（3）台湾の小学校で英語の先生をする日本人留学生の話 〜初授業編〜
前回のブログでお話しをした、先生方との初対面から約１週間後。
ついに初授業日がやってきました…
この日は、３年生を３クラス、それぞれ40分の授業というスケジュール。
初回の授業なので、自己紹介と次回の授業内容のレビュー（本読み）を行います。
当日までの5日間でパワポを作り、しっかり時間を計りながら
授業の流れを確認していきました。元々の性格が心配性なのもあって
何度も修正を重ねたのですが、あることに気がついてしまったのです。
それが…
「小学生のリアクションって、予想できるようなものじゃない」
ということです（笑）もしかしたらすごくエネルギーに溢れたクラスもあるかもしれないし、おとなしい子が多いこともあるかも。そうなれば、臨機応変に対応しないとどうにもならないから、心配よりもまずは経験だ！とかえって開き直りました。
初授業、楽しすぎて天職かと思った。
そしてついにやってきた、初授業日。
学校に到着するまでに、バスが遅延して雨の中30分歩く（台湾のバスには時刻表という概念はないです。本当になんで？）というハプニングにも見舞われましたが、無事に小学校へやって来れました。
担当のC先生と軽く打ち合わせをしていると、１つ目のクラスの子達が
続々と教室に入ってきました。
もちろん、みんなとは初対面なので「誰…？」みたいな感じで見られると思っていたのですが…
なんと、みんな手を振りながら
「Hi~ 老師(先生)!」と顔を見ながら言ってくれて（ ; ; ）
いや、小学生ってこんなに可愛かったんだと思いました。
ありがとうねみんな…。
年越しの瞬間の花火の動画を見せてくれました。綺麗すぎた！！
そしてついに始まった授業。
C先生の「もしヘルプだったり、子どもたちが分からない英語があれば中国語でアシストするから心配しないで！」と事前に言ってくれたのもあって
安心して自己紹介を行えました。
どうしても集中力の持続が難しい年頃だと思うので、
ゲーム形式で答えを当ててもらったり、立ったり座ったりのアクションもミックスしながら、生徒と一緒に楽しんで授業を進めることができました。
ほぼ、みんなのリアクションに救われたようなものです（笑）
授業中は静かで少し気になる子だったのもあって
とにかく心がじわっと暖かくなった（ ; ; ）
見えてきた課題点
一方で、授業を進めていく中で
いくつかの課題点が見えてきました。
その中でも「交わす術を身につける」ということ。
クラスに何人かはいる、英語がすごく得意な子、ムードメーカーの子、
そういった子ってやっぱりたくさん手を上げてくれたり
とにかく発言の数が多いんですよね。
そこに救われるタイミングも何回かあったのですが
先生が喋っている時に、被せてくることが多いのも事実。
例えば、好きな食べ物を紹介した際にお寿司の話をすると
1人の男の子が手を上げて、好きなネタを話し始めたわけです(笑)
その時はなんとかすぐ授業に引き戻せたのですが
「傷つけないように交わす術が必要…」と痛感しました。
私自身、小学生の時に体験したトラウマのようなものがあります。
ALTの先生が、自身が顧問を務める英語クラブに所属していた子ばかり
に質問をしたり、指名をすることがありました。
今だったら、先生の気持ちもわかるんです。
授業を円滑に進めないといけないから、とにかく正解が分かりそうな子を当てていく。じゃないとずっと滞っちゃうし。
でも気がつくと、英語の授業自体が「先生と英語得意な子」っていう空間に
なってしまっていて、他の子達が蔑ろにされてるなと
小学生ながら傍観していました。
だからこそ、みんなで授業を作る・公平性を大切にしよう
と思っていたのですが、いざ授業をしてみると本当に難しい。
先生、やっと気持ちわかりました。ごめん。
やっぱり教職の賃金を上げることを切に願います
３クラスが無事に終了し、子どもたちとハイタッチながら
教室の外まで見送ります。
C先生とも、授業の感想を互いに言い合いながら
フィードバックをもらいました。
「中国語でもう少し注釈を入れる」
「みんなが想像しやすいように、イラストや画像はたくさん使用する」など
実践的にやってみないと得られない発見がたくさんありました。
あと、とにかく声を酷使しますね。威圧的な声量と口調はもちろんダメですが、ある程度の声量がないと教室の後ろまで本当に聞こえないです。
もはや、先生というよりNHKのお姉さんだと自認した方が
はっきり明るく喋れそう。
初回の授業の感想は以上です。
とにかく教師という仕事は、どこの国に行っても
やるべきことがすごく多い。事前準備が命。教育者って本当にすごいです。
すごく楽しい初授業！！でしたが…
２回目はなんとも「めっちゃくちゃ辛かった」です（笑）
近日中にまとめて投稿する予定なので、ぜひご覧ください！
最後まで見てくれて、ありがとうございました🏄♀️
