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「音楽が好き」とはじめて口にできそうな気がしたライブ。

はじめてライブハウスに行って、バンドのライブを観た。

入り口でチケットを見せて、地下に続く階段を降りるときにはもう演奏がはじまっていて、早く見たい!という気持ちが高ぶった。重いドアを開けたら、物語の世界に入りこんだみたいだった。うわーって思った。なんかもう、いいなぁと感じた。歌っている男の子たちが羨ましいとも感じた。

バンドの演奏を聴きながら、となりで音に合わせてからだを勢いよく揺らす男の子からいい匂いがしたり、最前列に並ぶ女の子たちの揺れ方がそれぞれ違くて、この子の揺れ方はかわいいなぁ、わたしも今度真似してみようかなぁと思ったり、ときどきそんなことも頭に浮かんだ。

わたしがライブに行ったのは、そのライブに出ている人と知り合って、「バンドやってる」って聞いて、そのバンドの曲を流し聴きして、なんとなくいいなぁと感じたから。最近、ハンドパンという楽器を買ったり、アンビエントミュージックという類の音楽に惹かれたり、選曲(DJ?)イベントに行ったりして、「音楽」に興味を持ちはじめているという理由もある。

実際にライブに行ってみて、はじめて「わたしは音楽が好きだな」と言えそうだと思った。今まで、「音楽が好き」と口にするほど、「音楽」というもの、「音」に惹かれるという意識はなかったけど、なんか音楽好きだなと思えた。それがわたしはうれしいと感じた。

そしてやっぱり生身の人間が、目の前にいることでいろんなことを感じとれて、それもよかった。

曲と曲のあいだに、ジッと最前列の女の子たちに見られている中、手持ちぶさたな様子で、うつむくベースの男の子のすこし恥じらいを感じとれるような表情とか

歌ってるときは怖いものなしみたいなかっこいいボーカルの男の子が、話し出したらすごく優しい感じで、みんなに語りかける様子とか

ひとりひとりの人間味が感じ取れて、もう癖になってしまいそうな感じがした。Khakiもユレニワもかっこよかったな~。一緒に行った友だちは、「Khakiは一人ひとりが職人みたいで、ユレニワからはエンタメ性を感じた」と言っていた。なるほど。

でも、なんか観ているだけじゃ悔しいから、わたしはわたしの人生に集中したいとも思った。

わたしも物語みたいな人生を歩みたい。歩んでいこー。


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