わたしを醸す日々~タダノワタシ日記⑥
天が高くなって、風が涼しくなって。
ひとがどんなにバタバタしていようが、振り回されていようが、季節はちゃんとぐるっと廻っていて。
そろそろ、金色の稲穂の海の彼方から、大切なお米が届くらしい。
そうやって天からの恵みをわけていただけること、つながるわっかの端っこにいさせてもらえることが、なによりも有難い。
ちょっと落ち着いてやっと、よばれやの報告とかお知らせとかじゃない、なんでもない自分のことをつらつらと書こうかな…って気になった。
タダノヒトミのタダノワタシ日記。おひさしぶりです。
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ここからまたずいぶん開いて。もう1年弱にもなるのか。
月日の廻りが早すぎて恐ろしい。
お味噌を通してつながれた環は、意外なかたちで広がって、なんとなく落ち着くところに落ち着いた、そんな気がしている。
お遍路は再開できておらず、ちっとも前に進んでいないけれど。
歩く途がどこだって、大切なことを心に留めて一歩ずつ進めばいいし、自分なりのお接待はどこでもできる。
いちまいごはんは、わたしにとって、いまここでできるお接待なのだ、きっと。人生という途の途中で出逢えた誰かと、一杯のお椀を差し出してお話をして、お互いにちいさななにかを受け取って、またそれぞれの途をゆく。その繰り返しが、いつか誰かにつながって、世界が彩りを増してゆく。
それをはじめに気づかせてくれた大切なひとに、『ありがとう』や『いまこんな気持ちでいるよ』って、わざわざことばにしなくても伝わっている気がして、なんだかそれが無性に嬉しかった。
感じていることが同じ温度で心に伝わって、同じ地球の上でそれぞれなすべきことをやれている、ってことが、とてつもない歓びとほんのひとさじの苦みをともなって、深い味わいとしてやってきた。
こうやってまた、ひとつ増えた感情のひだみたいなものとともに、醸されてゆく自分の味を知っていくんだなあ。
秋の雲を見ながら、そんなことを想った。
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忙しくめぐる日常は変わらないようで、確実にそのかたちを変えていて。
次の季節はどんな色になるんだろう。
わたしを取り戻したわたしの目に映る空は、いったいどんな風に彩られてゆくのか。
答えはこの目で確かめるしかなくて。
ぼうっとしていたら、あっという間に暮れてしまう。
毎日、目の前の空を見上げて、ただ見つめるだけ。
それだけだけど、それだけのことが、楽しみでしかたない。
さて、今日はどこまで出かけよう。
わたしはわたしと、旅に出る。
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旅のはじまりはこちら。
サポートというかたちの愛が嬉しいです。素直に受け取って、大切なひとや届けたい気持ちのために、循環させてもらいますね。読んでくださったあなたに、幸ありますよう。