補聴器の圧縮比をカンタン・自動で調整する方法!#001
こんにちは、認定補聴器技能者の大塚祥仁です。
皆さん、補聴器フィッティングや難聴者へのサポートなど、日々の仕事は充実していますか?目の前のお客様の困りごとに対して「この提案・調整で本当にいいんだろうか?」と自問自答している人もいらっしゃるかと思います。
補聴器の仕事に就いて現場に立って、いくらか経験を積んだあと”もっと良く聞こえるようにしてさしあげたい”と思った時、補聴器のフィッティングについて学ぼうとしても、良い本や良いセミナーになかなか巡り合えません。書籍から学ぼうとすると内容が古くて現代に適用しにくい本や、補聴器ハンドブックのような難しそうな本になってしまいます。
今回から発刊する補聴器マガジンでは、1~3年目の補聴器技能者や言語聴覚士の方に向けて実践で簡単に役立つ知識と事例を、補聴器ハンドブック監訳者の中川雅文先生と一緒に提供していきたいと思います。学びたいと思った人が、自分のタイミングで、学びたいことが学べる。そうして日本の補聴器フィッティング全体のレベルが上がってくれればいいなと、大それたことを考えております。
すでに指導役をなさっている経験豊富な先輩諸氏におかれましては「こういう教え方もあるんだなー」という視点でご笑覧いただければ幸いです。
新人のフィッティングの困り・悩み
さて執筆にあたって10年以上も昔の新人時代を思い出してみました。そのころ感じていた疑問や困りごとは下記のようなもの(だったと思う)。
●コンプレッションって、目安1.5~1.7って教えてもらったけど、実際どうしたらいいんだろう?
●ベテランの先輩は、どうしてお客様とスムーズに信頼関係作れるのだろう?
●ファンクショナルゲインとかインサーションゲインとかインサイチュゲインって色々あるけど、どれをどうやって見るの?
●利得グラフと出力グラフってどうして二つもあるの?
●「もっと大きくして!」ってお客さんに言われたけど、どこまで利得を上げていいんだろう?
●同じお客様の耳型でも、メーカーによってシェルの形が全然違う!
●ベントの大きさはどう選んだらいいだろう?
●装用明瞭度が上がらない!
●装用明瞭度が上がっているのにお客さんに不満を言われてる!なんで?どうしよう!?
ハーフゲイン法が通用しない症例
今回は一回目ということで、ハーフゲイン法で調整するにはやっかいな事例と、すぐに使える調整方法として「UCL測定の活用」をご紹介します。
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