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偉大な才能へのトリビュート〜2021年に旅立ったアーティストへ捧ぐ

今年は内外の多くのJAZZ、フュージョン、ロック界のレジェンド達が天に旅立った年でもあります。でも彼らの作品はいまも色褪せる事なく私達に元気を与え続けてくれています。決して悲観にくれることなく、この素晴らしい作品を一緒に楽しみながら年末の一夜を過ごそう!というコンセプトで今年度最後の音楽ルームを開催しました。今回は逝去された日に沿って紹介していきたいと思います。それではいってみましょう!

<1月>
1/16    フィル・スペクター  81歳  プロデューサー
  ザ・ロネッツ  Sleigh ride
アメリカの名音楽プロデューサー。ザ・ロネッツの「Be my baby」やビートルズの「Let it be」始めビートルズメンバーのソロ作品など多くを手掛けました。「ウォール・オブ・サウンド」という壁に囲まれた空間での一発録りに定評があったけど、2003年に殺人容疑で逮捕、収監。皮肉にも自身が壁の向こうに追いやれた晩年となりました。

<2月>
2/9       チック・コリア  79歳  ピアニスト
    Return To Forever   500miles high
JAZZ・フュージョン界のレジェンド、チックコリア。上原ひろみ、小曽根真を音楽業界へ誘いたことで日本人にも馴染みがあると思います。Fenderローズ(エレクトリックピアノ)の独特な音色もトレードマークになっています。「スペイン」などのスタンダードナンバーはこれからも演奏し続けられることでしょう。ライブ中に他の人がアドリブをしている最中にステージをうろうろするお茶目な姿が忘れられません。

<3月>
3/9     村上ポンタ秀一  70歳  ドラマー
  Ready to fly (with 高中正義)
JAZZ、フュージョン、J -POPと幅広く活躍され、そのプレイスタイルは「和製スティーヴガッド」、音の空間でのバランスを非常に大切にしたプレイです(キヨシ談)。この高中との共演ライブ音源は、ややスローなテンポで演奏されていますがこれもグルーヴを大切にした彼ならの拘りかもしれません。因みにこの曲でサックスを吹かれている土岐英史さんも今年、逝去されました。

3/28     和田アキラ  64歳  ギタリスト  
プリズム  Humming Frogs
永遠のギター少年、和田アキラ。ポンタさんが和製スティーヴガッドなら彼は「和製アラン・ホールズワース」その流れるようなレガートプレイは70年代にはエレキギターのテレビCMなどでもその技を披露していました。
ピアニストの松岡直也さんとも長く共演されていましたね。Humming Frogsの初収録はソロ名義のアルバム「Out & About」のオープニングナンバーでしたが最新のプリズムのベスト盤(リテイク)ではアルバム最後に収録されており、その2つを比較してみるのも面白いです。

<4月>
4/ ?    数原 晋  74歳  トランぺッター 
金曜ロードショーのオープニングテーマ
耳に馴染んでいるこの音、トランペッターの数原さんの演奏です。他にも必殺仕置人始めドラマ、アニメ、映画(ジブリ映画など多数)で活躍されました。

4/20    レスリー・マッコーエン  65歳 ボーカリスト 
ベイシティローラーズ  I only want to be with you
BCRのフロントマン、レスリー。日本など限られた地域でのヒットでしたがポップでキャチーなメロディのセンスは流石です。日本でのタータンチェックブームはまさに当時の社会現象。今だったら流行語大賞にエントリーしたことでしょう。

4/26      和泉宏隆  62歳 
exT-SQUARE  宝島
オリジナルメンバーではないものの久米大作さんの後を受けて長くT-AQUAREで活動されました。「宝島」はそんな彼の代表作、テレビやラジオのオープニングテーマなどで大活躍でしたね。F1のテーマなど時代を駆け抜けたT-SQUAREもギターの安藤正容さんの引退で伊藤たけしのソロプロジェクトになってしまいました。

<5月>
5/29    BJトーマス  78歳
  雨にぬれても
映画「明日に向かって撃て」のテーマ曲。替え歌や色々なバージョンでCMなどでお馴染みでした。ほのぼのとした中でも前向きになれる歌詞がとっても素敵なナンバーです。

5/30    小林  亜星  88歳  作曲家 
日立の樹
意外にも彼が逝去されたのを知らなかった人も複数いらっしゃいましたね。「ひみつのアッコちゃん」、「ガッチャマンのテーマ」などアニメ主題歌、また「ピンポンパン体操」などたくさんの名曲を残しました。70年代は俳優として「寺内貫太郎一家」などでも活躍しました。

<6月>
6/18    寺内タケシ  82歳
  寺内タケシとブルージーンズ  新節津軽じょんがら節
60年代に日本で一大エレキギターブームが起きましたが、その立役者といっても過言ではありません。当時はベンチャーズに代表されるサーフミュージックに限定したブームでしたが、この津軽じょんがら節は「エレキギター=不良」という当時のレッテルに対して日本文化との融合により文化として定着させようとした意気込みが感じられます。

<7月>
7/14    ジェフ・ラバー  58歳  
シンデレラ  Long Cold Winter
シンデレラは東海岸のヘビィメタル、ハードロック系の、どちらかと言えばビジュアル重視のバンドでキャッチーな曲が多いのですが、このLomg Cold Winterは彼らのブルースへの啓蒙を改めて示した意欲作とも言えます。所謂コテコテの「どブルース」(笑)です。

<8月>
8/24    チャーリー・ワッツ  80歳 
ザ・ローリング・ストーンズ  悪魔を憐れむ歌
幾つになってもダンディでスタイリッシュなその容姿、ストーンズの重鎮チャーリーも今年天国へ。この悪魔を憐れむ歌はライブでもよく演奏され、その独特なグルーヴが彼の音楽に対する造詣の深さが感じられるナンバーです。

<10月>
10/11  デオン・エスタス  65歳 
ワム!ベーシスト  クラブトロピカーナ
ちょっと奇抜なイントロから始まるワム!のヒットナンバー。デオン・エスタスのソウルフルなベースが引き立つナンバーです。ワム!としてはジョージマイケルがカヴァーした「Somebody to Love」が絶品だったという話から2016年のクリスマスに逝去したジョージの死を惜しむ声も聞かれました。

<11月>
11/1    パット・マルティーノ  ギタリスト
  Blue Bossa
このルームでは3回目の登場となるパットマルティーノ。スタンダードナンバーの演奏ですが、アグレッシヴなギターソロが堪能出来ます。記憶喪失など紆余曲折の人生もようやくゴールですね。お疲れ様でした。彼のプレイスタイル、大好きです。

11/8    菅沼孝三  62歳  ドラマー 
RED ZONE-DP
仇名は「手数王」、その名の通り目にも止まらぬ高速でキレのあるドラミングは凄まじかった。直弟子とも言える川口千里ちゃん初め、多くの日本人ドラマーに多大な影響を与え続けてきました。ラウドネスの二井原実をボーカルにフィーチャーしたデッドチャップリンやジャズギタリスト矢掘孝一氏とのフィラジャイル、その他、多くのセッションやアーティストサポートで活躍されました。この曲は彼のアグレッシヴなプレイが思う存分に詰まった作品です。

<12月>
12/8   ロビーシェイクスピア ベーシスト 68歳
スライ&ロビー Mona Lisa
このルームが始まる3日前に入った訃報。ジャマイカなどレゲエスタイルの草分けとも言えるロビーのベースプレイ。渡辺香津美や西慎嗣といった日本人ギタリストとの交流して作品を残しています。(音源が手に入らず紹介出来なくて残念)

12/10  マイク・ネスミス ギタリスト&ボーカリスト 78歳
モンキーズ デイドリーム・ビリーバー
そしてルームの当日に入ってきたマイクの訃報、ビートルズの亜流とも言えるアイドル路線ではありますが、キャッチーな良い曲に恵まれました。このデイドリーム・ビリーバーは忌野清志郎のカヴァーでも有名ですね。

というわけで9月から始めた「Music Casket~音楽小箱」も数えてみると今回で8回。手探りで始めたルームですが、共同モデレーターのキヨシ氏初め、いつもお越しくださる皆さんのお陰でいろんな刺激を受けた3ヶ月でした。本当に有難うございました。来年も宜しくお願いします。

上記のプレイリストはこちら。
https://music.amazon.co.jp/user-playlists/42794416cce946edab634f19d46818a4jajp?ref=dm_sh_6c1a-2190-9cee-4e61-0dfa3

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