少しだけ、ほんの少しだけね。羨ましい
少し、
ほんの少しだけね、
羨ましい。
* * *
高校2年生の時に、趣味の歌で繋がった友達。今でも縁が続いてて、お互い名前で呼び合って幸せになろうな、なんてことを定期的に言ってる関係。
そんな彼に彼女ができた。
この彼とどんなことがあったか、どんな思いだったかとか彼女ができるまでの経緯…まで書くと長すぎるから今回は省略する
まあただ、彼女はもう作らない。俺には恋愛できない、もう感情をどっかに置いてきちゃったの。なんて言ってたやつの彼女、気にならないわけがない。
どうして付き合ったの?から始まる恋バナ。聞いてみると、なんと彼女は4年近く彼のことが好きだったらしい。
4年も1人のことを思い続ける、うわ〜なんて素敵なんだ
とはならなかった。
聞いてすぐは、(4年?え?こわ)がわたしの本音だった。
※もちろん彼女さんの気持ちを否定しているわけでもそれ以外でもないです
人に執着しない、と割とコアにしているわたしからすれば4年も1人のことを思い続けて、叶わない恋を続ける努力はもはや執念としか思えなかった。いや、シンプルに怖い。
"執着を手放すことが幸せへの一歩です!"
なんてタイトルのYouTubeを見たことがある、自己啓発的なやつね。私もそうだと思う。人と比べて勝手に競って負けた自分を許せなかった、あの頃に比べれば今は格段に幸せで、他人を幸せにすることもできるようになったと思うから。
だけど、こと恋愛や、親友、みたいな深い関係を作るには一定の執着が必要なんじゃないかと最近思っている。執着がなければ、その人との関係を続けようとはなかなか思えないから。
自分で遠ざけた人に対する執着心を、少し求めている。
ただ、今ないからあればいいんじゃないかって思うだけなんじゃない?ってもう1人の自分が言ってる。多分それもそうなんだろな。
この人じゃなきゃダメだ、と思えるような執着心。
4年も彼のことを思い続けた彼女を、少し羨ましいと思う。
そんな人に出会えた彼女が、羨ましい。
(恋人じゃなくても、失いたくない人がもうすでにいるのだから欲張るんじゃないよ、という声も聞こえる。だけど羨ましいものは羨ましいんだい)