親知らずを全身麻酔で抜歯した話その4

いよいよ手術当日です。前日に開始時間は正午を予定してるけど、順番が繰り上がるかもしれないと言われていました。朝は手術前という事で朝食は無く、昨日の夕方から水を2lくらい飲んでおいてくれと医師からは言われていて、結構飲んだような気がするんですけど500mlも飲んでなかったです。(絶対というわけじゃなくてできれば、という程度でしたけど。)

朝食も無いのでやる事もなくブラブラしていると、10時くらいに看護師さんからやっぱり手術時間が早まりましたので準備お願いしますと連絡がありました。手術は全身麻酔で行うので痛みはありませんと聞いていたので緊張とかは無かったんですが、いざ着替えて手術室に向かうと徐々に緊張が始まります。というのも手術室を含むオペレーションフロアというのがハリウッドのホラー映画に出てくるようなかなり殺風景な環境で、ゲームならバイオハザードにありそうな感じなんですよ。空気もなんだか寒いというか、無機質な感じなんです。

オペレーションフロアに入るとまずは該当人物かどうかの確認があります。Hiro.C 男、年齢4x歳ですと名乗った後に病室で予めつけてもらったタグで認証をかけます。ここら辺はしっかりしてますね。認証が終ったら手術用のシャンプーハットみたいな帽を渡されてこれ被ってくださいと言われます。そういえばこれERとかで見たよな・・・ベントン先生・・・等と昔の記憶がさっと脳裏をよぎります。

で、いよいよ手術準備です。これもドラマでよくあるような手術台に「はい、乗ってください」と言われて始まります。傍らに麻酔医の方がいて、心電図をモニタリングしてもらってます。これつけてくださいと呼吸マスクを渡されたんですが、あれってスキマ開いてても全然大丈夫らしいです。なんかきっちり固定しないといけないのかなと思ってたので意外でした。そして最後に麻酔が入っていく点滴を固定して準備完了です。前に知り合いの方で全身麻酔の経験者だった方の話を聞いた事があるのですが、「徐々に麻酔が効いている事が認識できるが、いきなり落ちる(眠るのではなく気絶)」と伺っていました。私の場合もそうかなーと思ったんですが、看護師さんの「HiroCさーん、麻酔入ってますからねー徐々に意識がなくなっていきますよ~」という声を聞きながら、あっきたきた、これが麻酔がかかる感覚か~と思っていた矢先に意識がスッとなくなります。

パソコンのWindowsUP DateをかけてOS再起動させた時みたいに、Windowsを更新します・・・20%・・・30%・・・再起動(100%までいかない)・・って感じで意識が飛びます。そして次の瞬間、これもドラマとかアニメでよくあるように目の前が一瞬真っ暗で、誰かが呼んでる声で目が覚めました。そしてなんだか聞こえてくるガラガラガラ・・・という車輪の音、そう、手術が無事終わり部屋に私は運ばれているのです。看護師さんが何か、「手術無事終わりましたからねー」という事を言っていたような気がするんですが、まだ麻酔が切れていないのかよく聞き取れません。病室にたどり着き、ベッドに収まった私が最初に目にしたのは瓶に入って3分割された、私の親知らずでした。

その5へつづく。

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