まあるいしあわせ ~ふんわりサックリ、絶品お好み焼きの作り方~
今日のテーマはお好み焼き。
とあるひとに捧げるnoteとさせていただきます。
最初に言うときますが。
長いよ!5000字超えてる…めっちゃ長なってもうた!
作り方だけ知りたいひとは、◆準備するもの◆まで飛ばして!
じゃあ、いくよれ!←あれ?呑んでへんのに(笑)
◆わたしのスタンス◆
これ、関西出身の方に聞きたいんですけど、関西と言えばやっぱお好み焼きでしょ!ってイメージが強いみたいで、他の土地へ行くとなんか話題として振られること多くありませんか?
この際ハッキリ言わせてもらいますけど、「大阪と言えば、お好み焼きでしょ!」って語気強めに言うてくるヤツ、なにかにつけてセンスない。
うち大阪ちゃうし、神戸やし。
「お店で食べるとしたらどこがおすすめ?」とか聞かれても、そんな知らんし。
『お好み焼きなんてそんなたいそうなもんちゃうちゃう、あんなんおやつや。普通の、家で食べるオカンのお好みが一番うまい』って、たぶん関西人全員思ってます。
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◆神戸のお好み焼き◆
実を言うとね、ここ、あんまり手出したくなかったんですわ。
お好み焼きの話は関西では不文律と言いますか、ほら、どこが本家やとか言い出してもうたらねぇ…もう、下手したら抗争に発展する可能性あるし。
神戸はね、本拠地ですねん。
え?なんの??
お好み焼きの話でっせ。
そんな神戸の中でも粉もんの聖地・長田のお好み焼きは独特で、薄く生地をひいてキャベツを乗せて、上からまた生地をかけて焼く、ちょっと広島に近い焼き方。
ローカルのわたしはもちろん長田風のも焼けるけど、あれはやっぱりお店で食べるもん。鉄板の温度とか、粉の密度とか、熟練の技があってこその美味しさなんですよ。素人が手ぇ出すもんちゃう。
だから、家で作る時はごくフツウの、混ぜ焼きタイプ。
具は牛筋とこんにゃくを煮込んだ、いわゆる”ぼっかけ”というのが人気で、それも神戸のお好み焼きの特徴かな。わたしら地元民はぼっかけなんて言わんと、昔からずうっとあれは”すじ”やけど。
なじみのお店ののれんをくぐったら、鉄板の向こうにいつものおっちゃん。
「おっちゃん、今日はすじ玉な。持ち帰りですじオムも焼いといてー。」とか、そういう感じ。
瓶ビールはね、みんな冷蔵庫からセルフで取ってくるの。わたしは、お好み屋さんでは呑みません。お好み焼きにはアップルかラムネやろ。
もしお店入っておばちゃんに、スッと箸と皿出されたら、完全によそもんやと思われてるで。これは地味に凹む。
お好み焼きも焼きそばも、箸なんか使わんよ。こどものうちから英才教育。うまいことちっちゃいコテで食べるんが、地元っ子。
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◆ソースのおはなし◆
粉もんの世界はソースがまた奥深くて、地ソースと言われる神戸ならではのメーカーがもうひしめき合ってて大変。
ばらソース、オリバーソース、プリンセスソース、ブラザーソース、タカラソースなどなど、狭い神戸の中だけでもこんなに選択肢があるのって、ちょっとすごくないです?
関東に住んでた頃、神戸へ帰省するよって言うと、数人の友人から必ずソース買ってきて!とのリクエストが。親しい友人へのおみやげはゴーフルでも神戸プリンでもなく、ソースと決まってました。
勝手なわたしリサーチによると、もっとも万人受けするソースは、オリバーの関西シリーズ。
お好み焼き用と焼きそば用、どっちも負けず劣らず人気でした。
あ、どろもね。
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◆レシピのおはなし◆
あかんあかん、このままではいつまでたってもレシピにたどり着けなさそうなんで、巻きでいきます!
さてさて、ようやく作り方。
完全なる自己流なので何の根拠もないけど、不慣れなひとにも一番失敗のない、斬新な生地の作り方を編み出した!と自負してます。これまで関東の友達にもたくさんこのレシピ伝授してきたけど、おおむね好評。
おうち時間が増えて、最近スーパーでもお好み焼き粉が人気らしく、売り場でなかなか見ませんね。でも大丈夫。普通の小麦粉で十分美味しいの、焼けます!
良かったら作ってみてね。
◆準備するもの◆(約8枚分)
・生地 キャベツ半個、卵4つ、長芋10㎝くらい、青ネギの小口切り山盛り、小麦粉2.5カップ、だし2.5カップ、かつお粉(適量)
※なくても全然いいけど、風味が増すからあったらええかも!なものたち→天かす、イカの姿フライ、切りイカ、桜エビ
・具材 豚バラ肉、イカ、エビ、キムチ、もち、チーズなどお好みで
お好み作り続けてウン十年、材料なんてちゃんと量ったことないんですよ。ベテランのおばちゃんらに小さい頃から「お好みなんか量るもんとちゃう!手で覚えるんや!」ってさんざん言われてきたもんで。
今回このために、ちゃんと粉とかだしとかカップに入れて量ってみたら、だいたい同量入れてたことが判明。いつもは混ぜながら粉を袋からドバッと入れて、だしも適当にドボドボ足していきます。
◆生地づくり◆
①キャベツをみじん切りにする。
そんなに細かくなくてざっくりで大丈夫。まずは太めの千切りにして、それを90度回転させてまた切る感じ。
芯のあたりは細かめに刻んでおくと食べやすい。
刻みながらまな板がいっぱいになってきたら、その都度ボウルへ移す。
とにかくキャベツは山ほど。お好み焼きは”焼くサラダ”やと思って。
②ボウルのキャベツの上に卵を割り入れる。
卵は大きさにもよるけど、この日は小さかったので4個。キャベツの上に割り入れて、お玉で黄身をつぶして全体的にざっくり混ぜる。足りひんなと思ったら後で足してもOK。
③まず小麦粉を混ぜて、その後だしを入れながらさっくり混ぜる。
まずは小麦粉をボウルに1カップ、さっくり混ぜたらもう1カップ入れて、ボウルを回しながらお玉で軽く混ぜる。
そこへだしを少しずつ入れながら全体的に軽く混ぜていく。
うちは市販のパックうどんだしを使用。ストレートだとちょっと濃いので、同量の水で割って合わせて2.5カップにしました。
もし使っているだしの風味が薄いなと思ったら、ここで少し生地にかつお粉を混ぜてもOK!最悪、だしがなくても、かつお粉さえあればただの水でもいいくらい。
一般的なお好み焼きのレシピはまず小麦粉とだしを混ぜることが多いけど、わたしは先にキャベツに粉をまぶしちゃう。
こうすることでほとんどダマにならない!し、ちょっとくらい混ぜすぎてもべたっとならへんような気がする。知らんけど。
卵はぶっちゃけ先でも後でもいいねんけど、先にキャベツに卵を絡めておいた方が粉が飛び散らなくて、より混ぜやすいと思う。全体的に空気を含ませるようにさくっと混ざればOK。多少、粉粉したところが残ってても気にしない!
④長芋をすりおろして加える。
長芋の皮を剥いてすりおろす。ボウルに加えてさっくり混ぜる。
めんどくさがりのわたしみたいなひとは、ボウルの上でシャカシャカおろしちゃって、じかに入れてもOK!洗いもん減るしね。
全部入れて混ぜたら、ここで最終調整として固さを見ながら、小麦粉、だし、卵など足りないものを追加。
こんな感じのもったり加減が理想的。
長芋を入れると生地がかなりふんわりするので、粉が少なめでもこんもり形が作りやすく、出来上がりが美しく焼けますよ。市販のお好み焼き用粉にはたいていパウダーで入ってるので、その場合は入れなくても大丈夫。
お好み焼きの生地はとにかく、さっくり、ふわっと優しく混ぜる。これめっちゃ大事!
さあて、これで生地の完成。
いよいよ、焼きの工程へ。
◆焼き方◆
※できたら最初に生地だけ小さく試し焼きしてみて、固さや食感をチェックするのがベスト。固かったらだしか卵を足してみて。カリッとしてないなと思ったらちょっと粉を入れてね!
①ホットプレートかフライパンに油をひいて、生地を丸く流し入れる。
ここで液体がじわーっと流れて広がっちゃうようなら生地が緩すぎ。全体的にキャベツと生地が分離せず、こんもり盛れたら正解。
②かつお粉をまんべんなくふりかけ、お好みで天かすやイカ、青ネギを乗せる。
かつお粉はそんなに!?っていうくらいかける。先に生地に入れてたとしても、またここでかける。鉄板に飛び散っても気にしない。
これ、試し焼きの時。これでも少ないくらい。
天かすや切りイカ、桜エビなども、うちは後のせ派。
うちの夫イチオシの、イカの姿フライは手で小さく砕いてパラパラっと。わたしはそれはあってもなくても、どうでもええかな(笑)
青ネギも後のせ派。生地に混ぜとくの、絶対イヤ。
これは諸派あるよね。後のせ!は単にわたし流のこだわりなので、めんどくさいひととか、そうこうしてるうちに焼けすぎちゃうよー!っていう初心者さんなら、もう全部最初に生地に混ぜといてもOKです。
③好きな具材をトッピング。
ド定番は豚バラ肉。できたらお好み焼き用のちょっと厚切りのものが理想。でも、哀しいかな関西にしか売ってないよね。(横浜では厚めの回鍋肉用っていうの見たことあるけど…)
なので、手に入らなければこういう普通の豚バラスライスでOK。
イカは食べやすい大きさに適当に切っておく。生でなくても、エビとイカのシーフードミックスなどでも。その場合は解凍しておいてね。
ちなみに、わたしのイチオシ具材は牡蠣。冬ならもう、牡蠣一択です!
今回は豚バラ肉、イカ、もち、すじ、キムチの組み合わせ。
いつもすじは自分で炊くけど、神戸を代表するMCC食品のぼっかけ、初めて買ってみた。パック開けてちょいと乗せるだけ。すじってどんなん?って、ちょっと試してみたいひとにぴったり!
④焼けたらひっくり返す。
しばらく置いてジュウジュウ言い出したら、コテで端の方をチラッと持ち上げてみて、底面の焦げ色をチェックする。こんがりきつね色になっていたら返しどき。
返した時、コテで全面をぎゅっと押さえない!端の方だけ軽く押さえて、生地を落ち着かせる。
※おうちにコテなんてないんですけど…という関西人以外の方へ。
フライ返し的なのでも大丈夫。うーん、大丈夫かな?って思ったら、道具はなんでもいいけど必ず2本使って両手でやろう!
見切り発車はだいたい失敗するよ。フライパンの場合は、左手でスナップ利かせて、思い切って浮かせたらたいてい大丈夫。
そもそもお好みを焼く時は、最初に生地大きく広げすぎないこと。ひっくり返すのいつも失敗するー!ってひと、だいたい大きくしすぎやねん。
ちっちゃいのん、何枚も食べ。具の組み合わせも楽しめるしね。
それがおうちお好み焼きの醍醐味よ。
⑤ちょっと火力を強めて、具材の面をしっかり焼く。
ホットプレートなら、“お好み焼き”って目盛りがだいたい180℃くらいやと思うねんけど、それよりちょっと温度高めにして焼いてみて。200℃くらいかな。そうすると、いい感じの焦げ加減になるはず!フライパンの場合は火を強めて表面をカリッと仕上げる。
⑥焼けたらひっくり返す。
またコテでチラッと持ち上げてチェックして、さっきの底面よりも濃い焦げ目がついてるかな…くらいで再度ひっくり返す。
これは、ちょっと焼きが甘いかな。
このくらいだったら、わたしならもう一度ひっくり返してもうちょい焼き目つける。
⑦底面をしっかり焼く。
はしっこがカリッとするくらいが理想的!
どんな具乗せるにしても、端っこに豚バラ一枚入れとくとじゅわっと脂が出てきて、揚げ焼きに近い美味しい状態に仕上がるのでおすすめ。
関西人のおうちのお好み焼きって、ミックスが基本。
すじ豚、豚イカ、豚牡蠣、豚キムチ…
なんにでも豚は必ず入ってくる!
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◆味わい方あれこれ◆
さあ、焼けたらアツアツのうちに召し上がれ。
ソースをかけて、お好みで青のりやかつお節、マヨネーズも。
すじには断然どろソース(スパイシーなたまりソース・関西でしか売ってるの見ない)が合うけど、手に入らない時は普通のソースに一味や胡椒をかけてもOK。
こどもには、おもちやチーズが大人気。おもちは普通のを一口大にカットしてそのまま乗せて。コーンとかソーセージとか、好きそうなものなんでも、入れちゃおう!
もしおうちにホットプレートがあれば、家族でワイワイ囲みながらがおすすめ。
小さい子でも、ぜひ自分の分はセルフでトッピングさせてあげて。危ないからってダメって言われがちだけど、具材を顔にしてみたり、変かな?って味の組み合わせが意外と美味しかったり、発見がたくさんあるから。
お好み焼きにルールなんてなし。
それこそあなたのお好みで、好きなもんを好きなだけ。
ひとりでも、家族でも。
あなたのワクワクを鉄板に広げて。
まあるいしあわせ、囲みましょ。
さあ、お好み焼きの世界へ、ようこそ。
※締めの完成画像、いいの載せようと探したけど、ちゃんとしたのがなくって(泣)残念すぎる…お代わり分でお皿汚いし、ブレブレですが、それもまた味ってことで。
サポートというかたちの愛が嬉しいです。素直に受け取って、大切なひとや届けたい気持ちのために、循環させてもらいますね。読んでくださったあなたに、幸ありますよう。