化学メーカーのDX戦略
どうも。こんにちは。
ケミカルエンジニアのこーしです。
前回のnoteから2ヶ月も空いてしまいました。。
色々と調べ物をしていたのですが、このアカウントで発信できる内容ではなかったので、なかなか情報発信できませんでした。
今回調べた情報も、復習・考察する意味で、別のアカウントを作り、情報発信するのも面白いかもしれません。
自分だけの興味なのか、それとも自分以外の人も関心を寄せてくれるのか、とても気になります。
また、文章にするということは自分の理解度(距離)を測ることでもあるので、情報発信はとても大事ですね。
1.所感(未来を予測する技術)
最近、化学業界の新事業やDX(CX:コーポレートトランスフォーメーション)を考える上で、「未来を予測する技術」について考えています。
特に、データサイエンスを勉強する身として、無視できないのは「2025年にシンギュラリティ(技術特異点)がやってくる」という説です。
AIが人間の知能を超えて、社会構造を一変させる。
それが、来年2025年に起こるかもしれないということです。
また、奇しくも同じ2025年(7月5日)に、フィリピン沖に隕石が落下し、大災害が起こるという予言が出てきているようです。
ノストラダムスの大予言など、数多くの予言が外れてきたので、おびえる必要はないと思いますが、こういった予言は、人々の深層心理を反映しているのかもしれませんね。
人口増加も経済成長も見込めない状況で、急速なデジタル化、AIの進化に直面し、「人としてどう生きるべきか」を模索している人が多いようです。
よって、人々の潜在意識(や集合意識)は、なにか「大きな変化」を感じたり、あるいは大きな変化を求めているのかもしれません。
恐怖を煽って何十万回と再生数を伸ばす予言動画の戦略は、あまり感心しませんが、人々の潜在意識や集合意識を学ぶという視点では面白いなと思います。
2.気になるニュース
(1)三菱ケミカル ギルソン社長の解任
他社から外国人経営者を招き、本気で改革をするつもりなんだと個人的に評価していましたが、思ったように改革が進まず解任に至ったようです。
ギルソン社長の解任ニュースの後、株価が暴落したので、市場の反応も私と同じだったようです。
次期社長の筑本さんは、経営学部卒なので経営のプロだと思います。
ぜひ頑張ってもらいたいですね。
総合職とはいえ、研究や設計開発、製造に携わった技術系の人材が、経営の勉強や実践を積まずに社長になる会社も多いですが、それは特殊例に留めておくべきです(技術も経営もできるスーパーマンが理想ですが、そんな簡単には現れないでしょう)。
信越化学の金川 千尋元会長も、三井物産から中途で入ってきてずっと経営に携わってきました。
技術の会社といえども、経営は経営のプロの任せるべきではないかと考えています。
2)住友化学「創業以来の危機的状況」
また、化学業界を騒がせているのは、大手化学メーカーである住友化学の経営不振です。
石油化学系、医薬品、メチオニン(鶏飼料添加物)の3事業が大きく足を引っ張っている状況です。
石油化学は、市況の悪化に加えて大型投資の失敗があり、医薬品では「特許の崖(パテントクリフ)」に直面しています。
「脱炭素」の潮流から、各社は石油化学事業の縮小、高付加価値品への転換を模索しているなか、住友化学はまさかの大型投資を実施していました。
大量生産、大量消費で、環境をぶち壊しながら発展するビジネスモデルは、もう上手く行く気がしません。
経営者の「未来を予測する力」が問われているのだと思います。
医薬品事業は、稼ぎ頭(ラツーダ)の特許切れまでの間に魅力的な新薬を開発できなかったという状況のようです。
期待の星に見えた医薬品事業は、時限爆弾を抱えた非常にリスキーな事業だったのですね。
今後の住友化学は、事業を再編し、コンパクトな形にならざるを得ないと思います。
三菱ケミカルも事業の切り離し(カーブアウト)を行っていますし、化学業界も大きな変化が起こる予感がしますね。
3.データサイエンス勉強記録
(1)スモールデータ解析と機械学習
実務でソフトセンサー(回帰分析)に取り組んでおり、久々に再読してみました(1〜4章)
統計検定1級の勉強では、いわゆる「多変量解析(機械学習)」には全然触れてなかったので、別の学問のような気がします。。
特に、多変量解析(機械学習)は「線形代数」が主役ですので、線形代数の復習をしないといけないですね(特異値分解やレイリー商など)。
本書は、主成分分析(PCA)や部分的最小二乗回帰(PLS)の解説がとても詳しく、とても重宝しています。
また、変数選択の解説も豊富なので、実務で色々と試してみたいと思います!
掲載されている変数選択手法
ステップワイズ法(F値、AIC、BIC)
LASSO
PLS-beta(標準回帰係数の絶対値の大きさ)
PLS-VIP
NCSC-VS
ソフトセンサーを構築する上で、「なぜ予測精度が上がらないのか」を深く考察する必要があります。
その際に有用なのが、「残差分析」だと考えています。
残差分析については、「統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック」で少し学びましたが、より詳しく書かれている「回帰分析」という教科書を読んでみようかなと考えています。
(2)【2023年度版】化学メーカーのDX戦略
1ヶ月ぶりにブログを更新しました。
化学メーカーのDX戦略についてまとめています。
DXという用語が浸透してきましたが、「DXのビジョン」が一体何なのかわかりにくかったり、「具体的な施策」があいまいだったりします。
そこで、化学業界のなかで特にDXに力を入れている3社(三菱ケミカル、三井化学、旭化成)を抜粋し、DX戦略を比較してみました。
3社に共通する戦略は下記の通りです。
ビジネスモデルの転換(モノ売りからコト売りへ)
マーケティング(情報発信・顧客志向)
AIの活用(マテリアルズ・インフォマティクス、スマートファクトリー)
上記のように、幅広い分野でのDX戦略に触れてますので、次は「スマートファクトリー」に特化してDX戦略について記事にまとめてみようと思います!!
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