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「定番品が長く話題になり続けるには」Mimi Beautyが美容×定番品プロモーションを解説

■ note概要

本noteは、2025年2月4日~7日に行われたMimi Beauty主催のマーケティングウェビナー「Beauty Meets for Business」最終日の内容をまとめた記事です。本ウェビナーでは、話題になり続ける「定番品」になるためのプロモーションのカギをMimi BeautyエグゼクティブマネージャーとSNS美容メディア広告運用責任者が解説しています。

美容商材のマーケティングに関わるメーカー、広告代理店で働く方が想定読者です。
こんな課題感をお持ちの方は必見です!
発売後一定期間が過ぎた「定番品」も新商品のように話題化させたい
・「定番品」のプロモーションがいつも同じになり、手ごたえがない
・美容商品が長く話題になるためには、何が必要か知りたい


「長く話題になるための条件」

まずはじめに、定番品が「長く話題になるための条件」について解説していきます。
Mimi Beautyでは、たびたび以下のようなご質問をいただきます。

「商品が長く売れるにはどうしたらいいの?」
「発売から時間が経っている商品(定番品)ってSNSで話題化できるの?」

このご質問に対するMimi Beautyの回答は以下の通りです。
「発売時の話題化だけではなく‟断続的な熱量”を発生させることが重要!」

「定番品」のプロモーション上の課題

新商品の発売時は話題化しやすいですが、発売から時間が経った定番品は「新鮮さがなく、SNSでも注目されにくい」という課題があります。

そもそも、SNSで継続的な発話が必要な理由は「人はすぐ忘れるから」です。一度認知された商品も1日後、1か月後と商品の情報を見ることがなければ、忘れられてしまいます。そして4回以上情報に触れてやっと、「この商品が話題かも」と思ってもらえるようになります。

続いて「熱量」についても解説します。SNS投稿における「熱量」とは、商品について「自ら語っている投稿」のことです。
トレンダーズ社がCCCMKホールディングス協力のもと行った分析では、「熱量スコア」が最も「KGI=購買補正人数」と相関が高いという結果となり、熱量の高い投稿は購買に寄与しやすいということが分かっています。

そして“断続的な熱量”がないと、オーガニック投稿が生まれにくくなります。以下のグラフのように、キャンペーン時だけSNSで発話が増えるので一見発話量が多いように見えますが、キャンペーン期間以外にユーザーからの自発的な発信がほぼない状況です。

‟熱量”は美容オタクから生まれ、美容ミーハーやマスを動かす

ここまで、定番品を長く話題にするためには“断続的な熱量”を発生させることが必要とお伝えしました。
‟断続的な熱量”を発生させて継続的な話題化につなげるためには、「熱量を生む人」と「熱量に動かされる人」のすみわけを理解することが必要です。
詳しく見ていきましょう。

これまでMimi Beautyでは美容ユーザーを「美容オタク/ミーハー/マス」の3つに分類してきましたが、近年、ユーザーの「選びたい」層と「選びたくない」層への「二極化」が進んでいます。

では「選びたくない」層とはどんな人たちなのでしょうか?
美容感度が高く、たくさんの商品から自分にあったものを自分で選びたい!と考え、たくさんの情報を自ら取りに行くのが「選びたい」層です。対して「選びたくない」層は、化粧品に詳しくないので、大量の化粧品や情報から自分で選ぶのが難しいと感じ、情報を積極的に取りに行くことはほぼしません。

上述の「選びたくない」層の特性から、美容マスから熱量を生んだり、美容マス起点で美容ミーハーやオタクを動かすのは難しいということがお分かりいただけたかと思います。
一方、美容オタクは積極的に情報収集し、いいと思ったものを自ら発信していきます。美容オタクが生む「話題感」が美容ミーハーを動かし、最終的に「みんな使っている」安心感が生まれ、それが美容マスを動かします。

今回のウェビナーのキーワードは「下を見据えて上を動かす」です。
これが最も重要な考え方になるので、ぜひこの一文だけでも覚えていただけたらと思います。
つまり、”断続的な熱量”が「選びたくない」層を動かします。

美容ユーザーの中でも割合が多く、定番品であればターゲットから外せない「選びたくない」層を動かすためのステップは以下の通りです。

「断続的な熱量」を生むポイント


ポイントは、美容オタクに発話のタネを与え続け、「今、伝えたくなるきっかけ」を作り続けることです。

例えば定番品である「肌ラボ 白潤」シリーズを例に解説します。白潤は美白化粧水ですが、夏だけSNSで発話されているわけではありません。美白文脈だけではなく、「成分」「敏感肌でも使える」「全身に使える」「大容量でますます全身で浴びれるようになった」など、季節によらず常に美容オタクが発信したくなる‟発話のタネ”が仕込めていることが分かります。

では、美容オタクが‟発話のタネ”に反応すると、どうやって周りを巻き込めるのでしょうか?

美容オタクが‟発話のタネ”に反応すると、「コミュニティ」内で会話が生まれ、連鎖します。

例えば、美容オタクコミュニティで火がついて話題が加速してマスまで浸透した例として「乾燥さん」があります。Xの「薄肌コミュニティ」では、同じ肌悩みを持つ人たちが情報交換を行い、その会話の中で「乾燥さん」の下地がいい、というクチコミが昨年ごろから広がっていきました。似た肌質の人のクチコミだから信用できる、とコミュニティ外まで話題が連鎖し、今は店頭でも目立つ存在になっています。

上記のように、新商品だけでなく、発売から年数が経過しているアイテムでも「継続的に発話のタネを仕込み、再注目されるチャンスを作る」ことで再度話題になる事例は多々あります。
発話のタネ”(例: 既存商品の別の使い方や、季節ごとの活用ポイントなど)を絶えず提供していくことで、美容好きが「いま改めて使う理由」を発見しやすくなり、コミュニティ内での会話が広がりやすくなるのです。

熱量の「伝達」方法とSNS広告活用のポイント

ここからは熱量の「伝達」ステップについてお話をしていきます。
改めて、なぜ熱量を「伝達」するのかというと、「美容オタク以下」の層に熱量を伝えて「選びたくない」層にも購買影響を促すためです。

では、定番品の熱量の「伝達」における理想状態とは何でしょうか?
「Instagramにたくさん投稿があること」「Xで美容オタクが話題にしていること」「TikTokで旬なインフルエンサーが紹介していること」など、みなさん想像されるかもしれません。

Mimi Beautyでは、理想状態を発売後もSNSで「見かける」状態だと考えています。

もう少し具体的に解説をしていきます。
理想状態である、発売後もSNSで「見かける」場合は、生活者が定番品の情報に出会う機会があります。‟今”話題にされている商品は、信頼できそうだと感じ、購入検討テーブルにあがります。
一方でSNSで全く見ない場合は、そもそも生活者が定番品に出会う機会がなくなり、‟今”の商品利用者が見えないことで、購入選択肢から外れてしまいます。

では、発売後もSNSで「見かける」状態をつくるためのポイントはというと、各SNSプラットフォーム特性を理解したうえで、「網羅する」ことです。
ここで注意点として、ただSNSを網羅する、広告配信をするわけではなく、各SNSの熱量が異なることを理解して広告配信設計が重要になります。
以下まとめです。

ここからは、Mimi Beautyも社外にあまり公開したことのない情報になりますが、各SNSで熱量を伝達する際のポイントをお伝えしていきます!

SNS広告で熱量を伝達する際のポイント

(1) X(旧Twitter)

  • 「選びたい」層の割合が多いことを理解する。情報の深堀をしたいユーザーが多いので、情報が読み込まれやすい傾向に。

  • 「今」の情報が重宝されるので、季節を絡めた利用シーンの提案などがユーザーに響きやすい

(2) TikTok

  • これから流行るものを探しているユーザーが多いことを理解する。

  • 信頼のおける発信者を選定する。情報の信頼性をユーザーは見極めている

  • 参考性の高い‟リアルな”声を届ける。投稿のコメントも含めて楽しまれている。

(3) Instagram

  • ユーザーは情報処理を「秒」で行うことを理解する。

  • ユーザーはInstagramで出会う広告に好意的であることを理解する。

  • Instagram広告は施策の目的に応じた配信設計が重要!

上記でお伝えした各SNSの熱量の特性以外に、「熱量の広がり方」にも工夫が必要になります。例えば、美容オタクの発信やブランドが伝えたいことをそのまま美容ミーハー以下に伝えようとすると、自分ごと化するのが難しく商品の魅力が伝わりづらい場合があります。
そのため、例えば美容感度が高くない人にも分かりやすいよう、「効果」にフォーカスした広告訴求に切り替えるなど、Mimi Beautyではクリエイティブに工夫を凝らしています。

最後に、熱量の「伝達」におけるまとめです。

  • SNSで発売後も「見かける」状態を広告配信で増やしていく

  • SNSごとの熱量の違いを理解する

  • 「選びたくない」層も魅力的に感じるクリエイティブ設計

この3つを意識した熱量の伝達が、定番品を「選びたくない」層まで広げていくための重要なポイントです。


ここまで、定番品が長く話題化するために、‟断続的な熱量”と熱量の伝達について解説しました。
本記事を読んでいただいた方には、取り組むべきことや意識すべきポイントをご理解いただけたと思います。一方で「自社商品の場合は美容オタクにどんな発話のタネが与えられるだろう」「どうやったら美容に詳しくない人にSNSで魅力を伝えられるだろう」と次のステップのお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

Mimi Beautyでは、これまで10年近くにわたり、数多くの化粧品ブランド様をご支援した実績があります。また、プランナーや編集部も美容オタクばかりで、だれよりも美容オタクに詳しい自信があります。
具体的にご相談されたいことがありましたら、ぜひMimi Beautyまでご連絡をお待ちしております!


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