【「好きこそものの、上手なれ」と「下手の横好き」どちらを用いる?】~ことばの虫メガネ②~
物事は、好き・キライ・何となく、の3つで成り立っていると感じていますが、往々にして「好き」「キライ」の二項対立、そこに能力の話となれば「上手い」「下手」の2つも組み合わさって、わりと複雑に考えられている方も多いように感じます。
タイトルにある言葉を改めてふれておきますと、「好きこそものの、上手なれ」は”楽しむことによって上手くなる(もしくは、熟達するには、それを楽しめるようになることが大事)”という意味だと理解しています。
一方、「下手の横好き」は”下手なわりに、好きで熱心なこと”を意味すると一般的にはとらえられていますが、本来は謙遜する意味で(本人が)使われるものと、思っています。”横”という字があてられているのは、横という漢字に「道理に外れた」「正しくないこと」という意味があるからですね。基本的には家族でもないかぎり、他人に対して云う言葉ではありません笑
「亭主の好きな赤烏帽子」「蓼食う虫も好き好き」といった慣用句があるように、”道楽”(道を楽しむ)であれば、どちらを用いても特に問題ないと思います。しかしながら、仕事やビジネスとなるとそうはいかず、ご自身の適性や得意をよく見定めることが肝要であり、好き(もしくは下手)が高じて、周りに果てしなく迷惑をかけることも往々にしてあるかと感じます。
好き・キライと、上手・下手。”好きで上手”が最良ですが、好き・下手、キライ・上手もよく考察してみると意外と気づきも多いものかと(キライ・下手は、即刻環境を変えるべきですねw)。
本シリーズでは、むずかしい言葉はあまり扱いません。多くの人が日常的に使う言葉を”何となく”見続けたいと思っています。本の虫というか、近ごろは言葉の虫になっているような気がするので、メガネの度数を合わせたいという気持ちから副題としています🙃
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