし、虫だらけ
亜熱帯だから仕方ない。こればかりは如何ともし難い。
ここまではネガティブな情報。
下の名前呼びはネガティヴではないが、都会の距離感に慣れていると戸惑う人はいると思う。
さて、ここからはポジティブな情報。
・人が良い
田舎特有の「嘘がない(実際はわからないが、嘘をついてマウントを取る必要がない)」ので楽。
距離感が近いので普通に野菜やおかずをくれる。
何度も助けられた!
鍵かけないで仕事に行っているし。(謎の玄関だけ施錠)
田舎は知らない人が居ないので不審者はすぐバレる。
人を騙したり、驕り高ぶる必要がないので素直な人が多い。
人が良いので条件の悪い会社も楽しく働けている。
しかし、条件の改善は求めたい所だ、、、
島の友達は「島では当たり前だよ?」と言うがそれではこれから先の人材が来ないし、育たないと思う。
人の良さに甘える経営はいずれ破綻しかねない。
しかし、自分が会社に利益を与えられる人材にならないと声はあげられないけれど😅
・自然の雄大さ
これには誰も異論はないだろう。
海も山も素晴らしい。
あらゆるストレスが癒される。
奄美に越してきて人は自然に生かされているのだと再確認した。
地球に住まわせていただいているという感覚になったのは奄美に来て初めて感じた。
実家も相当田舎だが、奄美の自然はもっと荒々しく猛々しく、傍若無人だが目を見張る美しさと崇高さを携えている。
畏怖の念が当たり前に湧く程の圧倒的な力を持つ自然。
そこに住まわせていただいていると感じられるのは神仏を身近に感じられるのと同義だと思う。
・収入と比例しない暮らし
今私たちは都会で働いていた時よりも収入が少ない。
2人合わせても私が1人で働いていた時の方が賃金が高い。
しかし、今一軒家に暮らし(家賃は都会より低いがそこまで安い訳ではない)車に乗ってあちこち出かけている。
飲み歩く事がなくなったのでその分安上がりになってはいるが、家で呑んでいるし食費はエンゲル夫妻と自分達を揶揄している私達のままだ。
それでも暮らせている。
あれ?それなりに収入があった都会暮らしの方が「お金を自由に使えない!」とキュウキュウしていたのではないか?
必要経費は増えているし、収入も減っているのに豊かに暮らせているのはなぜなのか?
住居がかなり影響していると思う。
広いダイニングキッチン(前と比べて)は陽当たりが良く風も通る。
水道水で充分美味しいコーヒーや紅茶が飲める。
食べたい物は自分で作らなければならないが、都会では高級な果物を安価で食べられる贅沢がある。
離島暮らしは不便だし、距離感バグっているし(良し悪し関係なく)良い事ばかりではないよ?と一応言っておく。
しかし、それでもストレスなく幸せに暮らせている。
数だけ数えたらネガティヴが多いけれど、それを凌駕するポジティブさが奄美にはある。
島生まれ島育ちの人が言っていた。
「もう少し便利になって欲しいけど、観光客で溢れて奄美らしさがなくなるのは嫌だ」
奄美がイマイチ観光地になりきれないのはこういう考えの人が多いからだと思う。
しかし、それこそが奄美の美点だと思う。
地元を愛し、自然を愛し、地に足をつけて日々を過ごす。
これこそが、奄美の神々に慈しまれ愛される生き方なんだと住んでみて感じている事だ。
まだまだ3ヶ月。
これからどうなるかわからないが、この地に根を張り密やかに花を咲かせるくらいにはなりたいものだ。