見出し画像

聖書読みましょ♪ 第8回Re-Collection 祭司の仕事がわかるとザカリヤの気持ちがわかる!

メシア・イエス・キリストの生涯6回
              「ヨハネ誕生の告知」前半             ルカの福音書第1章5節~25節 

           
こんにちは!まいむまむと申します。
イエス・キリストを知るために聖書を読んでいます。

イエス様のことを書いた聖書、すなわち福音書は、
マタイによる福音書、マルコによる福音書、ルカによる福音書、ヨハネによる福音書と、4つもあります。( ゚Д゚)

それぞれ、読めばいいのだけれど、同じイエス様の一生を4回読むのもな・・・と思ってしまいます。(中身はそれぞれ違いはありますが)

おまけに、イエス様のことばって、それ自体は難しくないのだけれど、
結局何が言いたいの?みたいな謎に満ちた発言も結構多いのです。

そんなこんなで、福音書をきちんと読んだことがありませんでした。

そんなとき、わたくしは、「ハーベスト・タイム・メッセージステーション」というyoutubeチャンネルの
中川健一先生の講義「メシアの生涯」に出会いました。
この配信は、ユダヤ人として生まれたイエス・キリストを
真に理解するために、ユダヤ的視点で、福音書を読んでいくものです。

このnoteは、その講義をもとに、
4福音書を絨毯爆撃で、
端から読んでいこうというチャレンジです。
興味のある方は、ぜひぜひ、先生の講義を直にお聞きになってください!

引用している聖書は「新改訳2017」版です。

また、参考文献は「新実用聖書注解」になります。

聖書と一緒にステキな音楽もご紹介させてください。

〈私とケルト音楽〉イーリアンパイプス奏者 野口明生さん おまけ動画

昨日たまたま配信で見たライブで大活躍だったのが、この野口明生さんのイーリアンパイプスです。
アイルランド独特のパイプ(笛みたいな)で、いろいろな種類がありますが、
どれも、心温まる音です。
ほっこりいかがでしょう。

🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃🍃

さて、2回にわたって、福音書の鬼門、系図を分析いたしました。
こんな機会はなかなかありませんぞ。

そして、いよいよ歴史が動き出します。
といっても、まだ、イエス様は登場しません。
イエス様の先駆けとして、重要な役割を果たす、
ヨハネという人物の誕生物語です。
ヨハネといっても、ヨハネの福音書の記者のヨハネとは異なりますので、
ご注意ください。
混乱を避けるため、この中では、「バプテスマのヨハネ」と記載しますね。

ちなみにこの絵は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「バプテスマのヨハネ」です。なかなかに妖しい美しさですね。

Ⅰ 背景(舞台) ルカの福音書第1章5節~7節

●ルカの福音書1章5節
5 ユダヤの王ヘロデの時代に、アビヤの組の者でザカリヤという名の祭司がいた。彼の妻はアロンの子孫で、名をエリサベツといった。

たった2行ですが、すごくいろいろな背景の知識が
必要となります。

まず、「ユダヤの王ヘロデの時代」とあります。
ヘロデは紀元前37年から紀元前4年まで王位についていました。

ザカリヤという祭司がいきなり登場します。

祭司って、どういう職業でしょうか。

ユダヤ教の祭司とは、神と人とを繋ぐ存在として、
ダビデ王の時代に制度として確立しました。

大祭司の衣装

当時の祭司は、全員で1万8千人ほどいたようです。

祭司は、24の組にわけられていました。

ということは、1組何人でしょうか?18000÷24=750人ですね。

そして、ザカリヤの属した「アビヤの組」は8番目の組にあたります。

祭司達のお勤めとしては、
エルサレムで行われる大きな祭り(年に3回あります)では、
祭司全員で奉仕をし、
それ以外の期間は年に2回、1週間ずつ奉仕を行ったようです。

この奉仕のなかで、一番重要な奉仕は、
朝と夕、日に二回、神殿の聖所に入って香をたくというお仕事です。

ジェームズ・ティソ -画 「エルサレムの再建とヘロデ神殿」

※ちなみに、神殿の至聖所という一番奥には、
年に1回、大祭司一人のみが入ることができたそうです。
ヒラの祭司は、入れません。

さて、祭司の務めができるのは、30歳から50歳(20年間)の間だったようです。
とすると、一生の間に何回奉仕ができるかというと・・・
さあ、計算いたしましょう♪
(実は、わたくしもこんな計算初めてなんですのよ。新鮮ですわ!)

  • 14日×20年×2回(朝と夕)=560回となります。

さて、香をたく奉仕は、くじによって決められていたようです。
750人の祭司がいるのに、560回しか香をたく奉仕ができない。
ということは、
一生祭司をしていても、
1回も香をたくという名誉な奉仕をすることができないという人も出てくるということなんですね。
うわぁ、かわいそ。つらすぎる。

逆に言うと、くじに当たるということは、
その祭司にとって人生で一番幸せな日ということになるんですね。

香壇

わたくしも、この聖書の箇所は何回も読んでいましたが、
ザカリヤがくじに当たって香をたくということが、
どんな意味を持つのか、知りませんでした。

今回、中川先生の講義を聞いて、
聖所に入って香をたく奉仕を当てたザカリヤの気持ちと、
この奉仕をこのタイミングで与えられたことの深い意味を知ることができました。
ユダヤ的に聖書を読む意味はここにあります。

あら、9節のところまで、先走ってしまいました。
5節にもどりますね。

エリサベツについて
名をエリサベツといった」、とあります。
ユダヤの人々にとって「名前」は特別な意味をもつそうです。
エリサベツ」とは、「主は誓い」という意味だそうです。
なんか由緒ある名前っぽいですね。
ザカリヤ」は、「主は覚えたもう」という意味です。
これもなかなか意味深なお名前です。
ふたりあわせて、「主は救いの誓いを覚えておられた」ということになりますね。

ちなみに、前回出てきた「タマル」さんですが、
その名前の意味は、「なつめやし」。
タマルちゃんという名前は一般的な女の子の名前だったようです。

エリサベツは、さすがアロンの子孫、
名前の付け方からして、いいとこのお嬢さんって感じですね。

●ルカの福音書1章6節
6 二人とも神の前に正しい人で、主のすべての命令と掟を落度なく行っていた。

2人とも神の前に正しい人だった、
つまり神様のことばに忠実に歩んでいた人たちで、
旧約聖書の時代における「義人」といえる人でした。

普通、こういう人は、神様の祝福をたくさん受けて、
幸せになりそうに思いますよね。
ところが・・・

●ルカの福音書1章7節
7 しかし、彼らには子がいなかった。エリサベツが不妊だったからである。また、二人ともすでに年をとっていた。

彼らには子どもがいなかったのであります。
今の日本でも、不妊症は大きな悩みであり、
人生の困難のひとつですよね。
当時は、それどころではなく、「恥」と思われていたようです。

創世記30章23節において、
ラケルという女性が、不妊だったのですが、
神様の恵みにより男の子を生み
「神は私の汚名を取り去ってくださった」と喜んでいる箇所があります。

ミケランジェロ・ブオナローティ作「ラケル」

「汚名」ですよ、汚名。ひどいですよね。
でも、当時こういう風に思われていたのであります。

神様に忠実に生きていたのに、
子どもをくださいと祈っていたのに、なぜか叶えられない。
こういうことが、あるんですよね。

旧約聖書には、不妊の女の例が、他にも何人か出てきます。
① アブラハムとサラ
② ヤコブとラケル
③ サムソンの両親
④ サムエルの両親(エルカナとハンナ)
彼らは、不妊になやんでいましたが、
待望の子どもが生まれた後は大きなことが起こります。
今回もその予感がします。

「二人ともすでに年をとっていた」とある通り、
これは、人間的希望が絶たれた状態
(多分、エリサベツは閉経していたのでしょう)で、
祈ることもあきらめるような状態です。

ということは、ここから起こることは、
神様の業(わざ)ということになります。

お祈りします。
愛する天の神様
聖書をユダヤ的に読むことで、
ザカリヤの立場と、神様の業の意味を
深く知ることができました。
感謝です!
どうぞ、続けて聖書を喜んで読んでいくことができますように。
主イエス様のお名前でお祈りします。
アーメン

次回は、天使ガブリエルが何をザカリヤに告知したのか、
そして、その結果ザカリヤに何が起こったかを読んでまいります。
人間ってほんと、やっかいな存在です。(;'∀')

メシア・イエス・キリストの生涯 第6回
「ヨハネ誕生の告知」後半
ルカの福音書 第1章第5節~25節

シャローム!