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ガラスの靴。
男の子が、ヒーローに憧れるように…
女の子にだって、多かれ少なかれ お姫様願望があると思う。
ある日 魔法がかかり、煌びやかなドレスに着飾って お城へ行く。
そこで 不意に落としたガラスの靴を頼りに、素敵な王子様が探し出してくれるハッピーエンドは、宛らシンデレラ。
そんな空想に思いを馳せる幼少期が、少なからず 私にもあった。
『 おしゃれは、足元から 』というように…
コーディネートに於いて靴が占める比率も、多分にあるのだろう。
ちなみに私は、ALDEN( オールデン)の革靴をさらっと履き熟す男性を とても魅力的に感じるのだが、ここでは割愛しておく。
そういえば、フランスのことわざに、こんな素敵な言葉がある。
『 De superbes chaussures vous emmènent dans de superbes endroits. 』
訳すと
Good shoes take you to good places.
素敵な靴は、あなたを素敵な場所へ連れて行ってくれる。
というものだが…
二人前の彼氏と別れた後、本当にこれを実行したことがある。
大好きな MARGARET HOWELL( マーガレットハウエル )で、目に止まったショートブーツを買ったのだ。
実際に、素敵な場所に連れて行ってくれた。なんてドラマティックな話はないが…
少なからず私の足は、その靴を履いて、気持ちだけでなく物理的にも歩みを始めた。
皆が息を飲むような美しいものではないし、王子様には見つけてもらえなかったけど…
お気に入りの靴を履けば、良く似合う服も新調したくなる。
それらを身に纏い出掛けるための、予定も立てた。
次第に、いつまでも忘れられない 彼は、' いつか ' の彼へと変わったのだから、この台詞は强間違っていないのだ。
二度目にガラスの靴を履いたのは、二年前。
以前、『 二歩目。』の記事にも書き留めたように…
好きなことには慎重になる性分で、それが故、大人になり、現実が見えてくると、好きだった筈の 文章を綴ることから 逃げ続けてきた。
そんな折、とある SNS で出逢った男性が、私の何気ない発言や文章・言葉選びを好きだと言い褒めてくれる。
これが 本当に嬉しくって、以降は、唯一無二の推し。
そして、その彼が、この note を紹介してくれた。
私に魔法をかけて、もう一度、' ガラスの靴 ' を履かせて歩かせてくれたのだ。
未だ、辿々しいけれど…
好きなものに触れる時間は、頗る有意義。
例え、このガラスの靴が脱げ落ちて、誰かが私を見つけてくれるハッピーエンドは無くとも…
私のお城で、私は今日も 楽しく言葉を興じている。
◌ 追記
『 誰かが見つけてくれる ハッピーエンド 』を ' 誰か ' としたのは…
' 文才が認められる ' という意味です。
さくちゃんへ。