会社員では食べていけない時代
これから社会人になる人たちの生活
私の姪が今年から大学生になった。
四年制大学なのだが年間180万の授業料がかかるという。
大学だけで720万だ。
平均的な会社員と専業主婦と子が2人の家庭である。日々の生活費とローンと2人の子の学費を払い、貯金もしながら別途700万を捻出するのは一般的な家庭には無理ゲー過ぎないだろうか。
補助金がもらえる高校もあるらしいが、それでも大学費用を貯めるのは簡単ではない。
無利子の奨学金を保険として借りていると聞いて、暗澹たる気持ちになった。あくまで保険なので手は付けていないらしいが。
私にお金があったらなあと久しぶりに強く思った出来事だった。
出来れば借りさせたくなかった。
数年後、初任給の平均はいくらなのだろう。おそらくまだ20万代だろう。
手取りは多くても20万そこそこだ。ユニクロや一部の大手企業が初任給30万に設定しているが、それも手取りにすれば25万に届かない。
奨学金返済をしながら一人暮らしした場合、
10万くらいは家賃光熱費と奨学金返済で消えてしまうのではないだろうか。
手取り20万あれば10万残るがほとんどはもっと少ない。そこから食費や会社勤めの経費(衣服代や交際費)を払って貯金するのは大変だろう。
物価上昇の本番はこれからだ。食糧もインフラも衣服もこれからも上がる。
家賃も古いアパート以外は上がるかも知れない。
更に会社員は時間が拘束され、身だしなみなどの社会規範に縛られるので節約がしずらい。昼ご飯を料理したりTシャツノーメイクのまま仕事が出来ないのでお金も時間もかかる。
会社員で貯金が出来たのは2000年代まで
私は2004年に大学を卒業したが、2年留年したので同級生は2002年卒だ。
氷河期と言われながらも真面目に就活している人の大半は就職した。
その頃はOLをしばらくやると結構貯金が出来たので、
数年会社に勤めて海外留学したり旅行に行く人も多かった。
私は会社勤めをほとんどしなかったが、1年バイトと派遣で留学資金を貯めた。確か150万くらいだった。
1ドル=85円の時代で先進国後進国問わず行きやすかった。
2012年頃、アベノミクスが始まってしばらく経過した頃に私は2年ぶりに帰国した。
その後に短期間派遣社員をやったとき、色んなものが2年前よりも少しだけ高くなったように感じた。社会保険にしても食材やお菓子にしても。
振り返ると、リーマンショック・東日本大震災・アベノミクス前までが
『会社員のやりどき』だった。税金の上がり始めで物価は上がる前だったからだ。
それが、
2010年代に入ると、会社員一人で家族を養うのが難しくなり
2020年代に入ると、会社員が一人で食べていくのが難しくなる。
共働きが一般的になり、パワーカップルというトリッキーな言葉が生まれる。経済力が半分になったので二馬力じゃないと生活が維持出来ないだけなのだが。
若い人達に会社員をやらせる意義
時には利息付きの借金をさせてまで大学に行かせ新卒で働かせる。
それに疑問を持つ人はどれくらいいるのだろう。
安い給料で年寄り社員のお守りをさせられていると言ったら言い過ぎだろうか。
今は安くても上がっていけばよい。お守りでもスキルや経験が積めれば良い。20年前ならまだそうして日本経済のおこぼれに与れただろうが、今はどちらも見込み薄だ。
お金よりも現物が重要になる日が来る
お金を稼ぐこと、貯金をすることは年々難しくなっている。
投資の才能があれば別だが、労働や商売で稼ぐのは難しい。
食べていくために仕事をするより、
食べものを自分(たち)で作る方が合理的なのではないかと近年思うようになった。
10万円稼いで野菜を買うより、10万円分の野菜をつくった方が無駄がない。
所得税も消費税もかからない。
無農薬無肥料で作れ、収穫したてを食べられる。
土や虫に触れ、太陽の下で活動することは生き物として何よりも自然なことだ。
ストレスの少ない時間、健康的な食物があれば病気にもなりずらい。
更に自然からあらゆることを学べるので経験も技術も積める。
そして、そんなに難しいことではない。
グーグルの入社試験よりも、社畜として過労死ぎりぎりで働くよりもずっと簡単だ。