聖書と科学
教会には信者の方ばかりでなく、
神や聖書に興味を持たれて話を聞きに来られている
求道社の方も多くいらっしゃいます。
私は教会で求道者の方とよくお話しするのですが、
ある求道者の方は神を信じたいと思いながらも
今まで学校で習ってきた科学と聖書との間に矛盾を感じ
信じ切ることに躊躇されているご様子でした。
確かに聖書には科学では説明できないような
奇跡がたくさん登場します。
神がことばによって天と地を創られたこと
同じように人も創られたこと
モーセによって海がふたつに割れたこと
アブラハムの妻サラが90歳でイサクを産んだこと
マリアが処女のままイエスを産んだこと
神が人となられたこと
イエスが死人を蘇らせたこと
十字架上で死に墓に葬られたイエスが蘇られたこと
などなど、このほかにももっと多くの奇跡があります。
同じクリスチャンでもこれらの奇跡を
字義どおりに信じない人たちがいます。
「自由主義神学」の立場に立つ人たちです。
聖書のことばよりも人間の理性を尊重する人たちです。
彼らはこう言います。
「聖書には真実も間違いも書かれている。
何が真実で何が間違いなのか
判断するのは人間の理性である。」
つまり人は聖書を自分の思うように解釈してよい
と言っているのです。
これに対して私たち福音派のクリスチャンは
聖書は誤りなき神のことばであると理解しています。
ですから聖書の奇跡もそのままの真実と解釈します。
すると一見、聖書は科学と矛盾する書物のように
思えてしまいます。
私自身もかつて求道者だったころ、
そして信じて間もなかったころは
聖書と科学の間に矛盾を感じていました。
しかし今の私は次のようにこの問題を理解しています。
全く私の主観で正解かどうか分かりませんが、
ご紹介いたします。
私も理系の人間でしたので
若いころにニュートン力学を学びました。
17世紀の科学者アイザック・ニュートンが
確立した力学体系です。
とても良くできた理論体系で
地球上で起こる現象はほとんどすべて
これによって計算できます。
しかし、太陽系で一番内側を通る水星の軌道は
長い間ニュートン力学では計算できなかったようです。
水星の軌道は太陽の重力の影響を強く受けるので、
地球上とは条件が異なっていたからです。
それを20世紀に入ってアインシュタインが
相対性理論によって計算しました。
ある条件下では成り立つのですが、
異なる条件下では成り立たなくなる。
残念ながら科学とはそういうものなのです。
ニュートン力学と相対性理論は一見矛盾しています。
例えば光の速さで移動している人が
進行方向に光を放つとき
止まっている人が見たその光の速度は・・・
ニュートン力学で計算すると、
移動している人が見ている光の2倍。
相対性理論で計算すると、
移動している人が見ている光の速度と同じ。
でも真実は後者です。
同じように科学と聖書は一見矛盾しています。
でも、先にも書いたように
科学とはある条件下では成り立つが
異なる条件下では成り立たなくなるものなのです。
神が創られた天地の中には、
人間の科学法則が成り立つ場所と
科学法則よりも
神の創造の秩序によって成り立つ場所が
あるように思います。
私たちの生きているこの世の空間は
ほぼ前者になるでしょう。
しかし、後者がこの世の空間に入り込むとき
聖書のような奇跡が起こるのだと思います。
まさに力ある神が
私たちの世界に介入されているのです。
ハレルヤ!
私たちの住むこの世に介入される神。
神なのにこの世にこられ私たちの中に住まわれた神。
私たちの罪のために十字架に苦しまれた神。
どうかこの神をすべての人が崇めて賛美する。
そのような世の中になりますように。
みなさんに神からの祝福が豊かにありますように。