ありったけの声で

唄うことが、大好きだ。

実はずっと、みんなの前で唄うひと、になりたかった。

一度だけ、夢を叶えようと踏み出したことがある。

自分なりに努力して、万全の対策を練ったつもりで、決戦の場に足を踏み入れた。

集まった同じ夢を持つたくさんの才能溢れるひとたち。

ひと声聴いただけで格の違い、みたいなものを見せつけられた。

そして私は勝手に、あきらめた。

踏み出せてもいないのに。

思い切りこけてもいいから、道の先まで足がちぎれるまで走れば良かった。

いくじなしな自分を、都合の良い言葉でごまかした。

そんな私の物語。

いつか、ちゃんと描くことができるのかな。

私は今、唄うことをまたはじめた。

生まれてはじめて、唄うことをひとに教えてもらっている。

そのひとはいつも、とびきりの笑顔でいる。

声も、表情も、纏っている空気も、全てが輝いていて、ただただ見とれてしまう。

心の底から唄うことを楽しんでいるそのひとは、いつも心も身体も音に溢れて弾んでいて、あんな風でありたいと思わせてくれる。

身体ひとつで音を奏でる喜びを、もっと感じてみたい。

もっともっと、新しい自分に出逢いたい。

先回りして、諦めるのはもうやめたんだ。

これはレースじゃないし
そもそもゴールなんて無い

Everyday is new day

そういつだって、今の私が一番新しい。

明日も、ワクワクしながら新しい私に会いたい。

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☆INSPIRED BY☆

『いつまでも続くブルー』　yaiko