読書との出会い
読書との出会いは人それぞれ。
私と読書の出会いは淋しさを紛らすために始めたものだった。
読書との出会いは今から約8年前。
長男が高校生の時、1年間カナダに留学したことがきっかけだった。
カナダは新学期が9月から始まる。それに合わせるように8月の後半に長男はカナダに旅立った。
学校の修学旅行などで2週間ぐらい離れたことはあったけれど、1年間と長く離れて暮らしたことはなく、当時は淋しくて淋しくてLINE電話で声を聞くだけで泣きそうになっていた。
ずっと淋しがってはいられない。
何か淋しさを紛らわさなければいけない。
何か楽しいことをしなくては。
当時の私はあまり読書に興味はなかった。読んでも年に1冊2冊。長男はよく本を読む子で長男の部屋の本棚にはBOOKOFFで購入したであろう本がたくさんあった。当時、長男は翻訳本が好きだったようで翻訳本が本棚にたくさんあった。
今ではその翻訳本も売ってしまったらしいが──。
そんな長男の本棚から数冊抜き取って読み始めた。長男の本棚から借りて読んだ本の中で一番面白かったのが、ケン・グリムウッドの「リプレイ」だった。先が気になり夢中になって読んだ。
余談だが、数年後恒川光太郎の「秋の牢獄」を読んだ時、この「リプレイ」が登場してびっくりした。
当時は映画も好きでよく観ていたけれど、本は映画とは違う世界に入り込めることにびっくりした。映画は映像化されたもので配役や背景などもう全て決められてしまっている。でも本は読み手が勝手に配役や背景等いろいろのことを想像しながら読むことができるの。もちろん何も設定しないで読む本をあるけれど。
こんな感じで読書の面白さに目覚めてしまった私は、BOOKOFFで買ってきた本や図書館で借りた本を貪るように読んだ。読むのはほとんどが小説。読書初心者でどれを読んだらいいのか分からないので「読書メーター」にも登録し、ランキングなどを参考にしながら読書を進めていった。「王様のブランチ」のブックコーナーなんかも観ていた。
本を読み出すと、次はあの本を読んでみたい、あの作家さんの本を読んでみたい、この作家さんの違う作品を読んでみたいと後から後から読みたい本が出てきた。
気づくと、いつの間にか淋しさから解放されていた。
読書に救われた。
長男が留学から帰ってきた時にはもう読書好きになっていた。
読書を始めて約8年。その8年で約750冊の本を読んできた。心に残っている本をあれば、ストーリを忘れてしまった本もある。気に入った本は何回も読んで楽しんでいる。そして今でも後から後から読みたい本が無限に出てくる。
読書の魅力にどっぷりハマって、読書の沼から抜け出すことは不可能なってしまった。今では読書がなくてはならない存在になっている。
さて、次は何を読もうかな……