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Sophie Renoir展〜Regards~

女優であり、そして写真家、そしてフランスの誇る印象派の巨匠ピエール・ルノワールの曾孫であるSophieの写真展が東京・銀座で開催された。縁あってトークショーに参加することが出来、彼女の写真に対する思い入れが強烈なインパクトを僕の芸術魂に与えてくれたので、ここに記しておこうと思う。
幼い頃から折に触れて日常風景の一コマ一コマを父親であり映画監督であるクロード・ルノワール(『007/私を愛したスパイ』の撮影監督としても有名)と共に芸術的視点から見てきたという。特に印象深いのは美術館を訪れる時。展覧会などがあると、クロードはソフィーに「作品は1つ、もしくは2つだけ見れば良い。それ以上見たら印象に残らなくなるから。」と教えられ彼女は今も美術館や展覧会に訪れる時はそうしているという。

「光と影」…ソフィーはモノクロ写真が好きだという。展示された作品の中には幾つかのモノクロの作品もあった。単色のみで表現される世界が彼女は好きなんだそうだ。撮影に対するストイックな姿勢からも窺える。チャンスが来るまで只管待つ。雲の動き、人の動き、水の動き…その瞬間は絶対的なもの。その前でも後ろでもない、彼女が頭の中に描いた瞬間とファインダーの中の一コマがシンクロするまでそれは続くのだ。

「水」…水は決して一つのところに留まらない。留まれば腐り、循環しない。それ故に彼女は水に興味を示す。同じプールを撮影した写真が2枚あった。しかし捉えるもの、ターゲットによって全く別の写真になる。太陽の光と映し出された影、風が織りなす波、その3つがシンクロした時に奇跡は起きるのだと思う。

幸運なことに彼女とInstagramで相互フォローして頂いた。ストーリーの投稿数は半端ない。彼女にとって日常のあらゆることが発見で驚きでそれらが一コマづつに区切られて流れていく。きっとその中にまた彼女の新しいチェレンジがあるに違いない。

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