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気に入った『人間失格』

『人間失格』太宰治(朝陽堂)
2021年8月28日〜30日
★★★★

結構気に入ったからこれからもあと三回くらいは読むと思う。

読みやすかったのは、没入できる書き方だったからだと思う。葉蔵の考えていることは、少しはわかるけどこういう男の人と腹を割って話せたら楽しいだろうけど、深く関わりたいとは思わなかった。私はきっと彼の偽り、演技を見抜ける気がした。

太宰治の作品、初めて読んだ。著者に対して暗いイメージを持ってたけど、たぶんこの作品はやるせない、誰も信じられない恐怖感を含んだ著者の本心をフィクションに乗せて示したんだろうなと思った。

28歳の時に水上温泉で、同棲相手と心中自殺をしようとしたけど失敗したエピソードは、私が旅行中、水上に泊まっていたことと繋がっていたし、作中に出てきたドストエフスキーの『地下室の手記』は、偶然同じ古本屋で同時に買ってた。(『罪と罰』には手を出す気にならないから、まずはこの本から読もうと思う)

『人間失格』が今も読み続けられているのは、主人公の考えていることがわからなくもないと思う人がいたり、共感する人がある程度いるからなのかな?そう思うと案外みんな考えて生きているのかな。と思ったりもする。


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