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「出会いは一瞬だけど、ずっと自分の中に残るもの」ー縁を大切にして紡ぐキャリア

みなさんこんにちは。ミーミルnote編集部の眞下です。

今回は、ミーミルの初期メンバーとして2020年に入社し、大企業へのエンタープライズ営業を推進している杉浦 茜さんにお話を伺いました。

人とのご縁を大切にしてきた彼女のクライアントに対する向き合い方や、エキスパートサービスの魅力について、語ってもらいました。


100人規模組織のひとり人事を経験した新卒時代


これまでのご経験について伺っても良いですか?

新卒でIT系の会社に入り法人営業を担当しました。そして2年目からは、人事の責任者を任せてもらっていました。
大阪が本社で、東京・名古屋・福岡に支社がある100人規模の会社でしたが、一人で新卒と中途の採用を行ったり社員の評価制度を作ったりするなど、人事全般の業務を幅広く担っていました。

「ひとり人事」は相当苦労されましたか?

未経験からの人事だったので、わからないことも多かったですし、かと言って相談できる人も近くにおらず、結構大変でした。

人事責任者を任せてもらって早々に、事業が過渡期を迎え、複数支社の閉鎖を意思決定することになりました。
そのため、自分よりも経験豊富で家族もいらっしゃる方の退職を見届けつつ、新たな組織を創るため関西や東北にまで採用で足を運んだりもしました。

組織としても、収益構造やカルチャー面でも変化していかなければいけないフェーズで、社長もすごく悩んでいました。
それに対し、私が人事として”もっと早く”経営者のサポートができていれば、状況は変わっていたかもしれません。

元々、学生時代からインターンをしていた会社で、社長のこともよく知っていて信頼もしていたので、なおさら自分の不甲斐なさや悔しさが記憶として残っています。


採用のあり方を変えたかった


それが次の転職へのきっかけになったということでしょうか?

そうですね。経営者や組織を支えるためには、人事として自ら組織に合った人材を採りに行くような視座を持たないと、その会社のビジョンを実現できず、最終的にはビジネス自体が縮小していくことに繋がっていくのだと思いました。

「人材は経営の要」であることを痛感し、「採用のあり方自体を変えたい」と思い、次に転職した先がビズリーチです。

ビズリーチではどういった業務を担っておられたのでしょうか?

入社後、ちょうどビズリーチとして注力する企業を専属で担当するチームの立ち上げに関わり、私ともう一人の二人が中心となって体制をつくっていき、主にメガベンチャーや大手企業をメインにご支援をさせていただきました。

通常、新規受注とCS(Customer Success)担当は別にいるのですが、このチームでは企業毎に一人の担当がセールスとCSの役割両方を担いました。
面接官のトレーニングをはじめとして、採用フローの設計から入社者のオンボーディングの伴走まで、一貫した幅広いご支援を行いましたね。

そうすることで顧客の満足度向上もそうですが、ビズリーチの他サービスの利用促進・LTV(Life Time Value)向上にも寄与することができるという好循環にも繋がったと思います。

ビズリーチには、2016年から2020年までの4年間在籍していましたが、私が退職する頃にチームは部署に昇格、最終的に50人規模の組織にまで拡大しました。

営業としてどんなことを大切に活動されていましたか?

ビズリーチというサービスは単なる採用ツールに過ぎず、本当に大切なことは、従来の候補者の応募を”待つ”体制ではなく、各社のビジョン実現の為に必要な人材を採用するための文化や体制づくりだと考えています。

なので、経営陣の方針と採用を受け入れる現場と人事、それぞれの橋渡しになれるよう、各担当の方と密に連携するように意識していました。

多いときには、1週間に4回も同じクライアント先に訪問することもありましたし、お客様が早くサービスを使いこなせるようにリアルタイムでサポートを行ったりしましたね。

「自分自身がお客様のために何ができるだろう?」ということに誠実・愚直に向き合っておられたのだと感じます。

私自身、ひとり人事で苦しい時期を経験したこともあるので、できる限りクライアントと共に一緒に悩み、次のアクションを考えられる伴走者でありたい、そういう思いで支援を行っていました。

そういった活動も含め社内でも評価いただき、営業部門の優秀賞やインパクトアワード(顧客に最もインパクトを与えた成功体験を称える表彰式)を受賞することもできました。

何より、お客様から「一緒に採用したXXさんが新規事業担当役員になりましたよ」とか、「XXさんが入社したお陰もあって上場できました」、「あの時ひとり人事で苦しかったけど、杉浦さんがいたから踏ん張れました!」などといったご報告をいただいたことがありがたかったですし、励みになりました。
今でも、担当していたクライアントが上場したり事業拡大したりするニュースを聞くと、嬉しくなります。


実績を捨て、ゼロベースで挑戦したかった

とてもやりがいを持って働かれていたと思いますが、なぜビズリーチを辞めることにされたんですか?

大きく2つあって、1つ目はビズリーチでの原体験があります。
経営者の方々の非公開案件に関わらせていただく機会が増えていた中、ある経営者の方からご相談をいただき、その企業の新規事業関連で採用を行うことになったんです。
さまざまな採用支援や候補者との面談を行いましたが、希望年収の不一致やタイミングなどを理由に辞退が続き、採用できない時期が半年以上続きました。
結果、クライアントの競合他社に類似サービスを先にリリースされてしまったんです。

リリース予定で進めていた新規事業は、ものすごく社会的意義のあるものだと感じていました。
だからこそ、採用にもこだわって取り組んでいたものの、結果的にスピードで先を越されたわけです。

純粋に「もったいなかった」と思いました。

もちろん採用だけが原因ではないと思いますが、ご支援させてもらっていた社長様の思いを乗せたサービスを世の中に送り出せなかった悔しさと同時に、採用の限界というか、もう少しアジャイルで事業化を進められる体制作りやアセット活用の方法があるんじゃないか?と思うようになりました。

2つ目の理由として、20代最後に、脳から汗が吹き出すくらいの、過去経験したことがないような仕事に挑戦したいという思いがありました。

現在は結婚をしていますが、将来子供ができて家族が増えれば、仕事だけに全力投球というわけにはいかないため、ゼロベースで挑戦できるのは今しかないと思いました。

もちろん、そのままビズリーチにいても挑戦はできたかもしれません。
過去の実績を踏まえて、色んなプロジェクトへのお誘いをいただくようなこともありましたし、何よりビズリーチの文化がすごく好きでした。

けれど、それ故に挑戦をしたとしても、そこにはどうしても甘えが出てしまうとも感じました。
だから、過去の実績を捨ててまっさらな状態でもう一度頑張りたいと思ったのが、転職の大きな理由でした。

そういった強い思いを抱かれたうえで、ミーミルに転職を決められたのはどういう経緯があったのでしょうか?

転職活動をはじめた段階では全然違う会社をみていました。
人材関係に携わるということは自分の中で大切にしたかったので、「教育」も含めた幅広い候補先との面談を進めていました。

あるとき、たまたまエージェントさんから連絡があって、ミーミルを紹介されたんです。

「杉浦さん、ミーミルって知ってます?絶対に合うと思います。」
「いや、聞いたことないです・・」みたいな(笑)

けれど、実はビズリーチ時代にユーザベースを担当していて素敵な会社だなと思っていたので、そのグループ会社だと知ったあとに、面接を希望しました。
面接に進んでみたら、運営しているNewsPicks ExpertやSPEEDA EXPERT RESEARCHの事業内容にものすごく共感できたんです。

学生時代に新橋で居酒屋を経営していたことがあって、お店に来てくださるお客様の多くが、まさにミーミルのエキスパートのような方々でした。
そのときのお客様からは、人生において大切なさまざまなことを学ばせてもらいましたし、その後の社会人経験の糧にもなりました。

そんなふうに、「経験者が語る情報が、誰かにとっての発見や、その後の考え方や行動の変化にも繋がる体験が、ビジネスの世界でも有効なんだ」という気付きもありましたし、アジャイルでエキスパートの知見を企業に提供し、その意思決定を支援するというサービスはめちゃくちゃ価値があると感じました。

そういった理由でミーミルへの転職を決めました。


人との出会いは一瞬だけど、一生自分の中に残るもの

転職の理由やキャリアの流れに一貫性を感じたのですが、日々の仕事において大切にされている価値観とかスタンスはありますか?

「出会いは一瞬だけど、出会いは一生」ということです。若干、エモいですけど。

先ほどの居酒屋の話に戻るんですが、新橋で居酒屋経営なんて、「本気で経営していない、ただの学生がやっている居酒屋」と見られてもおかしくないですよね。

新橋でプライドを持ってお店を持たれている方も多い中、同じ土俵に立っていたかと言われると、決してそうではなかったはずです。お客様から厳しいご指摘をいただくこともありました。

一緒にお店を運営していたメンバーとの集合写真(※2019年2月に営業終了)

けれど、苦しいことばかりではありませんでした。

あるとき、私たちのお店のお客様が新聞記者の方を連れてきてくださり、お店のPRをさせていただいたことがありました。
他にも、アパレル関連の企業にお勤めされているお客様に、ユニフォームを無償で提供いただいたり、居酒屋のお客様と、ビズリーチ時代にクライアントと営業という立場で再会したこともありました。
このように、一瞬一瞬の出会いがきっかけとなって、次の何かに繋がっていく経験を学生時代からさせてもらえたことが、自分の中で大きな財産となりました。

だからこそ、今の仕事においても、「私がこのお客様と出会えたのはご縁だし、ちゃんとこの方をご支援するぞ」という気持ちでクライアントと向き合っています。

エキスパートの知見は究極の無形商材

人とのご縁に関してすごく共感する部分があります。
では実際に、今のエンタープライズチームではどんな業務に取り組まれていますか?

私たちのチームは各クライアントごとに担当者が決まっていて、私だと大手電機メーカーや広告代理店のお客様をメインに担当しています。
業務内容としては、クライアントの状況や課題などを理解した上で、それに基づく具体的な提案活動やご支援を行っています。

例えば、クライアントが新規事業として検討しているサービスの市場性を検証する為、その領域のエキスパートやSPEEDA EXPERT RESEARCHの活用をご提案したり、各部署や担当者のミッションのAs isとの差分を把握した上で、その課題を埋めるためのサービスの活用方法をご提案したりしています。

特に、エンタープライズのお客様だと、通常メニューにはないクライアントの状況に寄り添ったオーダーメイドなサービスも一緒に設計して作っていくケースもあります。

そんな中で、やりがいを感じられる場面はありますか?

エキスパートの知見活用は、「究極の無形商材」だと思っています。

知見は可視化されているものではないですし、例えばエキスパートAさんという方がいたとして、あるクライアント企業から見ると「こういうテーマでインタビューできる方」であっても、他方から見たら「別のこういうテーマでアドバイザリーもできる方」と捉えることができるかもしれません。人の知見は、一概にその専門性を定義できるものではありません。

だからこそ、クライアントへの提案の仕方は何通りもあって、そこが難しさでありつつ面白いポイントだと感じます。
加えて、「案件以外のところで変化を作り出せている」ということも、やりがいを感じる理由です。

先日、ある案件を終えた後に、クライアントのご担当者から「今日のエキスパートインタビュー、今まで以上にすごかったです!」とコメントをいただいたことがありました。
「こんなエキスパートになれるように、自分の業務を見直してもっと頑張りたいと思いました」とおっしゃっていただいて、とても嬉しかったですね。

そんなふうにエキスパートサービスを見てくださっていること自体がありがたいと思いましたし、その方の仕事に対する視座が変わることで、業務の取り組み方も変わってゆくのだろうと思いました。
目の前のプロジェクトではなく、意識の部分にエキスパート知見の活用が影響を与えることができた実感がありました。

逆にエキスパート側の話をすると、別案件でアドバイザリーを依頼した際、「自分がこの企業から声がかかるなんて思っていなかった。でも、自分が今まで経験してきたことが間違いじゃなかったんだと思ったし、今回クライアントと接することで今後のキャリアについても思考が整理できて、今の仕事につながるスキルに磨きをかけようと思えました」と言っていただいたことがあります。

素敵じゃないですか?

案件のお手伝いだけに終わらず、働くことに対して前向きに捉えてもらえる機会提供にも貢献できている事業なんだと、誇らしく感じます。


お客様全員にエキスパートになってほしい


そういったクライアント・エキスパート両方の嬉しい声をいただけることは、我々の喜びでもありますね。今後さらに取り組んでいきたいことは何かありますか?

これまではクライアントの課題に合わせてご支援をしてきましたが、エキスパートの知見やアイディアも取り入れた上でご支援できる座組みやソリューションのパッケージを作りたいと考えています。

クライアントの課題に合わせてエキスパートと連携してサービスを作っていけるのもエンタープライズチームの醍醐味だと感じているので、そこを強化していきたいです。

加えて、今はSPEEDAとの融合を進めていますが、ユーザベースの他のサービスとエキスパートを接続させ、新たなサービスを生み出せる可能性もあると感じているので、その融合も加速していけたらと思っています。

あと、個人的には、将来的にはお客様全員にエキスパートになってほしいと考えています!

普段から接するなかでエキスパートとして活躍いただけそうとお見受けする方や、知的探究心が高く、個人でも発信をされているような方には、エキスパート登録をいただくようお声がけさせてもらっていますね。

ときには、「お誘い待ってました」と言われることもあります(笑)。

逆も然りで、エキスパート登録から始まり、クライアントとしてもエキスパートサービスを活用したいと言ってくださった方がいらっしゃり、まさに今契約の手続きを進めているところです。

そんなふうにクライアントとエキスパートの循環ができるのが、我々のサービスの素晴らしいところだと思っているので、知見流通の渦をさらに大きく描いていくことが、私の理想です。

熱い思いが伝わるインタビュー、ありがとうございました!


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