映画「MY SHINee WORLD」をみて
大好きだったSHINeeの15周年記念映画を見に久しぶりに映画館へ。
結論から言うと、号泣したけど駄作。映画としての出来はイマイチだったが、シャイニとシャヲルたちと共有した思い出に泣いた。時間と手間をかけていないのが丸わかりな映画だった。
全く同じ映像を使ったとしても、私の方が上手く感動的に構成できると思う。既出の動画を時系列順に並べるなんて、YouTubeで見れるレベル。映像はなぜか画質が悪いし。
ジョンについて全く言及がないのもおかしかった。もちろんあえて感動的、感傷的にしなくてもいいとは思うけど触れないのは不自然では?個人的にはシャイニはもうそのフェーズにいないと思うんだけどな。
制作側のジャーナリズム精神を疑った。もう少し突っ込んだ質問はできなかったのか?ドキュメンタリー映画を作るにあたって、もっともっと聞くべきことがあったんじゃないか?
View活動期の話は面白かった。「当時は実は仲が悪かった」とか、「あのときはもっとアグレッシブに活動すればよかったと後悔してる」とかは興味深かった。常に「いい姿を見せたい」と言っていた彼らが弱音や本音を聞かせてくれるようになったのはすごく嬉しい。
だけど、もっと突っ込めなかった?フワッとしたままでとどめるんじゃなくて、ここから深く聞いていけばもっともっと面白い話が聞けたはずだ。
Julietteのことを誇りに思ってるとか、ジャケットの写真(上)が好きだと話していたところはすごく嬉しかった。私も本当に大好き。
テミンの兵役のエピソードで「幼い頃からアイドルだったから一般人としての生き方がわからなくて戸惑った」という旨の話が出ていたが、こんなに面白い話をしてくれてるんだから、もっと言葉を引き出す努力をしてほしかった。シャイニーに喋らすんじゃなくて、もっと能動的に制作側が聞き出すべき。全体的にフワッとしてて残念だった。
評価できるポイントは2つある。
一つ目は当時の映像を振り返りながら「初めて行ったBMUのコンサートはこうだったな」「こんな衣装あったな」と思い出して、シャイニとの思い出を顧みれたこと。愛おしい思い出を映像と共に振り返って、懐かしい気持ちになれた。
特に良かったのが、5人のSHINeeを思い出せたこと。現行の3人のシャイニでさえ、あまりに歌がうまくて完璧なパフォーマンスをするから、ここ数年、3人のシャイニに全く違和感をいだかなかった。
だけど、久しぶりに5人のシャイニを見たら、本当に一曲一曲がドラマチックで迫力があった。3人のシャイニに違和感がゼロだから忘れてたけど、5人のシャイニは本当にすごい。
歌は5人のハーモニーで厚みがあって、ダンスはやっぱり5人だからこその物語的な振り付けが光っていた。ジョンが亡くなってから5人の動画を直視できない期間が長かったから忘れてたけど、私ってこれが好きだったんだって思い出させられた。
二つ目は、一つ目と重なる部分もあるが音が良かったことだ。Dolby Atomosだったから、彼らの息遣いまで耳に届いた。
オニュくんの繊細で安定した声や、ジョンのテクニカルな歌い方や計算し尽くされた息継ぎ。逆に当時のテミンの不安定で危うさのある歌声(もちろんめちゃくちゃ歌が上手いことは前提で)。ミノの絞り出すような歌声も綺麗だった。キーくんってこんなに安定して歌う人だったかな?とか思い出しながら聞いた。
ここでも当時のことを思い出した。最近のシャイニはとにかく安定的に歌がうますぎる。テミンもミノもキーくんも当時よりもさらに歌が上手くなってる。だからこそ忘れていた当時の5人の少年性のあるハーモニーが心地よかった。ジョンとオニュくんをメインとして、5人で支え、補強し合うような歌声がすごく好きだった。
こうやって思い出を振り返りながら、考え事をできるのは良かった。全部見たことある映像の再編集だから、よく言えば考える隙があった。
映画としての評価はよくない。だけど、シャイニと共にした15年間は美しく、誇らしい。いろいろなことがあった。たくさんのコンサートに行った。時間を共にしたその全てが愛として記憶に残っている。シャイニのファンじゃなくなっても彼らはずっとそばにいてくれる。そんな心の支えでいてくれてありがとう。
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