ミュージックスクール2月発表会（アムステルダム）を終えて

ちょっと今回はネガティブ思考なので先に言っておきます。すみません。

毎年この時期にやってくるアムステルダムのミュージックスクールの発表会。これはもうスクールのスケジュールとして組まれているのでやらなければならず、次回はもう6月終わりくらいにやってきます。
年に2回って結構多くて、しかも夏休み前の最後の発表会はなんかグループでの演奏形態とか言われて、ピアノは連弾が精いっぱいなんですが連弾すらできるレベルでない子達はどうしたらいいのかわからないのでほとんど私が連弾で一緒に弾いてあげています。
でもさすがにここで4年教え続けてきたおかげか、私と一年目から一緒に始めた子で今だ続けている生徒たちはかなり弾けるようになってきて連弾もこなせるようになってきました。継続は力なり。

話は反れましたが、今回2月の発表会はグループではなく一人一人ソロでの演奏時間が取られているのでゆったりと皆沢山弾くことができます。

低年齢の子供は短いものを一人2～3曲、中学年からは長い曲になってくるので1曲などで時間調整や本人や家族の満足度を測っています。
が、まず一人2曲弾く予定でいたのに楽譜は一枚（コピー譜）だけ持ってきて、2曲目（教本）は持ってきてない（平気な顔＆ちょっとヘラついてる）と何も悪びれずやってきました。
日ごろのレッスンでもあまり態度が良くないのでもう今後真剣に教えるのも諦めました（笑）

もう一人、リハーサルで順番待ちしている間に1曲楽譜がないと私に訴えてきましたが、他の子のリハ中に必死にファイルの中を探して見つけたので事なきを得て本人は安心していました。
この姿勢が普通でしょ！
ちなみにですが、昨年までは私も楽譜をこちらで万が一を考えて持ってきて用意してあげていましたが、もう今年はそれをやるのをやめました。
楽譜がないなんて発表会なのに何をしにきているんだと言いたいですし、楽譜を忘れても先生が持っているからいいやという姿勢が今後も身についてしまうのはよくないと思い、あえてこちらは用意せず本人が困って嫌な思いをすればいいと思います。
こういうと色んな意見が集まりそうですが、将来的なことを見据えた時に本人が経験から学ぶ大事なことなので私は間違ったことはしていないと思っています。特に年齢が若い時ほど。
だって大人になって会社に入って今日プレゼンをするという時にプレゼンのための資料やツールを持っていかず、会社の誰かから借りればいいや、なんて無くないですか？

よくあるのはレッスンでも楽譜を「親が忘れたから」と親のせいにする子供たち。でも子供らは親を目の前にしてそれを言うので、このレッスンは誰のためのレッスンなのかを今一度問いただします。小さい子供でも容赦はしません＾＾
そうすると次回からちゃんと持ってきます笑

ちょっと面白かったエピソードも。
とっても笑顔がキュートで可愛らしい女の子がおりまして、心の中で天使ちゃんと呼んでいる生徒がいます。まつ毛も長くてぱっちりとした目で笑うと少女漫画みたいなお砂糖のような笑顔なんです。
天使ちゃんはレッスンでも生き生きとお話しもするしわからなければ質問もします。
基本明るい子です。
なのに。
発表会当日のリハーサルで天使ちゃん、めちゃくちゃちびまる子ちゃんのように顔に立て線が入ってて暗いんです笑
ちょっと！！天使ちゃん！！
どうしたん！！？？😂
まだ何も弾いてないのに・・・
何が彼女の中で起こっているのか全然わからないですが、すんごい暗くて天使の光が全部消えておりそのままリハーサルは終え残るは本番。

本番は一番最初で天使ちゃんの名前を呼ぶと、リハのダークエンジェルのまま顔に線が入ったままやってきました（笑）
緊張してたんでしょうかね。
リハよりも間違えが多くて本人もかなり動揺していましたが、短い曲なので2回繰り返すところを3回やってもらい、最後はなんとか綺麗にいったので終わりよければすべてよし。
あんまり納得してないようでしたが最初から暗かったので終わっても同じローテンションでお客さんにはあまり影響はありませんでした笑
あんまり落ち込まなでほしいなぁ…
ちなみに集合写真でも暗い天使のままでした🤣

他の子もそうですが、だいたいレッスンでの態度や姿勢が本番にモロに出るんですね。例えば天使ちゃんの例だとレッスンでもだいたい同じところを間違えていて、そこを次回までに練習して直せるよう言っても翌週まだ間違えているとか、もう一人発表会前のレッスンではなんとなくきちんと弾けていたのに本番ボロボロになってしまった子がいて、その子はレッスン中おしゃべりが多かったり私の注意とかもピアノを触りながら聞いてて全然人の話を聞いておらず、結果本番でも集中力が散漫になり、弾く位置すらも頭から飛んでしまってどこで弾いたら分からないという問題が発生しました。
だから逆に普段のレッスンでも集中している子たちはやはり本番でもミスをしなかったり、ミスをしてもすぐに立ち直れたりと集中力がモノ言いました。

ミスは全然いいと思います。
むしろ本番はそういうものだということを経験することは大事。
いい緊張感を保ちつつ集中してノーミスで行くのはかなりいい方向。
でも私が一番重視するのはミスではなく
・昨年できなかったことができるようになっているか
・レッスンで言われたこと、自分で表現したいものができたか
・自分の力１００％出し切れたか
などの成長です。音楽って己との向き合いと闘いなので、○○ちゃんの方が上手いとかどうでもいいこと。それよりも昨年の自分と比べて何が成長できているのかを本人も両親も気が付いたかどうか。
子供の一年はあっという間です。
教えていると物凄く実感するのでどんどんと吸収する子には挑戦もさせます。

最後にネガティブすぎるハプニングが・・・
日本だったら絶対ないのだろうけど、まさかの発表会当日来なかった生徒がいるんです。
プログラムもこちらは作ってたし当日弾くものと思って本人とレッスンで頑張ってきました。
でも当日現れなかった。
なんで？
スクールの関係者も親に連絡を取ってみるも応答なし。
むしろ家族や本人に何かあったのではとちょっと心配もしましたが、発表会と同じ週の別日にその生徒の父親がレッスンをしているのを見かけました。
そう、父親は同じスクールのピアノ講師なんです！！！
だったら普通娘の発表会を忘れるはずが１００％ないし、仮に娘が当日になって弾きたくなくなったとか何かしらの予定が入ったら連絡しませんか？
あーーーーーもうなんなのこの親子！！
・・・と一週間待ってもなにも音沙汰がこちらになかったのでブチ切れてこちらが思っていることを（丁寧に）全てメッセージに込めました＾＾
この生徒さん15歳という良い年齢でモーツァルトのソナタとか弾けるようなレベルだけど、なんだかレッスン中いつも自分が上手く弾けなくてイライラしてて、私もレッスンがやりづらいんです。
上手くいかないのわかるよ？
そういうの自分だって経験してる。
でもですね。オランダ語のスラングで暴言を吐いたり（できない自分に対して）、間違えたら弾くのをあきらめたりして鍵盤を叩いたりと彼女の音楽が楽しくないんです。だからレッスン中も散々「あきらめないでほしい、凄く今上手くいってたし綺麗だったからもったいないよ、こういうイメージはどう？」など弾いてあげたりアドバイスや暴言の忠告もしてきましたが、発表会当日ドタキャン連絡なしにはもうさすがに忍耐の限界がきてしまいました。

ネガティブ感想になってしまいましたが、発表会自体は2日間どちらも楽しく上手くいって成功と言えるでしょう。私自身もショパンの3つのエチュードから2番を弾き、演奏前に左手が2拍子で右手が3拍子のリズムのミニ講座をやり、聴くのと弾くのは実際どれだけ違うかを全員に体感してもらいました。子供たちは普段リズム練習をしているので果敢に挑戦してたのが可愛かったです。演奏後も生徒たちが寄って来て「なんであんなにワ――って沢山弾けるのーーー」というので「30年以上ずっと練習してるからね（毎日）」と返しました（笑）
いつものことですが、生徒の親からもどれだけ練習したらあなたのように弾けるようになりますか？と聞かれますが、絶対毎日欠かさず練習して私の年齢まで続けることですかね（笑）、と言ってます。
結局最後は練習しかないんです。
どんなに練習しても本番で間違える。
でも練習したからその間違える程度をコントロールできる、それが練習なんです。死ぬほど練習するのはミスをしないようにではなく、ミスの回避をいかにうまくできるか、と私は考えます。
今回の発表会、まさにそれが顕著に生徒たちの間に出た気がします。

毎回生徒たちに手作り花束を渡すのですがこれが結構子供らには喜ばれてるので20本とか大変だけど一人一人のことを思いながら作ってます。

水曜日クラスの分
月曜日クラスのは色違いで作りましたが
写真撮るの忘れたー

生徒の中にはチョコや花束返しでお礼を渡してくれる子もいて嬉しいです。こういうのってオランダは本当に各家庭全然違うので発表会でよくわかって面白いです。
私と一緒にピアノの前で写真を撮りたい親子もいれば、私が隣にいるのに子供とピアノの写真に夢中になって私は邪魔になるなと横に避けたり笑、挨拶すらもしないでさっさといなくなる親子など本当に様々です。
私は発表会が終わったらとりあえず本人の感想やちょっとした挨拶は欲しいなと思ってます。それがお互いのマナーだと思うんで。
こっちの子達はハグでお礼を表現してくれたるのでそれもとても嬉しい☺️🥰

長くなりました。
ここまでほぼ愚痴のお付き合いいただきありがとうございます♪😆
5月はみーみー個人の生徒達の発表会
6月は北のミュージックスクールの発表会
6月終わりか7月はまたこのアムステルダムのスクールの発表会
が待っています……😶