コープさんのメロンパン #神戸のメロンパン
さて今日は、Twitterで投稿したら皆さんがいろいろ反応くれて楽しかった『神戸のメロンパン』について書いてみます。
関東に引っ越ししてからしばらくして、メロンパンブームというのに出くわしたんですね。究極のメロンパン!とか、世界で二番目にうまいメロンパン!とか、いろんなあおり文句とともにあちこちにメロンパン屋さんができていき、今のタピブームや高級食パンブームみたいな感じで。
ま、粉もんビジネスというのは仕掛け人がいて独特の周期があるもので、「へー、関東の“いま“はそうなのねー」と遠巻きに見てたんですが、ふと「ん?メロンパンって全国区ではこれなん?ほな、あの白あんの入った、神戸で食べてた”うちの思てるメロンパン“は、いったいなんなん?」という疑問が。
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そう、みんながメロンパンと呼んでるブームのそれは、昔っからわたしの地元では『サンライズ』と呼ばれていました。
幼い頃「あのパンはなんでサンライズって言うの?」って当時パン屋で働いていたうちのオカンに聞いたら「朝日の形に似とうからサンライズらしいで。」やって。
正式にはサンライズのはずやのに、買いに来るおばちゃんたちはみんなサンライスって言うてた。いや、それはもう、米やん。対極やん。むちゃくちゃ。
オカンに「でもみんなサンライスって言うてるやん!なんで?」って食い下がったけど、「さあ、なんや知らんけどいつのまにかそうなったんちゃう?」と我関せず。
そやな、深くなんで?っていちいち思わへんのが、関西人のええとこやった。
気になって調べてみたら、当のサンライズの生みの親のパン屋ですら、回答がなんかあやふややった。さすが関西人(笑)
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で、そのメロンパンブームのさなかに、関東で出会ったいろんなひとにリサーチしてみたわけです。
ねえ、中にあんこが入ったラグビーボールみたいなメロンパンって知ってる?
一様にみんな、え?なにそれ??って反応。
そうか、やっぱり全国的にはメロンパンってサンライズのことなんや!
あのメロンパンは、神戸にしかないんや!
またひとつ知った、地方にしか存在しないものあるあるでした。
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神戸に帰ってきてスーパーをのぞいてみたら、やっぱりサンライズとメロンパンはちゃんと両立していて、パンコーナーに仲良く並んでる。
なんかほっとします。ありがとう、コープさん。
※神戸人はなぜかコープ(生協)に、さん付けします。あめちゃんとか、おいもさんとか、おかいさん(お粥のことね!)とかと一緒。なぜか擬人化する習性が。不思議!
ただ、コープさんには非常に申し訳ないけど、わたしの中でサンライズはパン屋さんで焼きたてを買うもの。パックに詰められた、しなっとしたサンライズは、どうも好きになれん。
上だけペロンとはがせるくらいカリッカリに焼きあがったクッキー生地と、ふわっふわのパンの部分との食感の違いを楽しめるのが、サンライズの醍醐味やもん。ごめんね、コープさん。
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パンひとつ買うにも、ここのパン屋ではサンライズ、食パンはあそこのパン屋で、ここはおかず系が美味しいパン屋、と種類ごとに使い分けるのが神戸のおばちゃんのすごいとこ。
「あんた、こないだ買うてきてくれたあのパン、おいしかったわぁー。」となったら、次から次へと「なーなー、あそこのパン知っとう?」と、伝言ゲームのように広がり、それは一気に周知の事実となるのだから侮れない。
下町のおばちゃんは特に、とにかく口コミパワーがものすごい。Twitterも真っ青。つぶやき、じゃなくてさえずり、って感じ。
ちょっと話題になったら、あっちからもこっちからも、あーでもないこーでもないとピーチクパーチク騒がしいから、知らん間に勝手に情報が入ってくる。
ただ恐いのは、インフルエンサーのボスおばに「あっこはあかんな!最近、味落ちたで」と言われたとたん、一気に客足が遠のくところ。アナログすぎる“おばツイ“は、個人の味覚というあやふやすぎる物差しに左右されてしまう危険性を常にはらんでいるのだ。
考えてみたらわたしの食への探求心は、この神戸の下町文化に多大な影響を受けているような気がするなぁ。
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神戸市の一世帯あたりのパン消費量は毎年、全国でもトップクラスなんだそう。
小さな街にパン屋が何軒も立ち並ぶのは見慣れた光景だし、パンの単価もとても安い。
数年前、しばらくぶりに神戸のパン屋さんに入った時、関東の価格に慣れてしまったわたしは、会計の際にレジで思わず打ち間違いちゃうかな?と目を疑ったことも。
たぶん関東のパン好きさんなら「このクオリティのパンが、この値段で!」って、興奮すること間違いなしよ。知らんけど。
流行りの高級食パンブームも、神戸のおばちゃんたちにはなかなか通用しない。
オープン時には行列ができても、各家庭にひと回りしたら一気に冷める。焼き上がり時間に合わせて行列を作りたい仕掛け人の思惑は見事に外れ、閑散とした店先で必死で試食のパンを配る若い女の子の作り笑顔が痛々しい。
だって昔から食パンといったら、それぞれの家庭で好みのパンの種類をお気に入りのパン屋に注文しといて、焼き上がりに合わせて取りに行くものやし。
神戸のおばちゃんからしたら、何をいまさら、っちゅう話やね。
「あんなたっかいたっかいパン、たいして味も変わらんもんを、あんな並んでまで買うひとの気がしれんわ!」
行列を尻目に堂々とディスるおばちゃんたちを何人見ただろう。
うん、あなたたちのそういうとこが、大好きよ。
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それで、回り道しすぎて(いつもの!)ようやくたどり着いたけど、わたしはコープさんのメロンパンをこのうえなく愛しているんです。
サンライズちゃうよ。メロンパンの方ね。
実はコープさんはいわゆる“神戸のメロンパン“の元祖らしく、『神戸ハイカラメロンパン』というブランドまで立ち上げてて、その熱量がすごい。
神戸でコープさんへ訪れる機会があったら、ぜひパン売り場をのぞいてみて。
わたしが特に気に入っているのは、メロンパンのミニってやつ。
これ!このちょうどいいサイズ感。2割引きシールはご愛嬌(笑)
4つ入ってて家族で仲良く分けれるし、朝ご飯にもおやつにもなる万能さよ。
気づいたら勝手にカゴに入ってる。え?いつのまに?
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ちなみに、昨日のマリナ珈琲のおともがこちら。
そのままでももちろん美味しいけど、トースターで2分ほど焼いて、チン♪となっても扉を開けずにしばらく放置しておきます。
珈琲を淹れ終わったタイミングで取り出せば、外はさっくり焼けて、中のあんがほんのり温かくトロッとなった最高のメロンパンが味わえる!薫り高い珈琲のベストパートナー♡
そして、発売元のコープさんのメロンパン愛はとにかくすごくって、ほら、見てー!
メロンパンだけで、こんなに種類がある!
ミルククリームてなんやねん。
メロンパンは、あんでしょう。白あん。
そんなんいうたらキャラメルあんもちょっとね、なんやねん。やけど。
食べたことないけど自分の思い込みでディスる、それが神戸人。
ほんで食べてみて美味しかったら、すぐ手の平返しするのも、神戸人。
だからこんなに種類が増えたんでしょうね。
コープさんも、大変やね。
今度機会があったら試してみます。ま、たぶん買わへんけど。
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いやー、また長く、長くなった、わたしの偏愛note。
お付き合いいただいた方、ホンマに、ありがとうございます。
さあて、明日は何を愛でようかな。
食いしん坊の毎日はこうしてつづく。