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からだとことばで世界は広がっていく

ベルリンで4日間の舞踏のクラスに参加した。正直、ほんとに悔しかったというか、残念だった。もちろん、クラスの内容自体は楽しかった。時間をかけて日常から離れて、すでにある自分の流れに身をまかせたり、何かに変容した。ほかの人の身体や表情を見て、美しいと感じたり、おもしろいと感じたり。
 
日常生活では求められない、むしろ排除されるような表現をして、ほんとにおもしろかった。

ほほえむ仏陀になったり、
野獣になったり、
虫を見つけて警戒したり、
マグマになって、何かを貪り食って、
よろこんだり。
 
自分自身がそういう表現をすること自体も楽しいけど、ほかの人がそれになりきって表現しているのを見るのもすごくおもしろかった。
 
いろんな方向からいろんなことを感じた。
 
好きな人といるとき、私は安心感に抱かれて、もうなにもできなくなってしまうように思う。
 
踊りのクラスにいるときは、いろんな感情がある。楽しさ、戸惑い、悔しさ、孤独、、心が開かれれば開かれるほどいろいろなことを感じて、でもその場では疲労感もあるから苦痛は紛れる。でも、やっぱり終わったあとに悲しくなった。
 
特に今回は、ほとんどほかの参加者の子たちと話せなかった。自分の心のハードルのせいだというのはわかっていて、話しかければ、それなりに話せたのかもしれない。
 
ドイツ語のほうが語彙はまだ少ないけど、とっさに出てくるのはドイツ語で、でも、話しはじめると語彙が足りず、英語で補うことになって、かといって英語もそこまで話せるわけでもなく、話す中で徐々に語彙や表現の必要性を身をもって感じて、補っていくしかないんだなぁと。ほんとうに必要に迫られないと、必然性がないと動けないと感じるし、でも逆にそういう必要を迫られる環境にいるからこそ、おのずから苦しみつつも学びとっていけるんだなぁとひしひしと感じる。
 
今まで見えなかった世界が自分の身体を通して見えるようになることにおもしろさを感じる。だから特に舞踏は魅力的だと思う。そして、身体によって自分の世界が広がっていくように言葉によっても世界は広がっていくことを同時に感じる。それをもっと実感として感じたい。

I find it interesting to be able to see the world through my body, which I couldn’t feel before. So, particularly Butoh is fascinating. I feel just as physical movement expands my own world, and words also expands my world. I want to feel it more as a real experience.

――――――
ちなみに今回クラスを受けた舞踏のダンサー・コレオグラファーの吉岡由美子さんはすでに60近いけど、めちゃくちゃパワフルで、ついていくのが大変だった…!決して安い参加費ではなかったけど、定員32人満員でベルリン以外からクラスを受けに来ている人も多かった。参加者が多く、かつ外国人の人の名前ってなかなか覚えるのが難しいにも関わらず彼女は一人ひとりの名前を覚えようとして名指しで呼んでいて、彼女の人柄がまた人を惹きつけているのだと感じた。

日本でも3月に伊勢でクラスやるらしいです~
Wild Art YESE! | Residency for creative people & Institute for Butoh and Performance Art


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