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第2回 語彙力アップのための文章練習

風薫る5月。
この季節になると、湊人のことを思い出す。

湊人は目から鼻に抜ける頭を持った人だった。
私が追いつくことは、到底不可能だった。
しかし、彼は私を見捨てなかった。
きっと、身につまされる想いが私に対してあったのだろう。

いつも斜に構えた目に、木で鼻を括った態度の私に、湊人は風光るかのごとく手を差し伸べてくれた。その瞬間、毒を食らわば皿までと思っていた私の心がばっとほどけ、彼についていきたいと食指が動いた。

彼の風の吹き回しは、酸いも甘いも噛み分けた男性の顔をしていた。
同時に、彼に対して生馬の目を抜く態度をとってしまった。
しかしそれは、防御反応だった。