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ユニコーンに救われた④
ユニコーンは楽しい。今度はどんな面白いアイディアを見せてくれるのか?というのが楽しみで、次、次を期待する日々であった。
けれども、僕も個人的に忙しさを極めた時期ではあった。
ほとんど大学にも行かず、毎日スーツを着て、朝から晩までサラリーマンのようにボランティアをする日々が続いた。
それでユニコーンの噂は聞いても、音楽を聴いているヒマもない日々であった。
そんな中でアルバム『ヒゲとボイン』がリリースされた。
このアルバムは、おそらく完成度で言うならば、それまでの最高峰に当たるアルバムだと思う。
けれどもボクは「ヒゲとボイン」というタイトルだけ聞いて、「ああ、ユニコーンらしいな」という印象を持つだけで、ホントに時間がなくて、全然音楽も聴けなかった。
結局、しばらく経ってから聴いて、これは完成度としては高いけれど、それまでの強烈なインパクトには欠けるかなとは漠然と感じた。
また、全体に漂う、影のようなものはやはり感じざるを得なかった。
それでもいい曲はたくさんあった。
阿部さん作詞作曲の「開店休業」はとってもいい曲だった。のちの「すばらしい日々」と匹敵するぐらいいい曲だと思う。
また、民生さんの「家」、「車も電話もないけれど」、「ヒゲとボイン」も全部いい曲。
すばらしいとしかいいようがない。
文句のつけようがない。
けれども、インパクトとしてはやはり「服部」や「大迷惑」がすごすぎるわけで、『ヒゲとボイン』の曲については、そういう次元ではないのだと思うようになった。
また、同時期にやっていた、ダウンタウンの「ごっつええ感じ」という番組の中のコーナーで、「民生くんとアベくん」というコーナーがあり、そのコーナーの元になる曲が、「風」と「風Ⅱ」で、この存在も知っていた。
テレビもほとんど観られなかったが、このコーナーだけ、ちらっと観ることがたまにあって、「ああ、民生さんとアベさんらしいな」と感じたものだ。
また、のちに「車も電話もないけれど」は、センター試験を受ける前の日に、エールとして、受験生に向けて、先生方と一緒に歌うことになった。
つづく
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
また次回、お会いできたらうれしいです。
#ユニコーン #ヒゲとボイン #車も電話もないけれど #ダウンタウン #ごっつええ感じ #民生くんとアベくん