拝啓、今日お誕生日を迎えたテヒョンさんへ お誕生日おめでとうございます! お元気ですか? お変わりありませんか? 私はこんなふうに、きみの様子を気軽に、なんとなく、なんでもなく聞きたい日がたくさん、本当にたくさんあります。 夏でも冬でも 外でも家の中でも 変わらずサンダルを履く。歩くとご機嫌になる親指の持ち主。歩くとき 指の先まで力を入れている、かわいい。そう、このひとは本当にかわいいのである。それがたとえ、足の指であっても、さらには毛の1本まで、まるごとかわいい。漢字で
ある日、月に長い 長い 手紙を書いた 1番好きな曲の、1番好きな歌詞 今日は満月なんだって 気温はちょうど4℃ 公園のベンチに座る 今日は秋が終わる前に 月が綺麗な日に 会いに来た 綺麗な人 きみは小さなろうそくを灯したけど 私はいいや きみが元気なだけで いつもより明るかったから 吐く息が白くなって 足元が赤みを帯びて 手袋が欲しくなると もうすぐきみの誕生日 私の冬は、きみが呼んでくる 前よりずっと、季節の足音が聞こえる 耳がよくなったみたいで嬉しくなる 1年
タイトルを見てなんだなんだ、と 思った人も少しは居るだろうか 私もなんだなんだ、と思っている 正確に言えば「多分」彼女ができた話だ その多分というのも 勘ではあるが 多分、本当に彼女ができたんだと思う 別れてからもう1年経つ 今日で大体1年 未練はと言われればないが もし別れない方法があったならとは時々考える それを未練というなら未練があるんだろう 何故「多分」であるのに「本当」だと言い張るのか 根拠も無く 直感ではないだろうか それでも私は所謂その 元彼と 2年半、
「オバケっていると思う?」 この質問は22年生きて 多分「あなたの生きる意味って何?」より聞かれる質問だ、諸説はない 実際のところ、私はオバケを信じている ちょっと違うか 証明できない何かをすべてオバケのせいにしている、 の方が正しいのかもしれない 要するにオバケっていうのは得体の知れない 怖いものの総称なんだと思う 私がオバケを怖い理由はほとんどのところ その得体の知れなさにある なんだか物音のする家の中で その正体が分からなければ結局のところ 何かのせい、その何
美味しい食べ物を食べた 最高級だ これまで食べたものが全部 優等生みたいに1歩、後ろに下がる、 美味しかったから 最高だから 消費 1度知ったその味を もう一度だって食べたい 最高だから じゃあ今まで食べてたものは もう要らない? 消費 足場がふらつく 急に得た浮力 最高を決めるのは誰 他人?自分? いつ来るかわからないその最高は 最も高いというその文字通り、 気付いたら1番高いところに居るみたい でも本当は気付いてる 振り返ったら見えるその高さを 自分が1
500円って、私は好き 硬貨の中で1番大きくて、金色なのも好き ワンコインってちょうどいい そんな意味だと思う、だから好き 休みの日、私は500円玉だけを 小さな財布に入れて外に出る 休みの日に500円玉がある時だけする ちょっとした楽しみみたいなものだ 今日は500円玉と、友達が勧めてくれた本と 誰かへ宛てた手紙と、ケータイとイヤホン それが入るだけのカバンを持って出かけた 靴はConverseを履く 真っ赤ではないけれど、気に入っている 足元を見る度にチラつく星が
19歳 大学生になって初めての誕生日 私は服と遊びに使うお金で出費がかさんでいた 20歳 つい先日始めたバイトの初出勤 誕生日に被ってしまった、少し悲しい 断れない賄いとそれを知らない彼氏の手作り料理 私はお腹がいっぱいだった 21歳 呆気なく迎えた 特に何があっただろうか、悲しかった20歳の誕生日の方が 幾分かマシだったのかもしれない 自転車に乗りながら思い出した記憶は 次の日必要だった防護メガネを買って気分が良くなって そのままコンビニに行ってしまったことくらい
いつから会えないのが当たり前になったのか いつから存在すらも疑うようになったのか いつから、いつから 知らない間に、気付かない間に たくさんのものが見えなくなって 私の前から、彼らの前から姿を消した 元々形のないものは、 形のある人間が手探りに 確かめながら大事にしていた 信頼 愛情 心 どれも目には見えなかったものたち 目に見えないものは 前よりずっとずっと見えなくなった、矛盾だ 人との繋がりはあっという間に、 瞬きの合間に離れていった あんなになければなら
テヒョンさん、お誕生日おめでとう ずっと言いたかった言葉だよ、本当に待ち遠しかった いつもは140文字に想いを込めて 思うままにあなたへの気持ちを呟いているけれど 今日は大切なあなたのお誕生日だから少しだけ、いつもより言葉にしてみようと思う もう一度言うね、テヒョンさん お誕生日おめでとう 届かないお手紙を書いているような そんな不思議な気持ち だからこれは私の独り言だと思って ドキドキするこの気持ちを書けたらいいな 私はずっと、あなたみたいになりたかった 初めて見