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第34期竜王戦第2局京都仁和寺 プレミアム参加

プレミアムプラン(封じ手開封、大盤解説会、感想戦)に参加してきました。ものすごい幸運とご縁のおかげで竜王戦のプレミアムに参加させて頂きました。できるだけ現地で起きたこと、感じたことを中心に書かせて頂きます!!

●集合から対局室へ

おはようございます! 朝5時30分起きました。朝7時50分集合です。竜王戦は前年度に続き、タイトル戦の対局室での観戦の機会を頂きました。(去年のnoteも読んで頂けるとより何を叫んでいるのかわかりやすいと思います)

(緊張しているんじゃゃゃゃゃ!!!)


御殿に行く前になんども、おトイレに行ってしまいます。朝から水分もあまりとらずに気をつけていました。

いよいよ、集合時間。封じ手開封を観戦するため御殿(宸殿)へ向かいます。御殿に向かいながら仁和寺のご僧侶の方が、いろいろ教えてくださいました。
・平安時代にはお坊さんになる人数が決まっていた(租税の関係)
・お寺にはランクがあって五本線が一番格上。
・宸殿(対局室)の屋根の維持がとてもお金がかかる(二千円の大きさの張り替えに二千円がかかる)

御殿の中はとにかくお庭が絶景です。
青空も相まって……美しい以外の言葉が出ません。
 
廊下を進むと奥に読売新聞社の若杉さんがスタンバイされていました。
思わず、一礼をする。
一礼を返してくださる。スキ。読売新聞社!!

対局室にはいると…目に入ってきたのは金の眩い世界でした。
神々しい、まばゆい。けれど――派手じゃない対局室の神聖な空気。
対局者が入られるまで写真は撮って良いとのこと!→Twitterにアップしています。
まさかまさかで、自分が対局室の手前に座った写真も記念に撮らせて頂きました。仁和寺様のご配慮に感謝を申し上げます。御座布団もプレミアム参加者が全員見やすいように配置して下さいました。

●封じ手開封

先に入られたのは藤井聡太三冠でした。

(うわぁ、すっと、来られて、すっと――座られた。全部の所作が自然だ)

座られてすぐ、藤井聡太三冠はお茶を飲まれます。

(うぁぁぁぁ! お茶を飲まれる姿を生で見られるとか! 仁和寺様、ありがとうございます!!)※山に向かって叫ぶ思い

そのあと、すっと豊島将之竜王が入られました。

我々、観戦者をみて一礼をくださる。

(うぁぁぁぁぁ! 竜王のぺこりを生で見られるとか! 仁和寺様、ありがとうございます!!)※山に向かって叫ぶ思い

豊島将之竜王をタイトル戦の対局室で観戦させて頂くのは二度目です。和装のお姿が美しいです(前回は前期竜王戦の万松寺)

豊島将之竜王
「おはようございます」

静かにお部屋を見回されて座席に座られました。
一年ぶりの豊島将之竜王の「おはようございます」は昨年より大きく聞こえました。そうして駒箱が開かれます。

(さぁ、ここからだぞ……やばいのは)

昨年のわたしは名古屋の万松寺で豊島将之竜王vs羽生善治九段の対局をプレミアムプランで参加させて頂きました。その場は全てが緊張感に支配された世界で重力が変わるかという感覚を覚えたのです。視界も聴力もなくなるほどの重圧でした。毛穴という毛穴から汗が出たのを覚えています。

(藤井聡太三冠の駒並べ、ちょん、ちょん、ちょんってされるのをリアルでみれるとは!)

鳥の囀り(さえずり)が聞こえます。

(――あれ? 視力も奪われないし、耳も聞こえるし、何より…緊張してない!? なんで?)

そこには両対局者が一手一手、初手から並べられているお姿が見えます。

(静かな……空気。自然な、自然な駒並べ)

お二人にとって、「将棋を指す」ことは、自然なことなのかなと……思いました。

(素敵だ自然……って)

うっとり見つめていると耳にけたたましいカラスの鳴き声が!!

カァカァ、カァー! カァァァ!

(カラス! カラス、自重しろ!!)
※カラスたちの声はABEMAにも収録されていました。

ここは仁和寺、襖の向こうも美しいお庭。
外はまさに自然だ。

カラス、鳥、シャッター音。そして駒音。
自然な、お二人のお姿。
封じ手が開封されました。

●ひとの集中力

対局開始です。
藤井聡太三冠がお茶を飲まれます。

(あ――)

一瞬でした。
藤井聡太三冠が――すっと――集中されていくのです。
盤上の世界に入られていかれるのだと感じました。

左肩を少し上げられ、盤に向かって前のめりになり、背中に角度が入ります。扇子をくるくると回される。幾度と短く頷かれる。

(今、これは、すごいものを見ている)

カラスも、鳥も、シャッター音も、周りの報道陣も、観戦者もすべて。今の藤井聡太三冠の思考の中には無いのでしょう。

あるのは盤面のみ。

(こんなひと、って存在するんだ)
※藤井聡太三冠をひとと思ったのではなく、人間としてのひとという意味です。

怖さではなく、純粋な驚き。
ひとの可能性。
集中力の塊のひとが目の前にいました。
 
数分の後、藤井聡太三冠が戻ってこられた気がしました。
お茶を一口飲まれます。
そして、一手指されました。

何故か、ほっとしました。何故なのか――今でも考えています。

ここで対局者と記録係以外は皆、退室です。
ここからは豊島将之竜王と藤井聡太三冠の盤上の世界です。

(…あああああぁぁ)

藤井聡太三冠の集中力に当てられて、初めて感じる感覚に包まれています。別の世界に入るひとを間近で観た。何だろう、あれは普通のひとは発することの出来ない気配だと思う――思考の塊、思考の極み――でしょうか?
結論を求めつつ、フラフラと宸殿からの廊下を歩きます。
現実感の薄まったわたしに話しかけて下さる方がいました。

ご僧侶
「仁和寺は初めてですか?」

わたし
「何度か来たことがあります。今回はとても、とても唯一のものをみせて頂きました。まだ心で理解出来てないのですが、すごいです。ありがとうございます」

竜王戦のご担当の方でした。初めてお会いするのですが、今回、助けて頂いた方だということがわかり、ご縁に感謝いたしました。直接お礼をお伝えできて良かったです。ありがとうございました。
 
絶景の境内を歩き、大盤解説会の会場に向かいました。
※くま最中を買いました。そのお話は割愛いたします。

●大盤解説会

中継がありましたので是非を見てくださいませ! 
現地の読売新聞社様と仁和寺様の超素敵なご対応に感謝を申し上げます。
見所は……淡路九段との大盤解説に緊張されてなのか、スーツなのに腕をまくる服部慎一郎四段と、淡路九段のノーロード解説です。

第34期竜王戦七番勝負第2局:豊島竜王 対 藤井三冠 大盤解説ライブ中継

●昼食

地下のお食事処で前日の両対局者が注文された「桜御膳」をいただきます。

(お椀、じゃこご飯、煮もの…お刺身と美味しいぃぃぃぃ)

温かいお椀の美味しさに感動していると、前に立たれる人影が現れます。顔を上げるとご僧侶の方が立たれていました。

ご僧侶(※先ほどのご僧侶とは別の方)
「あ、こちらをみなくて結構です。視線をたくさん頂いてしまいますと緊張してしまいますので……お耳だけいただけましたら……」

何か説明かな?と思い、そのまま食事を続けていました。

ご僧侶
「実は最近の坊主(ぼうず)は、Twitterとか見るのです」

(どどどど? どういうこと?)

いやいや、なにそのユーモア? お箸止まりますよ。

ご僧侶
「昨日、Twitterを見てたら豊島将之竜王のファンの方が『豊島将之竜王は【春】をお召し上がりなられたの?』というお声をみました。お答えいたしますと、桜御膳とは春の御膳ではなく、仁和寺の花の御室桜からつけた名前です」

なるほど!!
書かれた豊島将之竜王のファンの方にご回答が届くと良いですね。

●封じ手見学

お昼休みに封じ手を見せていただきました。
近くにおられた読売新聞の方に、裏返しを希望いたしました。

わたし
「え!? 素手ですか?

読売新聞の方
「あ、はい。素手ですね」

ご僧侶(また別の方)
「ああ、最近は国宝を触る時も素手なんですよ」

わたし
「ひえぇぇぇぇ?」

読売新聞の方
「はは、自分は将棋を指さないので、ははは」


ひょいと素手でペラ。裏をみせて頂く。

(ひぇぇぇぇぇ…って、でもでもでも読売。読売新聞ありがとうございます!!)  

●感想戦

大盤解説会場から急ぎ歩いて、宸殿に向かいます。
すでに感想戦が始まっていました。

豊島将之竜王
「…こうでしたか?」

藤井聡太三冠
「ん…あ、…はい」

豊島将之竜王が胡座を組まれます。そこから始まる駒音のif。

(ひぇー、藤井聡太三冠の生声…!)

ついにマイクを通さない藤井聡太三冠のお声を聞ける日が来るとは。
竜王戦ありがとうございます!!

藤井聡太三冠の表情が見えました。苦しそうではなくただ坦々と、対局中に考えていた答えを並べ、そして――考えていなかった局面で手を止めて、またifが続く。

(水面の下は渦だったんだ。大渦)

豊島将之竜王も藤井聡太三冠も幾度となく、視線を天井へと送られます。ひとが上を見るのには諸説がありますが、一説には過去を思い出しているときです。

金色(こんじき)の眩いお部屋で繰り広げられた熱戦。
水面下での小さな、小さな駆け引きの積み重ねが大きな対局感になる。

(瞬き……すごい……)

藤井聡太三冠は対局中や将棋を指されている時、瞬きが多いと思うのですが、それを間近で見られることの幸運さに心が掴まれます。

そしてお二人のifが詰め込まれた感想戦が終わり、豊島将之竜王が退室されました。その後、ABEMAのインタビューと追加の新聞者のインタビューに答えられて、藤井聡太三冠が立ち上がられます。
我々、観戦者にも一礼をくださいました。

(タイトルホルダーとして、ファンにも気を配って頂けるとか、スキ!)

将棋界最高峰の竜王戦、スキ!
さて帰り支度です。いつものようにモタモタなので最後の最後になってしまう。読売新聞社の方、仁和寺のご僧侶の方にお礼をお伝えして靴を履く。  

余韻に浸りながら…境内を歩きます。
ライトアップされた仁和寺から見上げると星が見えました。

最後に何度かお会いしている将棋連盟の方とお話をさせて頂きました。
今日、感じた思いや出来事などお伝えしました。

将棋連盟の方
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

(はい! 当たったら参加します! って…それが一番難しいんですよ!…てか、当てて下さいませ! ははは…)

気持ちを律してお礼をお伝えいたします。

わたし
「ありがとうございました」

将棋は礼に始まり、礼に終わる。
朝から沢山の礼節、一礼、御礼に包まれた一日でした。

このレポートを読んでいただいた皆様にも御礼申し上げます。
ありがとうございました。

●最後

関係者の皆様に御礼申し上げます。また感染対策しっかりして将棋イベントに参加したいと思います!!

たくさんの方とご挨拶させて頂けてとても嬉しかったです。またイベントで機会がありましたらお話しさせてくださいませ!!

●最後の最後に……涙

将棋イベントを今まで参加してきて感じたことにない、???と思うことがありました。素足で対局室に入られる方、対局室に両対局者が入られているのにおしゃべりをされる方、他にも色々ありました。自分も気をつけて礼を守って行きます。そして、最高に楽しみたいと思います、

――さて、次回は。
当たればのJT杯名古屋でしょうか。※当たりました!!10/27追記

(了)

※誤字脱字など随時直していきます。速さ重視のアップで申し訳ございません。ご参加されていた皆様。会話の順番、記憶違いなどあったら、申し訳ございません! 修正します! ドン!とご指摘くださいませ。


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